イルミンスール魔法学校

「パラミタごと地球が消し飛ぶ！？」

　ヒラニプラの山中。
　巨大な飛空艇の甲板で、橙髪碧眼の少女ベルネッサ・ローザフレック（べるねっさ・ろーざふれっく）――通称ベル――が叫び声を上げました。

　彼女の前では、ホログラムで映し出された女性の映像が淡々と事実を述べます。

「機晶兵器無転砲が地球に向けて発射準備を開始しました。
　砲撃が直撃すれば地球もパラミタも跡形なく消滅します。
　発射の取り消しは不可能です」

「取り消し不可能って……直接ぶっ壊すしかないじゃない！　
　その兵器の場所は？」　

「無転砲は本部の最下層にあ――」

　そこまで言ったところで、女性の映像は姿を消してしまいました。

「ちょ、ちょっと！　途中で消えないでよ！
　本部ってどこ？　どうやって行けばいいのよ！？」

　ベルの呼びかけもむなしく、ホログラムが再び現れることはありませんでした。

　一体、なぜこんなことになってしまったのでしょうか。
　それを説明するには、少しばかり時をさかのぼる必要があります。

　

　※ここに書かれている経緯はキャラクタークエスト
　「【裂空の弾丸】１．覚醒」
　「【裂空の弾丸】２．地球滅亡！？」
　で詳しくご覧いただけます。

　最近、地球では正体不明のモンスターが出現しています。
　中東で傭兵団血染めの胡狼のリーダーを務めるベルも、その脅威にさらされた一人でした。
　ピンチに陥った彼女は、コンタラクターによって救われました。

　そこで、驚くべきことが起こりました。
　不意をつかれてベルがモンスターに襲われそうになったとき、
　彼女の持つ機晶石がベルの体内に侵入。
　直後、ベルは圧倒的力でモンスターを消滅させたのです。

　それだけではありません。
　ベルの体内から出た機晶石は、彼女を導くようにパラミタへと伸びる光を放っていました。
　ベルは父親の形見である機晶石の秘密を探るため、パラミタを訪れることを決意します。
　
　機晶石の光は、ヒラニプラ山中にある洞窟の最奥部に続いていました。
　ベルが光の指し示すくぼみに機晶石をはめると、洞窟が崩れ、
　巨大な飛空艇が出現しました。

　早速飛空艇に乗り込もうとするベルですが、
　そこにホーティ盗賊団がいちゃもんをつけてきました。
　ホーティ盗賊団は、崩れた洞窟をあじとに盗みをはたらいていたのです。
　
　ベルはコントラクターの力を借りて盗賊団を退け、飛空艇を起動しました。
　しかし、隠していたお宝が甲板に散らばっているのに気づき、
　盗賊団も無理やり飛空艇に乗り込んできました。
　
　その拍子に、一つのボタンが押されてしまいました。
　それは、地球に向けられた機晶兵器無転砲の発射ボタンだったのです。

　

　……というわけです。

「とりあえず、こいつに動いてもらわないと」

　ベルは気を取り直して飛空艇の舵をとりました。
　ですが、あちこちいじってみても飛空艇が動く気配はありません。
　起動しただけでも奇跡だったと言えるでしょう。

　ベルが悪戦苦闘していると、声をかける者がありました。

「お前たちがその飛空艇を起動させたのか」

「あなたたちは？」

「教導団だ。団長がお呼びだ。一緒に来てもらおう」

　それは、シャンバラ教導団員たちでした。
　ヒラニプラで何事かが起こったことを、教導団も把握していたのです。

　事情説明のため、ベルは金　鋭峰（じん・るいふぉん）のもとへと行くことになりました。
　ホーティ盗賊団の三人は逃げようとしましたが、教導団員に捕えられ、一緒に連行されました。

　

　シャンバラ教導団校長室。

「そんなことになっていたとはな。
　まったく、ただでさえパラミタ崩壊の危機だというのに」

　ベルの説明を聞き、金はため息をつきました。

「地球とパラミタが消し飛ぶなど信じがたい話だが……
　万が一本当だった場合を考えると放ってはおけんな。
　とはいえこちらも手一杯だ。契約者とともに君が解決に当たってほしい」
　
　金の要請に、ベルは力強く頷きました。

「勿論よ。もとはと言えば私に責任があるんだから。
　無転砲のエネルギーがチャージされるまでになんとかしないと」

　飛空艇の操縦席付近には、数値の表示されたウインドウがありました。
　無転砲のエネルギー充填状況を示していると思われます。
　また、近くには地図らしきものも表示されていました。

「まず最初に向かうべきは……」

　ベルは懸命に作戦を考えます。
　と、その途中で校長室の扉が勢いよく開かれました。

「団長！　例の飛空艇が急浮上を始めました！」

　それは、ベルの見つけた飛空艇が突如動き出したという知らせでした。
　更には、それと同時にヒラニプラ上空に未確認の浮遊島が出現し、
　そこから飛び立った謎の飛行生物が飛空艇に向かっているとのことです。

「大変、飛空艇を守らなきゃ！
　浮遊島にいけなきゃ手がかりがなくなっちゃう！」

「待ちたまえ、危険だ」

　知らせを聞くや否や、ベルは金の制止も振り切り校長室を飛び出しました。

「やれやれ……
　仕方がない。至急、契約者たちを集めろ」　

　金はベルをバックアップするために、協力者を募ることを決めました。

新アドベンチャー・シリーズ、【裂空の弾丸】のマスターシナリオ第一弾です！

関連キャラクタークエストは、既に

【裂空の弾丸】１．覚醒
【裂空の弾丸】２．地球滅亡！？

が公開されています。
シナリオガイドでは事件発生までの流れがかいつまんで説明されていますが、こちらでは詳しい内容がご覧いただけます。

勿論、キャラクタークエストをプレイしていない方でも、
このシナリオガイドを読んだだけでお楽しみいただける内容になっています！

【地球とパラミタの運命を背負う】の称号をつけている場合は、
ベルの知り合いである、ベルを助けた者の一人である、としてシナリオにご参加いただけます。

また、アイテム銃型ＨＣ・Ｓを装備している場合、
今回はシナリオ内で飛空艇から離れていても銃型ＨＣ・Ｓを通して

・無転砲のチャージ状況の確認
・飛空艇に表示されている地図の確認

が行えます。

■
飛空艇はヒラニプラ上空に現れた浮遊島に向かって自動で進みます。
まっすぐ飛空艇に向かえば、発進までに飛空艇に乗り込むことができます。
また、ホーティ盗賊団の三人組はこっそり教導団から逃げ出すことに成功しましたが、
お宝が諦めきれず隠れて飛空艇に乗り込んでいます。

浮遊島からは、パラミタともニルヴァーナとも違う機晶技術を用いたと思われる飛行生物が
飛空艇めがけて飛び立ってきています。
狙いは飛空艇にセットされたベルの機晶石のようです。
機晶石が奪われたり破壊されたりすれば、飛空艇は飛ぶことができません。

そして、教導団の調査により、パラミタと浮遊島の間にはバリアーが張られていることが判明しています。
このバリアーは飛空艇でなければ突破することができません。
つまり、機晶石を守れなければ浮遊島に辿りつくことができず、
地球とパラミタを救う手がかりがなくなってしまうのです。

敵は鳥や小さなドラゴンのような姿をしており、鋭い爪や牙の他、
機晶エネルギーを放出して攻撃してきます。
機晶石を守りつつバリアーを突破し、浮遊等への到着を目指してください！

■
ＮＰＣ紹介

・ベルネッサ・ローザフレック
通称“ベル”。
地球の紛争地帯で傭兵団“血染めの胡狼”のリーダーを務めていたが、
父親の形見である機晶石の秘密を探るためパラミタにやってきた。
射撃の腕は抜群で、身の丈ほどもある銃を巧みに使いこなす。
明るく頼りがいがあるが、危なっかしい一面も。

・“魔性の棘”ホーティ
ヒラニプラで活動していた盗賊団“ホーティ盗賊団”のリーダー。
鞭と魔法を扱う妖艶な女性。
高飛車な性格で、金にがめつい。
その性格が災いして今回の事件に巻き込まれることに。

・“剛力”バルク
ホーティ盗賊団のメンバー。
怪力自慢の巨漢だが、見た目に寄らず臆病で抜けている。

・“純白の幼鬼”ルニ
ホーティ盗賊団のメンバー。
無口な少女。小さな体に似合わず、巨大な斧を振り回す。

・飛行生物を撃退する

・ベルと仲良くなる

・三人組を待ち伏せる