【2024VDWD】甘い幸福~ボイスドラマ~ リアクション公開中! |
シナリオガイド甘い香りが漂う日。甘く過ごしますか? そ・れ・と・も!!
シナリオ名:【2024VDWD】甘い幸福~ボイスドラマ~ / 担当マスター:
川岸満里亜
* * * バレンタインデーが近づいたある日。 ゼスタ・レイラン(ぜすた・れいらん)は、百合園女学院での会議を終えた後、ロイヤルガード宿舎の神楽崎 優子(かぐらざき・ゆうこ)の部屋に寄りました。 「こんにちは」 鍵がかかっていたためチャイムを鳴らすと、優子ではなく彼女のもう一人のパートナーのアレナ・ミセファヌス(あれな・みせふぁぬす)が顔を出しました。 「こんにちは、アレナチャン。……1人?」 「優子さんもいますよ」 「だよなー」 残念そうに笑いながら、ゼスタはアレナに招かれてリビングに入りました。 部屋は片付けられており、棚の中にほとんど物はありませんでした。 「引っ越しの準備をしてるんです」 アレナが優子の荷物を片付けて、段ボールに詰め込んでいるのです。 百合園を卒業した後、優子の活動拠点は空京になるだろうから、と。 「ラズィーヤさんから優子さんを離します」 アレナの口からぼそっと出た言葉に、ゼスタは軽く吹き出して笑いました。 「飲み物青汁でいいか?」 キッチンから優子の声が響いてきました。 「いや、フルーツジュースで!」 ゼスタがそう答えて数十秒後。 優子が自分とアレナ用の紅茶と、ゼスタ用のフルーツジュースを持ってリビングに現れました。 「試作品のチョコレートです。食べてください……っ」 アレナはバレンタイン用に作っているチョコレートの試作品をテーブルに置いて微笑みました。 そして、ゼスタの向かいに座った優子の隣に腰かけました。 「…………」 「…………」 3人は黙々とチョコレートを食べ、飲み物を飲んでいます。 「……ところで、ゼスタ」 紅茶を半分ほど飲んだところで、ようやく優子が口を開きました。 「なんだ。つまんねー話なら帰るぞ」 将来について話がしたい。優子はそう言って、ゼスタを呼んだのです。 また少し間をおいて、優子は言いました。 「おまえ……私の籍に入るか」 「ぐ……げほ、ごほ……っ」 突然の優子の言葉に、ゼスタはジュースを吹き出しかけ、激しく咳き込みました。 彼の咳が落ち着いてから、優子は少し迷いながら言いました。 「お前が行方不明になり、偽物が現れた時……。お前の家から私達に連絡があったぞ」 「安楽死させるから、備えておけって?」 当たり前のようなゼスタの言葉に、優子は苦笑しました。 「どんな家で暮らしてるんだ、お前は」 答えず、ゼスタは自嘲気味な笑みを浮かべています。 「ゼスタさんを、引き取りたいって優子さん、お家の人に話したんです」 「……前に、私と結婚してもいい、というようなことを言ってたしな。私の籍に入れて引き取って、回復を待とうと考えた」 優子は真剣な目でゼスタを見つめました。 「おまえのことは正直信用しきれていない。だけれど、信頼はしてる。――私達にキミは必要なんだ、ゼスタ」 「……で、俺を婿にしたいと? やだね、地球人の婿なんてみっともない。俺が要るんなら、お前が俺の籍に入れ」 にやりと笑みを浮かべながらゼスタが言うと、優子はすぐに首を横に振りました。 「あ、いや違う。お前との結婚は全く考えられないが、将来養子にもらいたいと思ってる」 「……は?」 「アレナの気持ちが変わらなければ、そのうち私はアレナと養子縁組をして、アレナを神楽崎の籍に入れたいと思っている。 彼女には親兄弟はいないし、親子ほどの外見の差もそう遠くないうちにつくだろうから」 アレナは話を聞いていたようで、嬉しそうにこくんと頷きました。 「その時、お前も私の息子に」 「はあ!?」 大きな声を上げ、ゼスタは思わず立ち上がり、手に持っていたグラスからジュースが飛び散りました。 「お行儀悪いですよ」 アレナがゼスタの手からグラスをとって、布巾で濡れたテーブルを素早く拭きました。 「ふ、ふざけてんじゃねぇぞ。そんなバカな事したら、どのみちお前、嫁の貰い手がいなくなるだろ」 「いずれ結婚はしたいが、理解のある人に、嫁か婿に来てもらえたらと思ってる」 優子が座るよう手でゼスタを促すと、ゼスタは不服そうな表情のままソファーに座りました。 ふっと息をついて、優子は言葉を続けました。 「将来、私はパラミタで道場を開き、大きくしていきたいと思っている。 ……私がいなくなっても、その道場がキミ達の共通の実家だ。末永く兄弟仲良くな」 そう言って優子は笑いだしました。 「私がおねえさんです。パラミタに生まれたの、私の方が先ですから」 にこにこ微笑みながら、アレナがそう主張しました。 「いや、どう見たって、俺の方が上……」 「お姉さんですっ。優子さんと契約したのも私が先です!」 「そういうわけで、お前は私の長男で、アレナの弟だ」 「お、お前達……っ、ぷっ」 ゼスタもおかしくなって、笑い出しました。 「クリスマスにはケーキを、正月にはお節料理を、そしてバレンタインデーにはチョコレートを用意して家族を待ってるよ」 そう言って、優子はゼスタにラッピングされた箱を一つ、差し出しました。 それは高級老舗チョコレートブランドの、とっても高級で豪華な――義理チョコです。 ○ ○ ○ 「今年は特別な手作りチョコ、作らないの?」 百合園女学院の生徒会室で、休憩中に白百合団副団長のティリア・イリアーノが、団長の風見 瑠奈(かざみ・るな)に尋ねました。 「去年も別に、特別なチョコなんて作ってないわ……。友チョコとか、お礼をしたい人達へのチョコレートは用意するつもりなんだけれど、お礼のお礼をもらっちゃったら困るし、どうしようかなって思ってる」 瑠奈はそう答えた後、大きくため息をついて、テーブルに両肘をついて、両手で顔を覆いました。 疲れているのか、眠そうです。 「……瑠奈、今『恋忘れ』の薬飲んでるってホント?」 「え? う、うん。でも、レイラン先生に会う時だけ、ね。血を吸われた影響で、どうしても強く惹かれてしまって……まともに顔を見て話すことができないから」 ゼスタかつて、瑠奈の血を吸い心を奪いました。彼女にゼスタの意思に反した行為をさせないために。 「この薬、恋人達にもお勧めよ。激しい恋の感情が抑えられるから、相手の本質を冷静にきちんと見極められるかも」 「そうね。でも私には必要ないかな。恋人いないし、好きな人いないし、今年のバレンタインデーはイングリットとバレンタインデスマッチだし」 ティリアは団員のイングリット・ネルソン(いんぐりっと・ねるそん)に、大荒野で開かれるバレンタインデスマッチに誘われているのです。 「ま、またそれ? 私は行かないわよ」 「えー? 瑠奈もたまには暴れたいでしょ、一緒に行こう!」 「行きません。もお、ティリアもイングリットも、お突き合いはほどほどにね!」 ○ ○ ○ 若葉分校では、分校生徒会の庶務であるブラヌ・ラスダーがバレンタイングッズの通信販売業務に勤しんでいました。 「ハロウィンやクリスマスと違って、コスチュームとかはあんまり売れねぇんだよなぁ」 「星が見える丘とかに、お洒落な屋台でも設けたら?」 共犯……もとい、共同販売者である魔女のリーア・エルレン(りーあ・えるれん)からそんなアドバイスをもらったブラヌは、分校の仲間と共に、穴場のデートスポットで屋台を開くことも計画していきます。 「私が作った薬の効果は、全て1時間くらいよ。うふふっ♪」 通販でも屋台でも、チョコレートやリーアが作成した薬入りのチョコレート、お菓子に飲み物の販売に力を入れていく予定です。 魔法のチョコレート ・恋忘れチョコ(恋心が消えます。冷静になれます) ・体が温まるチョコ(体がぽかぽか温まります。飲み過ぎると暑くなってしまいます) ・力が漲るチョコ(力が湧き元気になります。効果が切れた後、ぐったりします) 缶ジュース ・甘い苺ミルク(微量の惚れ薬入り) ・刺激的なアイスティー(微量の興奮剤入り) ・素直な気持ちになるアイスコーヒー(微量の自白剤入り) ・安らかな気持ちになれるハーブティー(微量の睡眠薬入り) ・幸せな気持ちになるコカ茶(微量の小麦粉入り) ・ミックスジュース(色々入っている) 缶スープ ・猫の気持ちになれるカツオスープ(猫に変身します) ・犬の気持ちになれる牛骨スープ(犬に変身します) 缶入りお菓子 ・思い出クッキー(幼児化します) ・達観煎餅(老人化します) ・大人のキャンディ(10歳年をとります) 変声缶 ・ボイスチェンジャー缶(吸い込むと声が変わります) ※要人以外の、ボイスシナリオお誘いOKのNPCの声をご指定頂いても構いません。 アロマキャンドル缶 ・濃厚な甘いバニラの香り(嗅ぐと酔ったような状態になります) ・優しい花の香り(嗅ぐとお花畑にいるようなパッピーな気分になります) 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
こちらは、同時公開のスペシャルシナリオ『【2024VDWD】甘い幸福』の『ボイスドラマ注文用』シナリオとなります。 ▼サンプルアクション ・ボイスドラマ注文 ・ボイスドラマのみ参加 ▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています) 2014年02月13日10:30まで ▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました) 2014年02月14日10:30まで ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2014年02月18日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2014年03月31日 |
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