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嘆きの邂逅~離宮編~(第4回/全6回)

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嘆きの邂逅~離宮編~(第4回/全6回)

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シナリオガイド

友を信じ進め、契約者達!
シナリオ名:嘆きの邂逅~離宮編~(第4回/全6回) / 担当マスター: 川岸満里亜

「そういえば、ソフィアは戻ってこないかもって話だったけど……」
 ヴァイシャリー家の客室にて、マリザ・システルース(まりざ・しすてるーす)が眉を寄せて記憶を手繰り寄せながら言います。
「宝物庫にある女王様からお預かりしたマジックアイテムは、確か血族しか上手く使えなかったような……。そろそろヴァイシャリー家の誰かにも行っていただいた方がよさそうよね」
 女王器には、女王の血を引いている者にしか上手く扱えないものもあります。
 現在、女王の血を引くものは誰も離宮に下りてはいません。
「っと。じゃあ、かけてみるわね」
 パートナーの瓜生 コウ(うりゅう・こう)と、ソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)緋桜 ケイ(ひおう・けい)黒崎 天音(くろさき・あまね)達協力者が見守る中、ミクルから番号を聞いたマリザは、かつての仲間『嘆きの騎士ファビオ』に電話をかけてみました。
「……だめ、繋がらない」
 息をついて、マリザと皆はミクル・フレイバディに目を向けました。
「それでは、僕が……」
 ミクルは緊張した面持ちで、ファビオに電話をかけます。
 コール音が鳴り響き、皆は顔を合わせました。
 コール音は8回鳴った後、留守番電話へと切り替わったのです。
「もしもし、私よ。盟約の丘での待ち合わせ、よくもすっぽかしてくれたわね! ……後で、連絡ちょうだいね。待ってるから」
 マリザがそう言った後、時間切れで電話は切れてしまいました。
 これにより、ファビオは電波の届かない場所にいること、携帯電話はファビオが携帯しており、使用可能状態であるということがわかりました。

〇     〇     〇


「お疲れのところすみません、地上への転送をお願いしたいのですが」
 離宮南塔の天幕が張られた仮眠用のスペースでソフィア・フリークスは休んでいるはずでした。
 ソフィアに、怪我や病気の為に緊急的に地上に戻さなければならない人物の転送を頼んでいたのですが……。
 その場所にいるはずだったソフィアと、パートナー契約を結んだ桐生 円(きりゅう・まどか)の姿がありません。
 手洗いだろうと判断して、転送を頼もうとした百合園生は一先ず総指揮官の神楽崎 優子(かぐらざき・ゆうこ)の元に報告に戻りました。

「ここ……どこ?」
 調査や攻略が進められている中。
 天幕でソフィアと2人きりになった瞬間に、円はテレポートで奇妙な部屋に連れて来られていました。
「使用人居住区の地下よ。鏖殺寺院が極秘に作った地下研究室。その他、離宮全体の地下施設の制圧は済んでいるの。地下道を通じて、どこにでも人造人間を送ることができる」
 言って、ソフィアは持っていたライトで部屋の中を照らしていきます。
「で、何でボクをこんな所に連れてきたの?」
「あなたが人質だからよ」
「……契約したのもそれが理由?」
「そうね」
 何の表情も表さず、ソフィアは幾つかのスイッチを入れていきます。
 部屋全体に光が灯り、機械が稼動していきます。
 突然のことに驚いている円の方を見て、静かにソフィアは語ります。
「あなたは百合園では問題児のようだけれど、分校の設立に協力したり、白百合団で学んだりしているそうね。本部の部長、副部長あたりはどうだかわからないけれど、ここの指揮官にあなたを殺すようなことが出来るかしら? つまり、契約を結んだ私のことを殺せはしないはず」
「何が目的?」
「ヴァイシャリーの主力と、邪魔立てする契約者達を1人でも多くここに閉じ込めて殲滅すること。そして、離宮を浮上させ一帯を制圧すること」
 その可能性を、ソフィアが敵である可能性を考えていなかったわけではありません。
 でも、円は彼女を信じてみてもいいと思っていました。『悪人ではない』『自分が正しいと思っている行動を取る人』そして、嫌いじゃない性格だと思ったから、契約してもいいと思って契約したのです。
「私も、あなたの性格、嫌いじゃないわ」
 ソフィアは瞳を煌かせながら言葉を続けます。
「そう、私は私が信じる人、願う未来の為に動いている。あの女――ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)も、私がこう動く可能性は理解していたはず。でも、誰にも説明はしてないわよね。それはね、ヴァイシャリーを守るために、ここに下りた者達を犠牲にしてもいいと考えているからなのよ。ほら、自分や血縁者、パートナーは視察にも絶対下りてこないでしょ?」
 ソフィアはまた一つ、部屋の中のスイッチを押しました。
 機械音が響いていきます。
「私を信じてもいいといったあなたが、私の信じる人を一緒に信じてくれるというのなら、私はあなたをパートナーとしてきちんと認めようと思う」
 ソフィアは円を真っ直ぐに見ます。
「この部屋に出入り口はないわ。精密機械を狂わす電波を放ったから外部との連絡もとれはしない。だけど、あなたを拘束したりはしないでおくわね」
 そして軽く笑みを見せました。
「そう、私の封印はね、私の体内にあるの。私を殺して離宮の封印を全て解除する以外に、全員が地上に戻る方法はないわ」

『機器類が…誤作動を……している。妨害電波かなにかが、の影響と思…れる』
 通信機から、神楽崎優子の声が途切れながら響いてきました。
 通信機だけではなく、離宮に存在する機器類が正常に作動しなくなっているようです。
 使用人居住区の集会所に留まっている者達は、通信機が使えるうちに救援要請を出すべきか迷います。
 誰かが。
 そう、敵側に知能を持つ者がいたら。その者が、集会所の破壊を命じたら。敵に囲まれている自分達に逃げ場はないのです。
「あった、地下への入り口だ」
 国頭 武尊(くにがみ・たける)が小声で言い、皆が集まります。敷物を剥がした下に、地下への入り口がありました。
「嫌な音がするね……」
 鬼院 尋人(きいん・ひろと)が、床に耳を当てて言いました。
「人造人間製造室なんかがあったりして、はは」
 清泉 北都(いずみ・ほくと)が、冗談を言いますが、冗談ではなく真実かもしれません。
「そういうものがこの離宮にあるとしたら……そう、地下かもな」
 武尊が慎重に、地下への扉を開け放ちました。人か、それとも魔道生物か、多くの何かが稼動している音が響いてきます。
『皆、覚悟…決めてほしい』
 通信機から、神楽崎優子の声が流れてきます。
『ここに下り…来た者達は、地上の人々を守るという意思を持った同志だ。自らの怪我…恐れぬものは、仲間の怪我をも恐…るな』
 途切れ途切れだけれど、内容は解ります。
『我々は一つの存在だ。体…いくつあろうが、1つの意思…共有する者達だ。体の一部が傷つ…ば痛みを感じるが、倒れる……その意志は無くなりはしない』
 緊迫した口調で、彼女の言葉は続きます。
『意志の無…者は即刻陣へ戻れ。隠れて夜明けを待っていろ。進むものは仲間…信じ、振り返るな。今、我々に戻れる場所はない』

担当マスターより

▼担当マスター

川岸満里亜

▼マスターコメント

こちらのシナリオは、百合園女学院のキャンペーンシナリオですが、優先学園はありません(男性も会議や作戦にご参加いただけます)。
今回からのご参加も大歓迎です。

シナリオが追加募集になった際には、受身(街を歩いていたら事件に巻き込まれたなど)アクション目的での申し込みも歓迎いたします。
どのような状況に巻き込まれるのかはこちらの判断で決めさせていただきます(今回は多分荒事に巻き込まれます)。

尚、百合園女学院キャンペーン『嘆きの邂逅』は2分割となっており、先に公開された闇組織編4回にご参加された方は、この離宮編4回にはご参加いただけません。間違えて申し込んでしまった方は申し訳ありませんが、アクション不採用とさせていただきます。

色々と危険な状況にあります。前回までのリアクション、マスターコメントをよくご確認の上、どうか力をお貸し下さい。

○現在地と状況

・離宮南塔本陣
 各拠点まで数分から数十分の距離があります。

・離宮作業小屋
 御堂晴海に呼ばれた神楽崎優子は、本陣を出て急ぎここに向かおうとしています。

・離宮西塔
 倉庫としている場所があります。現在はさほど貴重な物は入っていません。軍人数名で警備をしています。
 別邸、厩舎からわりと近いです。

・離宮東塔
 大きめの救護所があります。一般の百合園生中心の救護班はまだ塔の中に留まっています。
 本陣、宮殿、使用人居住区、いずれからも少し距離があります。

・離宮別邸
 一番設備が整った救護所があります。
 宮殿、西塔からわりと近いです。
 攻略隊のメンバーは現在ここにいます。

・離宮地下道
 都市の地下通路のような地下道です。分かれ道など結構ありますが、迷路になってはいません。

・離宮宮殿前
 現状不明です。

・宮殿宝物庫
 敵光条兵器使いが集まりつつあります。
 奥の部屋が見つかりそうです。

・離宮使用人居住区前
 敵と交戦中です。負傷者はいますが、重傷者はいまのところいないようです。

・離宮北塔
 敵が押し寄せて来ています。今なら突破は可能そうです。

・離宮対策本部
 対策会議が行われます。

・ヴァイシャリー家(ミクル)
 ミクルが保護されています(離宮本部関係者共通情報)。
 保護されている建物や襲撃事件の真相は一部の者にしか知られていません。
 信頼できる私兵が警備を担当しているため、現時点ではここに留まっていれば、ミクルの身の安全は保証されています。
 ミクルは前回よりも少し回復しています。

○通信機について
親機は本陣、別邸、東塔に1台ずつあります。
隊長や班長はそれぞれ一番近い拠点に親機のある子機を預かっています。
その他、預かっているとこれまでのリアクションで描写されている人物は預かっています。
通信機での通信は、グループ(同じ親機のメンバーへ)だけか、全体かを選ぶことが出来ます。

今回は3回直後の話であり、原則、人物の居場所はこれまでのリアクション通りになります。現在百合園側に地上と離宮の間を行き来する手段はありません。
今回から参加の方は、今回中に離宮に行くことは難しいかもしれません。
但し、前回のシナリオに参加しており、前回のリアクションの第1章のみに登場(今回のガイドにも出ておらず)、及び離宮対策本部と友好的な関係が築けている人物は前回の段階で離宮に向っていたとしていただいても構いません。
更に、離宮にいるはずの人物であっても、前回のリアクションの第4章に登場していない方は、負傷などの事情がある方に限りソフィアに頼んで地上に戻っていたとしていただいても構いません。

〇こちらのシナリオではPL情報とPC情報の違いにご注意下さい
ガイドやリアクションに載っていても、知る手段のない情報は知っているとして行動することができません。
交流で情報を提供しあっていただければと思います。その際には双方のアクション欄に情報交換をした相手の名前(もしくはGA名)をお書き下さい。

〇お知らせ
『嘆きの邂逅』の第6回は分割せず1本(100人定員)で行いたいと思っています。
その最終回用に扉絵を用意する予定なのですが、NPCの他に、若干名(合わせて3、4人くらい)のPCにもご登場いただきたいと思っています。描かれたくない方は今回のアクションの意図に『イラスト不可』とでもご記入いただければと思います。

その他は、前回までのガイドとリアクションのマスターコメント通りです。
それでは、アクション楽しみにお待ちしております。

▼サンプルアクション

・会議をする

・怪しい人物に証拠をつきつける

・守りたい人がいる

・攻めに出る

・全力で巻き込まれる(追加募集参加者用)

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2010年06月07日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年06月08日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年06月12日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年06月25日


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