シャンバラ教導団

　――シャンバラ大荒野。
　荒涼たる大地が広がるそこに、十二星華の１人パッフェル・シャウラ（ぱっふぇる・しゃうら）の姿がありました。
　白と黒のロリータファッションに身を包み、右目をフリルで彩られた眼帯で隠すその姿は、大荒野にミスマッチとも言えます。しかも両手にはエアーガンを持っています。

「……たまには、遮蔽物の少ない場所でやらないと、ね」

　彼女の趣味はサバイバルゲームで、ロイヤルガードの報酬の大半は服とサバゲーに注ぎ込んでいます。
　今日は休みなので、サバゲーの訓練に費やすつもりでいました。空京で買ってきて、オリジナルの調整を加えたエアーガンを取り出し、その性能を確かめようと構えたその時です。

『おばちゃん』
「……！？」

　背後から声が聞こえ、パッフェルはエアーガンを構えて振り返りました。
　そこには６、７歳くらいの少女が立っていました。

「……私、まだ22歳、おばさんじゃ、無い」
『じゃぁ、おねーさん？』
「……そう、良い娘ね」

　確かに少女から見ればパッフェルはもうおばさんなのかも知れません。
　感情の起伏に乏しいパッフェルですが、それには流石に納得がいかないようで訂正させました。

『おねーさん強いの？』
「……多分」
『あたしのお願い聞いてくれる？』

　少女はパッフェルに母親に買ってもらったネックレスを取り戻して欲しいと言いました。
　何でも誕生日に買ってもらった、大切なネックレスだそうです。

「……誰から取り戻せばいいの？」
『あたしの村を襲った悪いおじちゃんに取られちゃったの』

　何でも少女の村はこの近くにあり、最近、蛮族に襲われてそのまま居座られているそうです。
　少女は何とか逃げ出して、パッフェルを見つけたそうです。
　蛮族は20人からおり、いずれもパラ実生らしい出で立ちをしているそうです。また、中には死体を操る者もいたそうです。

「（……ネクロマンサーが、いるようね。そいつが多分、リーダー、ね）分かったわ、準備を整えて向かうから、あなたの村の場所を教えて……」


「って、俺も同行するんですか？」

　少女と別れた後、パッフェルはその足でヒラニプラに向かい、シャンバラ教導団の新入生レオン・ダンドリオン（れおん・たんどりおん）とコンタクトを取ると、彼を通じて各校に依頼を出しました。
　レオンはパッフェルのサバゲー仲間の１人でもあります。

「……人手は多い方がいい。それに」

　パッフェルは一呼吸置いてから言いました。

「……私に依頼してきた女の子は、もう、生きてない。多分、自分が死んだことに、気付いていない、と思う。だから弔い合戦のためにも、人手は必要なの」
「そんな……くっ、分かりました！」


　数時間後、レオン・ダンドリオンの名前で、各学校に蛮族退治の依頼が貼り出されました。

　初めまして、ゲームマスターの丹野佑です。
　シリアスのシナリオですが、よろしくお願いいたします。

　レオン・ダンドリオンからの依頼で、シャンバラ大荒野にある、蛮族に襲われ占拠されている村を開放し、少女が大切にしているネックレスを取り戻すのが目的です。
　各校に依頼を出していますので、どの学校の生徒も気軽に参加できます。

　村は人口200人くらいの小さな村で、境界線代わりに野獣除けの柵がある程度です。
　今は20人〜のパラ実生を名乗る蛮族に占拠されています。
　蛮族は思い思いの各家を占拠し、食べ物などを漁っています。

　大半がモヒカンスタイルで、トマホークや血煙爪、アーミーショットガン等で武装し、スパイクバイクを駆っています。中には機関銃を搭載しているバイクもあるようです。
　また、リーダーはネクロマンサーで、ゾンビやスケルトンを操るようです。
　このリーダーが依頼主の少女のネックレスを持っています。

　シナリオガイド中でパッフェルが指摘しているように、既に少女は殺されてしまっています。抵抗した村人も殺されてしまっており、ゾンビの素材にされています。
　出来るだけ速く駆け付ければ、まだ生きている村人を救うことも可能です。

　NPCは小型飛空艇に乗ったパッフェルと、軍用バイクに乗ったレオンが同行します。
　２人以外のNPCは呼べませんのでご注意下さい。

・蛮族に陽動を掛ける

・人質を助ける

・蛮族と戦う

・蛮族に加担してヒャッハー！