シャンバラ教導団

「……今日もだめ、か」

　イルミンスール魔法学校の大図書室。
　アゾート・ワルプルギス（あぞーと・わるぷるぎす）は分厚い本を無造作に閉じました。
　
　アゾートは賢者の石創りに命をかけていると言っても過言ではない少女。
　今日も今日とて図書室で参考文献にあたっていたのですが、そう簡単に手掛かりは得られなかったようです。

「……また来るとしよう。この図書館は驚くほど広い。――ん？」

　その場を去ろうとしたアゾートは、不意に一冊の本が気になって足を止めました。

「……見慣れない本ね」

　アゾートは本を取り、ページをめくり始めます。
　と、次の瞬間――
　
　アゾートは本の中へと吸い込まれてしまったのです！



「おーい、アゾート、いいかげん切り上げて飯いこうぜ飯！」

　アゾートに資料漁りを手伝わされていたアッシュ・グロック（あっしゅ・ぐろっく）は、
　空腹に耐えかねてアゾートを探しに来ました。
　
　しかし、どこを探してもアゾートの姿はありません。
　代わりにアッシュが見つけたのは、ページが開いたまま床に落ちた本と……

「これは、アゾートの首飾り？」

　アッシュは首飾りに手を伸ばし、腰をかがめます。
　すると、本に描かれた魔女の絵が不気味に笑い出しました。

「お前の友達は本の中に閉じ込めてやったよ」
「わっ！　なんだって！？」
「助けたけりゃ、お前も本の中に入りな。
　ただし、そのためには知恵、力、勇気、
　のどれかを差し出してもらうけどねえ」

　いきなりの展開に、アッシュは状況が飲み込めません。
　が、彼は元から考えるより先に行動するタイプ。

「面白え！　何でももっていきやがれ！」

　本の中へと飛び込んで行ったのでした。

お初にお目にかかります。ゲームマスターの影山リョウガです。
皆様にお楽しみ頂けますように努力して参りますので、これからどうぞよろしくお願い致します。

イルミンスール魔法学校が舞台のシナリオですが、所属学校に関係なくどなたも気軽にご参加ください。

さて、アゾートが不思議な本の中に閉じ込められてしまいました。
皆さんは図書館に居合わせたため、この事件を知っています。
アゾート救出にはアッシュが一足先に向かっていますが、彼だけではどうも心配です。
どうか、皆さんの力で二人を助け出してあげてください。

☆☆☆本の中に入るには！☆☆☆

本の中に入るためには、
知恵、力、勇気のうちのどれかを差し出さなければなりません。
シナリオへの参加が決まったら、まずシナリオ掲示板の「あいさつスレッド」にてＭＣで挨拶を行ってください
その際に出た右側のサイコロの目が、

１か２→知恵を差し出す
３か４→力を差し出す
５か６→勇気を差し出す

となります。
ＬＣが差し出すものは、ＭＣと同じです。
掲示板への書き込みがなかった場合、差し出すものはマスターが決定します。

知恵を差し出したＰＣは、頭脳戦や魔法による戦闘が苦手になり、魔法攻撃に弱くなります。
力を差し出したＰＣは、非力になり、白兵戦が苦手になります。
勇気を差し出したＰＣは、決断力が鈍り、あらゆる行動が遅くなります。


☆☆☆立ちはだかる３人の敵！☆☆☆

本の中では、魔法使いの手下が３人待ち受けています。
３人のデータは以下の通りです。

魔道士：魔法による戦闘が得意ですが、白兵戦は苦手です。また、策略を巡らせることを好みます。
ゴーレム：パワーは圧倒的ですが、あまり頭はよくありません。魔法には弱めです。
獅子：圧倒的な素早さを誇りますが、知力や魔法の扱いは魔道士に劣り、パワーはゴーレムに及びません。

皆さんはこれらの敵のうち、どれか１つを選んで戦うことができます。
シナリオ上で全ての敵が倒されたとき、アゾートや皆さんは元の世界に戻ることができます。
魔女は戦いません。


一人で戦いを挑むことも勿論可能ですが、敵は手強い上に皆さんはハンデを背負っています。誰かと協力してみるのもいいかもしれませんね。

・魔道士と戦う

・ゴーレムと戦う

・獅子と戦う