百合園女学院

■前回までのあらすじ
　空京のクレープ屋でアルバイトをしながら日々を生きる“天翔　翼”。彼女はある日、バイトの帰り際に謎のツタの化け物に襲われてしまう。なんとか逃走を図り、契約者たちの助けを得ながら空京内を逃げ続ける翼。
　一方、“鍵の欠片”と呼ばれる物を探して空京までやってきていた“仙道院　樹菜”も契約者たちの力を借りて“鍵の欠片”探しをしていた。
　紆余曲折を経て、翼と樹菜……二人の少女が出会う。そして、樹菜の探していた“鍵の欠片”のひとつが、翼の持つペンダントであることが判明。樹菜は譲ってほしいと頼むも、翼はそれを断ってしまう。
　しかし、契約者たちの懸命な働きを見ていた翼はペンダントに込められた想いと絆を守らんとするため、樹菜と契約し共に“鍵の欠片”を守り、残り二つの欠片を見つける決意をする。
　その後、契約者たちの活躍もあり、化け物の脅威を退けた翼たち。樹菜から“鍵の欠片”が封印している存在、“魔吸桜”の話を聞き……翼は改めて、樹菜と共にパラミタの紡ぐ“絆”を守っていこうと心に決めたのであった。


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「へぇ、これが明倫館の制服なんだ……見た目本当に忍者とか巫女さんっぽいね」
「はい。確か、翼は隠密科でしたよね？」
「うん、樹菜は陰陽科だったよね。……バラバラになっちゃうけど、大丈夫？」
「学科はバラバラでも、学校は同じですから大丈夫ですよ。心配ありません」
（……多分、すぐ迷子になるんだろうなぁ……すごく不安かも）


　契約者として契約を結んだ天翔　翼（あまかけ・つばさ）と仙道院　樹菜（せんどういん・じゅな）の二人。
　魔吸桜という危険な桜の大樹の再封印を施すべく、再封印に必要な“鍵の欠片”と呼ばれる封印具を探し、守るための力を身に付けようと、二人は葦原明倫館に編入することになりました。
　翼は隠密科、樹菜は陰陽科でそれぞれ修練を積み、お互いに力を高め合おうと日々を過ごしています。
　なお、翼は葦原島にある仙道院家で、樹菜と共に過ごすこととなりました。『天使の羽』のアルバイトは続けているようですが、葦原島から空京まで飛空艇（仙道院家の自家用。中型）による長距離通勤（？）になってしまったことには溜息を漏らしているようです。しかし、それでもアルバイトをやめないのは『ただ飯喰らいにだけはなりたくない』という翼の想いからでしょう。

　そんな中、葦原明倫館ではあるイベントが行われようとしていました。そのイベントの名前は『全校交流旅行』――。
　シャンバラについてもっとよく知りたいと、他行との交流を積極的に行う明倫館生たちを支えるべく打ち立てられたこのイベント。どういったものかというと、シャンバラ中の学校から参加希望者を募り、集まった参加者たちで一泊二日の温泉旅行に出かける、という至ってシンプルなものです。
　そのイベントの存在を知った樹菜は参加してみたいと思い、翼と一緒に参加希望を出したのでした。


　――そして、『全校交流旅行』当日。参加者たちは旅行の宿泊先である『浮島旅館　澪都屋』へやってきました。
　『浮島旅館　澪都屋』は、葦原島近くの浮島にある温泉旅館で、知る人ぞ知る秘湯の宿として有名な場所です。『全校交流旅行』では御用達の宿であり、今回も澪都屋を全館貸し切りにしてのイベントとなるようです。
　さて、参加者たちが澪都屋に到着してからは、解散まで自由行動となったのですが……その日の夕方、事件が起きました。上空を航行中だった大型輸送飛空艇がこの浮島に不時着してしまったのです。
　どうやら何者かによって故意にエンジンを止められてしまったらしく、修理に時間を要するとのこと。貨物船として運用しているため、荷物を空賊に取られないよう修理完了までの護衛の依頼が旅館に舞い込みました。契約者たちがすぐ近くにいるため、澪都屋へ連絡がいったのでしょう。
　引率の教員たちの判断もあり、イベントの一環と称して有志を募り、輸送飛空艇の護衛に向かうことになりました。それ以外の参加者たちも待機状態として旅館に残り、交流旅行を続行することとなりました。

　……しかし、その旅館にもとある魔の手が迫っていることを、この時はまだ誰も知りませんでした……。

　初めまして、もしくはこんにちは。柑橘類系マスター・秋みかんです。
　今回のシナリオは『桜封比翼・ツバサとジュナ』の第二話となります。今回から初参加する方は第一話のほうをご参照されたうえでご参加してくださるようお願いします。
　さて、今回は『全校交流旅行』で起こった（もしくはこれから起こる）事件の解決に奔走していただきます。事件に関わらずにのんびりと旅行を楽しむのもありです。


■大型輸送飛空艇の護衛
　旅行中に起きたこの大型輸送飛空艇の不時着ですが、シナリオにもある通り何者かの手によって意図的に仕組まれたものです。そのため、飛空艇の護衛では戦闘を避けられません。
　じゃあ、何が出てくるの？　という話になりますが……空賊団とツタの化け物軍団が護衛チームの相手となります。

●敵側の状態
　空賊団とツタの化け物軍団はそれぞれ別方向からの攻撃（空賊団は空から、ツタの化け物は地上からの挟撃）となりますが、どうやら互いに互いを攻撃する様子はありません。そのため三つ巴になることはないので注意してください。
　そして、それぞれの目的も一致しているようなので協力体制を敷いている可能性が非常に高いです。ただ、両軍の数が減ってくれば黒幕が姿を現すので、力を合わせて両軍を倒しましょう！

・空賊団
　大型飛空艇に乗った、約１００人ほどの空賊たちです。サーベルとハンドガンを武器に、空から攻撃を仕掛けてきたり、小型飛空艇を使って地上へ降りて輸送飛空艇の荷物を狙います。強さは一般的なモンスターとほぼ同等。よほどのヘマをしない限りは十分相手になるでしょう。

・ツタの化け物
　第一話と同様、目的の物を奪取するためだけに行動します。邪魔が入ればそれを障害物と認識し、ツタによる攻撃や絶命寸前に種をバラまいて分身体を増やそうとします。種の処理を怠ると分身体が数体一気に出現しますのでその点に注意。対処法は第一話を参照してください。数は空賊団とほぼ同じで、数による物量作戦で攻めたてようとします。なお、今回は大ボスが現れることはありません。
・黒幕
　さて、この布陣はとある黒幕の手によって生み出されたもののようです。その黒幕はどうやら忍びのような高機動戦術を得意としているようです。果たして、その正体は……？

●補足
　こちらの護衛には、とある理由から翼と樹菜の二人も同行します。二人が気になる方は共に同行するのもいいでしょう。きっと、二人の温泉タイムはこの護衛が終わってからになりそうですね。


■旅館に残る
　旅館に残り、旅行を楽しむ側の契約者たちにもちょっとした試練が待ち構えています。
　こちらで起こる事件は――温泉に出現したにゅるにゅるしたモノと対峙したり、それを仕掛けた犯人を追うような形となります。

●にゅるにゅるしたモノについて
　にゅるにゅるしたモノは、水に触れることでにゅるにゅるしたモノを生み出す、古王国時代の変な魔道具です。ただし、この情報はこれが仕掛けられている温泉に入り、魔道具そのものを確認しない限りわかりません。
　また、このにゅるにゅるしたモノは人の身体に絡みつき、きゅうきゅう締め付ける特性があります。ホルモンの発する匂いの影響か、女性へ絡みつく傾向があります。そしてこのにゅるにゅるしたモノ、一定範囲内に入ることで作動します。

●犯人について
　先述したにゅるにゅるしたモノですが、これを仕掛けた犯人がいます。しかしこの旅館は現在貸し切りのため、宿泊中の契約者たち、葦原明倫館の教員数名、旅館スタッフ一同しかいないはずです。そしてどうやらこの犯人、何か目的があって旅館にいるようですが……？


■その他
　色々と事件は起きているようですが、それらを気にせず旅行を満喫することもできます。澪都屋の近くには小さな集落があり、そこが温泉街の代わりとなっているようです。いろんなお店があるのでいってみるのも一興でしょう。
　ただし、露天温泉だけは先述のにゅるにゅるしたモノをどうにかしない限り入ることができません。注意しましょう。

・大型輸送飛空艇の護衛をする！

・翼と樹菜たちと一緒に行動する！

・にゅるにゅるしたモノを仕掛けた犯人を探す！

・旅行を満喫する！