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【原色の海】アスクレピオスの蛇(第2回/全4回)

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【原色の海】アスクレピオスの蛇(第2回/全4回)

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シナリオガイド

海底の濁りは海を穢し、地上の真実をも覆い隠す。
シナリオ名:【原色の海】アスクレピオスの蛇(第2回/全4回) / 担当マスター: 有沢楓花

 樹上都市での戦いから、一夜が明けました。
 族長補佐の守護天使は、契約者たちと後から到着した海軍のフランセット・ドゥラクロワ(ふらんせっと・どぅらくろわ)たちに言いました。
「皆さんのおかげで怪物を退け、守ることができました。本当にありがとうございます。今後の襲撃に備えて、我々は海軍の方のお力をお借りすることにしました」
 今樹上都市付近では海底から海面まで、定置網漁のための網が作られ、徐々に張られていっています。
 機晶技術を用いたこの網なら容易に食い破ることはできませんし、魚を追い込んで一か所に集めれば、撃退しやすいのです。うまくすれば、樹上都市の住人だけでも対処できるようになるでしょう。フランセットは族長補佐の許可を得ると、海兵隊の人員を幾らか留まらせて、彼らの手伝いをするように命じました。
 そしてあれこれと打ち合わせをしているところに、族長ドリュアス・ハマドリュアデスが姿を現しました。彼女は華奢な体に白い菫を咲かせた花妖精です。
「……大樹の子の行方ですが、大樹によれば原色の海の中央……ヴォルロスに運ばれたようです」
 そう、契約者の傭兵が、大樹の苗木のひとつをまんまと盗みおおせたのです。幾人かは捕えたものの、彼らは雇い主に関しても計画に関しても、決して口を割りませんでした。どうも大金を積まれたようです。もし苗木で何らかの依頼が達成されるなら、そこで彼らは成功者となるというわけでした。
「幸いと言って良いのか、息子がヴォルロスにいますので、探しにやらせましょう」
 族長補佐が言うと、フランセットは頷きました。
「こちらからも是非協力させてください。ヴォルロスの議会にも連絡をして連携を」
 と、言ってから。
「ただ、私自身はアステリアの女王ピューセーテール様からのご依頼で、水源に向かわねばならないのです」
「水源に?」
「はい。海の濁りはご存じでしょうが、これが日々濃くなっているという話なのです。
 アステリア族の調査によると、水の濁りは、水源からと分かりました。新たな水自体に濁りが生じているのか、その側で起こっているのかは分りませんが……」
 アステリアが守るパラミタの水源。それは海底洞窟にあると言われています。
 フランセットたちは一度アステリアの海底都市に降りる予定です。
 降りる、というのは、外部との接触が少ない部族ですが、海上で暮らす人間のような部族のために、連絡口が設けられているからです。海底から伸びる塔の先端は海上に突き出しており、降りていくことによって気圧の変化に耐えられるようになっていますし、水中呼吸のための指輪などが貸与されるのです。
 その後女王たちに会い、準備の上で向かうことになります。海底洞窟の場所は長らく秘密にされていますので、案内役が必要なのです。
「濁りが怪物を生み出すなら、相応の危険が予想されますな。どうかお気を付けて」
「ありがとうございます」
 フランセットが頷く横顔には緊張があります。
 敵は相変わらず魚や鮫が主な敵でしょうが、水中では当然ながら船も大砲も使えません。武器にしても、弓は発射できないでしょうし、持ち込める重さや形状を配慮した方が良いでしょう。
 元々透明度の高い海ですが、濁りは視界を奪います。こちらも対策が必要です。



 一方、ヴォルロス。
 フェルナン・シャントルイユ(ふぇるなん・しゃんとるいゆ)の別邸に、村上 琴理(むらかみ・ことり)は来ていました。
「どういうこと、と言われましても」
「……だから……おかしいのよ。だから、思い出してほしいの」
 琴理はトントン、と指でテーブルを叩きます。
 気落ちしているにしたって、ぼんやりとしているパートナーの様子がおかしいのです。ただ、それだけではないのです。
「だって知らない人を殺害する理由なんてないでしょう? 利害関係もない。あなたは殺してなんかない……」
 琴理は紙を広げました。ヴォルロス議会で発行されている新聞のひとつです。
「でも、もし、もしもジルド・ジェラルディさんが犯人だとして、何故そんなことをする必要があるの?」
 新聞の隅には、死体が港から揚がったという記事が載っていました。若い女性ですが外傷が酷く人物の特定はできなかったということです。
「あの時顔は潰されてなかった、そうでしょう?」
「……うつ伏せだったので、はっきりとは分かりませんが、出血の様子からして……おそらく潰されてはないと……。ですが、もし……証拠隠滅であれば不自然ではない気も……」
 実は琴理は、思うところがあって今朝その現場に行ってきました。それがフェルナンが『殺した』と思われるソフィー・メイスンであろうと確信したのは、彼女が身につけていた衣服が質素なものの、ヴァイシャリー産の布だったからです。
「ところで、ここに置いておいた筈の書類は……」
 ぼんやりと、それでも仕事をしたいのか、フェルナンが問えば、琴理はサイドテーブルの上に目をやりました。確かにそこに置いてあったはずの書類……ですが、今は影も形も見当たりません。
「ここです」
 ──そう、声がして、琴理は思わず首だけで振り向いてしまいます。
 そこに立っていたのはレジーナ・ジェラルディ、フェルナンの婚約者でした。お手洗いにと席を外しましたが、帰ってくるのは予想より早かったようです。
 彼女は別のサイドテーブルから書類を取ってフェルナンに渡しました。華奢で繊細そうで、帽子を室内でも目深に被ってはいましたが、今日は調子が良いのか問いかけには応えるし、一人で歩くこともできます。
(これがフェルナンの言う「別人のような違和感」の正体……?)
 確かに、彼女自身も不思議に思っていました。昨日調子が悪いという時と、今では受ける感じが違います。むしろ百合園の合同忘年会で後姿を見かけた時と同じ印象を受けました。
 琴理はいぶかりながら彼女を見ますが、フェルナンはレジーナに苦笑するだけでした。
「……ここ数日、物忘れがひどいようです。……置いた筈のものが別の場所にあることは良くありますし、買い物に出かけても、その場所に再び行けば、全く初めてのような扱いを受けたり……。
 それに実は、今朝も出かけたのですが……ひどくぼんやりとして……」
 琴理はびくりとしました。新聞の隅には新たな死体が港に揚がったと書かれています。死体は泳げない男性でした。男性が誰かに突き飛ばされ、水しぶきが上がり、その誰かが逃げ去るのを作業員が見ています。それはフェルナンが丁度出かけていた時間に起きた出来事でした。
 その時フェルナンは、レジーナを馬車で迎えに行くところだった、というのです。もしや自分が再び殺人を犯したのではと疑っている。それが彼が元気のない理由──自身を疑っている原因なのです。
「きっとお疲れなのでしょう。私もご心配ばかりお掛けしましたから……ごゆっくりお休みになってください」
 レジーナは優しく言います。彼女は今日、この別邸に宿泊する予定になっています。
 琴理は逡巡した末、この家に自分も泊ることにしました。レジーナに何か奇妙なものを感じはしますが、その証拠がなければフェルナンも納得しないでしょう。何より彼は今、自分自身の記憶や感情に自信が持てないでいるのです。


 ところで、ジェラルディ家の門を見上げている一人の女性がいました。彼女・白百合会の会長アナスタシア・ヤグディン(あなすたしあ・やぐでぃん)は、相変らずジェラルディ家を怪しんでいるのです。
「……こういう時は、やっぱり『変装』ですわね」
 彼女は普段と違う化粧をし、すっぽりとフード付きのローブを被っていました。手には大きなカバンがあり、中には魔術の材料が収まっています。出身がエリュシオンだけあって魔法だけならそう引けを取りません。
 商人(実際そう見えるかは疑問でしたが)としてジェラルディ家に売りつけに行くついでに、あれこれ探ってしまおうという訳でした。以前と同じように忍び込んだとしても、この前あっさり見つかって、使用人として潜入した契約者に助けられたのですから、もし同様なことがあれば捕まってしまうと思ったのです。
「隙を見て部屋を調べられればいいですわね。そうでなくとも、何に興味があるかくらいは分るはずですわ!」

担当マスターより

▼担当マスター

有沢楓花

▼マスターコメント

 こんにちは、有沢です。
 こちらは全4回のシナリオ『【原色の海】アスクレピオスの蛇』の第二回となります。前回参加されていない方も大歓迎です。

 舞台となる“原色の海”(プライマリー・シー)の説明は前回のシナリオガイドを読んでいただくとしまして、今回は海底都市とヴォルロス(と、場合によって樹上都市)が舞台となります。
 ガイド及び前回のリアクションから自由に行動していただけます。
 以下にNPCの行動・行先を記載しますので、参考にしてください。

 ・フランセット……傭兵・協力者(の契約者)と部下と共に、海底都市を経由して、水源のある海底洞窟に向かいます。
          この洞窟は元々透明度が非常に高く、百メートル先くらいでしたら地上と同じように見渡すことができます。
          かなり広く、洞窟の先は(空気の存在する)地底に通じている場所があると言われるほどです。
          場所によっては光が差し明るい場所、暗い場所、鍾乳石などがあり狭い場所もあります。
          水中呼吸の指輪の他、水中ゴーグル、足ヒレや手袋、体温を保つためのウェットスーツ。
          そして水中でも、近距離でなら会話できるブレスレットなどを借りることができます。
          部下の一部は、樹上都市での手伝い・ヴォルロスでの苗木探しに当たります。
 ・フェルナン ……ヴォルロスにある別邸で、大人しく休んでいます。婚約者のレジーナが彼の世話をすることになっています。
          なお完全に二人きりではなく、家には使用人も何人かいます。
 ・琴理    ……フェルナンとレジーナを監視するために、夜は自分も宿泊することにしました。昼の間は使用人によく見ているようお願いして、
          フェルナンの記憶が曖昧な時間の足取りを追います。
 ・アナスタシア……魔法関係の商人のフリをしてジェラルディ家に乗り込みます。当主のジルドと、レジーナの姉・レベッカがいるはずです。
          ちなみに、少女少年探偵団の団員は所属学園問わず随時募集中です。かっこよくて上品な名前も募集中です。
 ・守護天使  ……族長補佐の息子です。ヴォルロスで苗木探しをするため、目撃者の聞き込みや古物商を当たるなどします。

 それでは、皆さんのアクションをお待ちしています。

▼サンプルアクション

・海底洞窟で怪物たちと戦闘

・殺人事件の謎を暴く

・苗木の行方を追う

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年05月04日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年05月05日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年05月09日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年05月23日


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