快晴の午後、休日。
朝から晴れ渡るシャンバラの青空の下、人々はいつもの毎日を送っていました。
イルミンスールの街。
「今日は通り雨が降るらしいからそれを使って実験がてらテキトーに魔法中毒者の遺跡と友愛会と接触した人達についての情報を探ろっか。そっちは依頼された物を届けたんでしょ。フィーリングだけで作った薬を」
守護天使の17歳の少女シノアが、輝く小瓶片手にうきうきしながら言いました。
「あぁ、服用してすぐ即死する毒をな。何に使うか知らねぇけど。まぁ、調薬が出来ればんな事どうでもいいけどな。というか昨日の調薬で身体がだりぃ。俺ら以外誰も来ないのか?」
黒猫の獣人の20歳の青年ヴラキは面倒臭そうに答え、他の仲間について確認を入れました。
「オリヴィエさんがあたしの実験を楽しむって、どこかの喫茶店にいると思う」
シノアは笑顔をよく見せるシャンバラ人の仲間を思い出していた。
「で、会長は最重要の用事で来られないらしいって事か」
「だね。それじゃ、我ら探求会の実験を始めるよ!」
最重要人物の行動を確認した後、ヴラキとシノアは通り雨が降るなり実験を始めました。
それにより青空から降る雨は、淡く輝き物にぶつかると鈴の音を出す美しい雨に変わりました。
通り雨が降り始めてすぐ。屋外の喫茶店。
「シノアちゃんの実験は成功ねぇ。素敵な雨の中お外でお茶を楽しめるなんて素敵ねぇ。シンリちゃんも来られたらいいですけど、あの特別なレシピの事で忙しいですし」
30代前半のシャンバラ人の女性オリヴィエは降り始めた素敵な雨に和んでいました。
予想外に長く居座る素敵な雨が歩き去った後、青空には誰も見た事が無いほどの美しい虹が空に架かるでしょう。
雨を楽しみ、虹も存分に楽しんでは如何でしょうか。