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シナリオガイド

今年もまたお茶会の季節がやってきました。
シナリオ名:ワンダフル・ティーパーティー / 担当マスター: 黒留 翔

 ――妖精の集落、フラワーリング。
 辺りを囲む森も秋色に変化しつつある頃、集落内では何やら慌ただしげに動き回る妖精たちの姿がありました。それもそのはず。今日は、妖精たちが一年で最も楽しみにしている秋のお茶会が開催される日なのです。
 集落に『フラワーリング』という名前が付いてから約一年。今では外部との繋がりも増え、来客も多くなりました。そのため今年のお茶会はいつもより豪華なものにしようと、住人達は張り切って準備を行っています。
「天気も良いし、広場でやろうってことになったんじゃよ。たまには外でお茶を飲むのも良いじゃろ?」
 楽しそうに色々な物を運んでいる妖精たちを眺めながら、集落の族長ハーヴィ・ローニは柔らかな笑みを浮かべます。
「そうですね。ゴタゴタしていたせいで、あまり手伝えなくてすみませんでした。でも、その分今日は働きますから」
「おや、お前さんがやる気を出しておるのは珍しいのう、カイ」
 からかうようにそう言われて、カイ・バーテルセン(かい・ばーてるせん)は「確かに」と苦笑しました。
「やる気というか……何かこう、前向きに動くのも案外悪いことじゃないなって思うようになりまして。リトと一緒に行ったは良いものの、結局俺はほとんど何も出来なかったし……せめてここに居る時くらいは働かないと。いや、自分でもキモいと思うんで笑ってくれて良いんですが……」
「いや。それは良いことじゃよ。それに、我は皆が無事に戻って来てくれただけで、本当に安心したんじゃからな」
 ハーヴィは本心からそう言って、にっこりと笑いました。
 二人がそんな風に立ち話をしていたその時。
「ハーヴィ!」
 ふいに飛んできた声の方を見やると、ちょうどリト・マーニ(りと・まーに)が小走りで駆け寄って来るところでした。
「一緒に『フェアリームーン』に行こうねって言ってたのに、いつまでも来ないんだから! 私、ハーヴィのお茶会用の衣装選ぶの、昨日から楽しみにしてたのに……!」
 リトはそのジト目をハーヴィに向け、次いで無言のままカイに移します。
「おお、すまなかったのう。リト」
「……二人して、何の話してたの?」
「他愛もない話じゃよ。のう? カイ」
 リトの何かを探ろうとするような鋭い眼力に耐えられず、カイは「ソウデスネ」と答えて視線を外しました。隠し事などがあるわけでもないのですが、カイとハーヴィが二人だけで話をしていたりすると、リトは自分だけ除け者にされたと感じるのでしょうか。拗ねてしまうことがあるのです。
「もー、早く来ないと先に行っちゃうからね!」
 しかし今回はそれ程機嫌を損ねずに済んだらしく、リトはひらりと踵を返して歩き始めました。その様子を見てほっとしたカイとハーヴィは、互いに顔を見合わせて仕方なさそうな笑みを浮かべます。
「そういえば、カイはこの後どうするんじゃ?」
「俺は一応、詰所でどら焼きでも作ってみようかなと」
「ドラヤキ? 食べ物の名前か?」
 聞いたことのない物だけに、ハーヴィは怪訝な顔をして首を傾げます。
「和菓子の一種です。中のあんこが苦手っていう方もいますけど、慣れると美味しいですよ。……って言っても俺が作れるのは母親から習った、ホットケーキの粉で作る『なんちゃって』どら焼きですが。秋らしく栗とか入れて作っても良いかなあと……ああ、はいはい。ちゃんと族長たちの分も用意しますから」
 興味深げに目を輝かせるハーヴィの様子に、苦笑しながらカイはそう言いました。リトのこともそうですが、この幼く見える族長が誰よりも長生きだという事実が未だに可笑しく感じられます。
「というか族長は? リトと服を選んで、その後は見回りですか?」
「うむ。『はろうぃん』というのを教えてもらったので、せっかくじゃし菓子を配り歩いてみようかと……それと、行ければ封印の洞窟にも様子を見に行ってみようと思ってるところじゃ」
 それを聞いて少し驚いた風なカイは、声を落として問いかけます。
「ソーンの様子を見に……?」
「そうじゃ。我としても、お前さんたちが彼を連れて帰って来た時はびっくりしたが……一度ゆっくりと話をしてみたいと思っていたんじゃよ。素直にそうとは言わんが、リトもあれで心配しているようじゃったし……引きこもりのソーン『先生』に茶会の空気をおすそわけでもしに行こうかと、のう」
「え、でも……」
 カイが何かを言いかけた時、再び少し離れた場所から「ハーヴィ!」というリトの声が飛んできました。
「リトー! 今行くからのー! ……大丈夫じゃよカイ。もう、悲しいことは起こらない」
 ハーヴィはそう言ってカイに笑いかけると、彼に二の句を継がせない内にリトの方へと駆け出します。
「リト、待っておくれ! 我、走るのは得意じゃないんじゃ……!」
 少し不格好なハーヴィの走り方と、それを見て駆け戻って来るリト。そんな二人の様子を眺めながら、カイは無意識に微笑みを浮かべていました。
 ――そうだ。もう悲しいことは起こらない。
 ハーヴィの言うように、集落の行く末が明るいことは間違いがないでしょう。きらきらとざわめく柔らかな木漏れ日。その下でお茶会の準備に勤しむ妖精たち。極めて平和な光景を見て、カイはそう確信します。


 ――木々に囲まれた穏やかな妖精の集落『フラワーリング』。そこで行われるお茶会に参加してみませんか? 妖精たち一同、お待ち申し上げております。


担当マスターより

▼担当マスター

黒留 翔

▼マスターコメント

 黒留 翔です。
 今回は一年ぶりとなる秋のお茶会のお話。私事ではありますが、初めて担当したシナリオがお茶会に関するものだったので、最後もそれで締めさせていただきます。
 最後はとにかくハッピーに終わりたいですね! GMの方から事件を起こすことはないので、肩の力を抜いてお楽しみいただければと思います。
 

 さて、今回のお茶会についてですが、基本的に何をしていただいてもOKです。
 没となるアクションは他PCに危害を加えること、公序良俗に反すること、GM側でどうしてもダブルアクションの処理を行わなくてはならないと判断されるものとなります。以上の点に気を付けていただければ、他に特別な制約はありません。
 なお、フラワーリングや登場人物に関する設定はこれまでのシナリオから引き継いでおりますが、初めての方でも問題なくご参加いただけます。
 また、今回ご参加いただく全PCには『フラワーリングの仲間たち』の称号を差し上げる予定ですが、最後ということもあるので、不要な方はお手数ですがその旨をアクション欄にご記載いただければと思います。


■アクションの締切について■

 本シナリオのアクション締切日は、10月12日となります。


■登場人物■

・カイ・バーテルセン……自警団詰所でどら焼き作りをしようと考え中。雑用等押し付けるために声をかけていただいても大丈夫です。洋菓子でも和菓子でも、甘いものならなんでもござれ。

・リト・マーニ……料理下手であることを自覚したらしく、おとなしく飾り付けでもしていようかなと考えています。しかし、やっぱりお茶やお菓子の準備も気になるので集落内をうろうろ。強いて言うなら作成途中の味見が一番美味しい派です。

・ハーヴィ・ローニ……集落の族長です。手土産片手に、封印の洞窟にいるソーンの様子でも見に行こうかと考えています。クッキーやフィナンシェなど、お茶に合う焼き菓子が大好き。

・ソーン・レナンディ……集落内には戻り辛いらしく、かつてリトが封じられていた洞窟内に籠り中。自分の犯してきた事については反省していますが、姉のことを諦めたわけではないようで、人道的な方法を模索するべく研究を続けています。甘いものはやや苦手ですが、ハーブティーの香りは好き。

・チンピラ5人衆……元『灰色の棘』の男たちです。誓約書に従って、村の発展のために日々雑用アンド雑用。男手が必要な場合などにどうぞ。


■前回シナリオの後の話■

 緑の機晶石とH−1がその後どうなったのか。蛇足になるのでリアクション本文では触れなかった部分ですが、一応話を作ってはありました。今回のシナリオとは直接関係ないことですので、不要な方は読み飛ばしていただいて結構です。

・緑の機晶石……ヴィズの魂をその中に留めたまま、現在リトのお守り袋の中に入っています。転生装置によって石を身体に組み込むことは(装置自体が修復不可能となったのでどちらにせよ無理ですが)、リトが「犠牲の出る技術なら要らない」と突っぱねました。彼女としては双子の弟が自分と同じような「死ねない存在」となることにも抵抗があるらしく、とりあえずは故郷の森へ彼を連れ帰れたことに喜びを感じています。

・H−1……リトとしてもソーンとしても、古代遺跡に置き去りにするにはあまりに忍びなかったため、バラバラになったパーツを集めてフラワーリングに持ち帰ってきました。「機晶兵にお墓って変かな?」と言うリトに対し、カイが「日本には人形供養っていう文化もあるし、何に対しても『お疲れ様、ありがとう』って言うのは良いことだと思う」と答え、大きめの壺にH−1を入れて弔ったばかりです。お彼岸とハロウィンが近い時期だったので、何となくそんな気持ちになったのも一因。壺はソーンに渡されましたが、「墓地の場所が必要ならいつでも声をかけるように」とハーヴィは言っています。


■集落内の設備等■

 フラワーリング周辺の大まかな地図はマスターページに載っておりますので、気になる方はお手数ですがそちらをご覧ください。
 集落内に新しい建物や設備などを造っていただくことも可能ですが、周囲を森で囲まれていることもあり、あまりに巨大な建築物を建てることは出来ません。

 なお、現在 集落内に建設済みの建物に関しては以下の通りです。

 学校/子ども園/倉庫、水車/宿泊施設、温泉/洋服店/自警団員詰所
(学校に図書室と職員室および宿直室、保健室、子ども園に遊戯室は設置済み。詰所は談話室完備です。)

 学校を含めてほぼ全ての建物は木造となっております。屋内で火を使用する際は火事にお気を付けください。

▼サンプルアクション

・お菓子作り

・仮装して練り歩く

・パーティの余興

・飾り付け

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年09月30日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年10月01日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年10月12日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年10月29日


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