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偽ロリ教師と盗賊とさらわれた子供達

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シナリオガイド

悪魔ロリよりの指令! 子供達プラスワンを救い出せ!
シナリオ名:偽ロリ教師と盗賊とさらわれた子供達 / 担当マスター: 相景狭間

 イルミンスール魔法学校の近代西洋儀式魔術学科。
 そこの教員たるアーシアは、とある洞窟の中で縛り倒されていました。

「このヒキョー者! 人が寝てる隙になんて事してくれてんのさ!」

 そう、アーシアは洞窟でこっそりと、魔法薬の調合をしていました。
 その名も、ボンキュッボンの魔法薬。
 図書室にあった、恋する乙女の魔法・禁術編に載っていたものです。
 かなり気を使う調合で、完成間近というところで疲れて居眠りしていたのですが……。

「その薬さえあれば、あの悪魔ロリに私のナイスバディっぷりを見せ付けてやれるものを! ええい、放せー!」
「よくワカンネぇけどよ。まあ、お嬢ちゃんも薬とやらも仲良く売り飛ばしてやっからよ。安心しとけや」

 そう、この洞窟はひとさらい達のアジトだったようなのです。
 アジトに帰ってきてみれば、何やら子供(実際には大人ですが)が高そうな機材とセットで自分達のアジトにいるのです。
 カモが葱を背負ってくる……という言葉の正しい意味が浮かんだ事でしょう。
 他にいるのは、数人の子供達。
 どうやら、何処かの村からさらわれてきたようです。
 縄で縛られていないところを見ると、何もできまいとたかをくくっているのでしょう。

「むぅ……」

 その様子を見て、アーシアは悩みます。
 自分一人で逃げる事は出来るかもしれません。
 でも、そうすると子供達はどうなってしまうのでしょう。
 自分も助かって、子供達を助ける。
 その為には、助けを呼ぶ必要があります。
 
 スカートのポケットには、携帯電話。
 けれど、縛り倒された今の状況では通話なんて出来ません。
 出来るとするならば、子供達だけ。
 でも、どうすれば。
 
 考えていると、アーシアは男の一人がチラチラと視線を向けてきているのに気付きます。
 大量の商品をゲットした祝いの酒宴の最中、その男は何度もアーシアに視線を送ってきています。

(ああ、そうか。この手の視線は覚えがあるぞ)

 その視線の意味に気付いたアーシアは、精一杯の悩ましげな顔で身をよじってみせます。
 息を吐き、出来るだけ苦しそうに。
 子供にしか見えないアーシアがやっても普通ならば絶対に通用しない、女性を利用した演技。
 それに見事引っかかった男は、酒宴の輪からコソコソと抜け出すようにアーシアに近寄ってきます。

「ど、どうした? 具合でも悪いのか?」
「寒いの……寒くて、お胸が苦しいの……」

 自分で言ってて自分に怖気が走りながらも、アーシアは精一杯の演技をします。
 男は顔を真っ赤にしてオロオロすると、縛って転がしていたアーシアを座らせようと持ち上げます。
 足は、動きます。半分しゃがむような姿勢でアーシアを持ち上げている男の足と足の間。
 すなわち、二足歩行の阿呆には最大の急所ががら空きです。
 最短の軌跡を描く最速の一撃が男の男であるが故の部分に吸い込まれ、声もなく男は悶絶します。

 転がされていては動けませんが、立ち上がりさえできたなら、もうこっちのもの。
 アーシアは他の男達に気付かれないように子供達に近寄ると、ズボンのポケットを一人の男の子に見せます。

「いい、全力で逃げるの。隠れたっていい。そして、お願い。この電話で、電話帳に登録してある悪魔ロリに電話して。助けを呼ぶの」
「き、君は……?」
「私は大丈夫。君達よりも、ずっと大人なんだから。ほら、それを持って。まずはゆっくりと。充分に離れたらダッシュだからね」

 言いながら、自分もゆっくりと後ろに下がります。
 相変わらず縛られたままですが、転ばなければどうということはありません。
 出来るだけ囮となって、子供達を逃がさなければ。

 子供達が見えなくなったのを見届けると、アーシアは別方向へと走り出します。

「バーカ、バーカ。変態ヒゲダルマ団! 悔しかったらこっちにおいでー、だ!」
 
 叫び、走っていくアーシア。

「あ、あのガキ! っておい、ボールズ! おめえどうしたんだ!」
「おい、ガキが全員いねえぞ!」
「ちくしょう、あのガキを捕まえるんだ!」

 慌てて立ち上がる男達の手からは、バサリと本が落ちます。
 それは、アーシアが図書室から借りてきた本です。
 開いたページに書かれていたのは、ボンキュッボンの薬のページ。


 恋する乙女の最終兵器、ボンキュッボンの魔法薬!
 気になるけれど、貴女に振り向いてくれないニクい彼。
 でも、この魔法薬さえあれば、もう大丈夫!
 彼をガッチリ掴んで放さないゾ!


 乙女チックな文体が踊るページは風でめくれていき、使用法のページが顔を出します。


 さて、魔法薬を身体にかけた貴女。
 あとはカレを呼び出して、脇をきっちりとしめてステップしましょう。
 意中のカレの姿が見えたら、あとはもう勇気をこめて接近戦に持ち込むだけ。
 そうすれば、もう大丈夫。ボン、キュッ、ボンという軽快な音と共に貴女の恋のワンツー攻撃は、カレのハートに華麗にヒット!
 あとはもう、カレを暗がりに連れ込むだけ!
 反撃を許さないスピード勝負で、カレをノックダウンだネ♪


 何やら恐ろしい文面の踊る本。
 どうやら魔法薬名だけ見て、どんな薬なのかは目に入っていなかったようです。
 子供達も盗賊団も消えたそこに現れたのは、数匹のゴブリン。
 火の消えた魔法薬の鍋や酒瓶を眺めながら、ゴブリン達は顔を見合わせます。

 そして、慌しくなった洞窟の中で。
 一人の男の子が、電話を耳に当てながら必死で叫びます。

「悪魔ロリさん! 助けてください!」


 ■■■

「うちの偽ロリ教師が一人、面倒事に巻き込まれてやがるですぅ」

 イルミンスール魔法学校の校長室。
 エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)は、色々な感情を含んだような様子で会話を始めます。
「どうにも洞窟で盗賊団と遭遇して、子供達を逃がすべく何かやってやがるよぉですねぇ」

 そう言うとエリザベートは机の上に、一枚の地図を広げます。
 その地図には、その洞窟と思われる場所に丸がつけてあります。

「場所はもう調べがついてるですぅ。事情は今説明した通りだから、さっさと向かいやがれですぅ」

 そう言うと、エリザベートは不機嫌そうに椅子に深く座りなおします。

「ああ、あの偽ロリを見つけたら、減給三ヵ月だと伝えておくですぅ」

 見ず知らずの相手に悪魔ロリ呼ばわりされたエリザベートは、そう言って忌々しそうに天井を見上げます。

 深い洞窟の中で追いかけっこを続ける盗賊団と子供達、そしてアーシア。
 果たして、無事に間に合う事ができるのでしょうか?
 

 

担当マスターより

▼担当マスター

相景狭間

▼マスターコメント

こんにちは。
今回も、どうぞよろしくお願いいたします。


■探索について
今回の舞台は洞窟です。
足場は悪く、とても暗いです。

洞窟の中には上半身を縄でぐるぐる巻きのアーシア先生、盗賊達、そして子供達が居ます。
その他に、類まれなる近接格闘のセンスをゲットしたゴブリン達がウロついているようです。

■財宝について
ひとさらい達の溜め込んだ財宝があるようです。
どこに隠しているかは分かりませんが、簡単に見つかる場所ではなさそうです。

■魔法薬の鍋について
洞窟のどこかに本と一緒に放置されています。
何者かが飲んだ跡がありますが、たっぷり残っています。
ちなみに、三日ほどで効果は消えるもののようです。

▼サンプルアクション

・戦闘行動!

・回復担当

・アーシア先生探索

・財宝探索!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年07月19日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月20日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月24日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年08月03日


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