薔薇の学舎

「やはり、日本の文化は美しい」

　黒地に金の鯉が鮮やかに描かれた着物を纏い、両腕にたくさんの荷物を抱え上機嫌なジェイダス・観世院（じぇいだす・かんぜいん）に連れられ、京都の街を巡り歩いた薔薇の学舎の生徒達は疲れ切っていました。既に空は赤く染まっています。寺院からお土産屋さんまでジェイダスの気の赴くままに一日中歩き続けた生徒たちの疲労具合を見兼ねたラドゥ・イシュトヴァーン（らどぅ・いしゅとう゛ぁーん）は、顎に手を当て考え込んだ後に、ふと口角を釣り上げた意地の悪い笑みを浮かべます。

「……ここで一つ、課題を出してはどうだ？」

　すっかり機嫌の良いジェイダスはラドゥの提案に興味を示して足を止め、後方に続く生徒達もこれでようやく足を休めることが出来るかと期待をあらわにラドゥを見ました。中には疑いの眼で彼を見る生徒もいましたが、気にした風もなくラドゥは何やらジェイダスの耳元へ囁きかけます。
　疑問気にその言葉を受けていたジェイダスの表情が、次第に悪戯なものへと変わっていきます。不穏な気配を察した生徒の表情が曇ったそのタイミングで、一つ頷いたジェイダスは生徒達へ向き直りました。

「これより、自由時間とする」

　予想外のその言葉に、おお、と生徒の一部から感嘆の声が上がります。
　しかし、すかさずジェイダスの言葉が続きました。

「だが、今日一日の成果を見るため、お前たちにお使いを命じよう」
「以下の物を全て買い集めることが出来なかったなら、今日は夜通しで観光ツアーの続き……だ、そうだ」

　続きを引き取ったラドゥの笑い声に、生徒達の表情が固まりました。
　ジェイダスの次の言葉を聞き逃さないようにと、ぱらぱらと上がっていた雑談の声すら消え、一角は静寂に包まれます。

　そしてジェイダスが提示した品物は、以下のものでした。


・赤くて丸いもの
・色とりどりで、口の中に入れておくと溶けてしまうもの
・三角で中に餡子が入っているもの
・ジェイダスに似合いの着物


　ジェイダスとラドゥは、隣のあんみつ屋さんで生徒達の帰りを待つそうです。
　一人につき、買えるお土産は一つ。それぞれのお土産に対して一人ずつでも正解を出せば、合格となります。期限はあんみつ屋さんの閉まる時間までの２時間ほど。
　それを聞いた生徒達が駆け出して行くのを見送り、二人は上機嫌にあんみつ屋さんへ入って行きました。

　シナリオを担当させて頂きます、ハルトです。宜しくお願い致します。
　こちらば薔薇の学舎の修学旅行シナリオです。
　他校の方もシナリオに参加することはできますが、男子校の修学旅行の為、混ざることができるのは原則外見男子の生徒のみです。但し手助けや観光で同行する場合は女性の方も歓迎します。
　また他校のＰＣで参加なさる場合は、「友人と道で会った」「お土産屋さんで困っている生徒を見掛けて気になった」などの理由をお願いいたします。
　今回のシナリオはクイズ形式になっております。

　・ＭＣ・ＬＣそれぞれ一人につき一つだけお土産の購入が可能です。
　・それぞれのお土産につき、最低限１ＰＣずつが正解を出せば合格となります。
　・ジェイダスの着物のセンスは独特です。

　以上の点に注意して、見事睡眠時間を手に入れて下さい。自分一人で行動するも、仲間と話し合って正解を探すも、自分の好きなお土産を買ってしまうも、他の生徒達に任せて自由時間を眠って過ごすも、皆さん次第です。
　ご参加をお待ちしております。

・ジェイダスの課題に挑戦する！

・お土産を探し回る

・ジェイダス達と一緒にあんみつを食べる

・○○と街を歩きたい