薔薇の学舎

　ここはイルミンスールの森の中にある、ジュエリンのお屋敷の中…。
　誰も入れないように化粧室の鍵を閉めて、ピンクのルージュを1つ、棚から取り出しました。
「ウッフフフ…。
この本に書かれている作り方通り、ルージュを溶液に入れて…」
　薄っすらと笑みを浮かべ、溶液を注ぎ込んだシリンダーの中へ…。

　ポチャンッ…。

　可愛らしいピンクから、怪しげなグリーンカラーに変化しました。
「これを唇に塗って相手に向かって、行動してことを言うと、その通りに動いてくれるんですの。
さっそく、私の手作りのお洋服を着せてあげましょう♪」
　婚約者のロリオを着せ替えるために、とんでもないものを発明してしまったのです！

　そこへ、たまにはジュエリンの話相手でもしようと屋敷にやってきたロリオは、ノックをして化粧室の扉を開けたとたん…。
「ジュエリン、入りますよ？
―…も、もしかして…それは！！？」
　世にもおぞましい光景を目にしてしまいました。
「やっぱりその本は破棄してしまうべきでしたね。
まさかこんな事態になってしまうなんて…っ」
「着せ替えるのが趣味だから、やっぱり着せ替えられるのはイヤですの。
だからこのルージュであなたを着せ替えようと考えたんですのよ♪
さぁ、ロリオ…私が作ったお洋服を着せてあげますわ♪」
「お断りします！
オレが着ても、筋肉が服を破ってしまうだけですからぁああーーーっ！！」
　命令される前に逃れようとロリオは叫び声を上げ、屋敷の庭へ逃げました。

「ジュエリンに命令される前に、なんとしてでもあのルージュを破壊しなければ…」
「そのルージュで、相手に命令出来ちゃうんですかぁ〜？」
「ほほぅ、それは素晴らしいのぅ！」
　学校の授業に使う草花を採取にやってきたエリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）とアーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）が、庭の通りがかり偶然聞いてしまいました。
「ぜひとも手に入れたいものじゃ」
「私が先にいただくですぅ〜。
大ババ様のオヤツは今度からぜ〜んぶ、私のものにするですぅ〜♪」
「なっ！？
エリザベートに使わせるとろくなことが起こらぬ。
他の者が安易に使用しないように、この私が管理してやろう！」
「そんなこと言って、独り占めする気じゃないですかぁ！？」
「たわけっ！
私利私欲に使うならば、作り方が書かれている本もルージュも破壊するまでじゃっ」

　欲と怒り、絶望がミックスされた阿鼻叫喚の空間…。
　お屋敷はもう大混乱です！！

コメディーなんで、怪我をしても終了後には治ってますのでご安心ください。
舞台はイルミンスールの森の中ですが、他の所属学校でもご参加いただけます。

【注意事項】
どさくさに紛れて友達やパートナーに命令するものアリです。
命令や着せ替えなどの反映は、全年齢対象から外れない程度です。
明らかに無理なシーンは、ナレーションによって消されたりしますので、予めご了承ください。

ルージュを使えるのは所有権を得た者、1人だけです。
所持者になる方法は唇に塗るだけで、それ以外の場所は効果がありません。
一部を削って使うことも可能ですが、本体の所有権を失うと削って所持している部分は消滅します。
所持者でなくなると、相手に命令した効果が全てなくなります。

ルージュの効果があるのは、人の言葉を理解出来る生き物だけです。
ただの植物などには効き目はありません。
効果は命令発動後、10分間だけです。
対象に出来るのは自分の周囲、10m四方の範囲にいる相手のみです。
防音対策されていたら効き目はありません。

沢山の人に命令する場合、1人1人に向かって命令してください。
いきなり複数の人数に対して同時に、命令することは出来ません。
相手がたが命令されている間の記憶を残さない場合、アクションに明記をお願いいたします。
何も書かれていない場合、記憶に残ってしまいます。

【ロリオのクラス】
魔法少女。
ウィザードでしたが、ジュエリンに無理やりクラスチェンジさせられました。
キレると魔法少女に変身してジュエリン以外、男女平等で容赦しません。

【ジュエリンのクラス】
コスプレイヤー。
何年も勉強してやっとなったドルイドのクラスをあっさり捨てて、趣味のクラスにのりかえてしまいました。
か弱いですが着せ替えさせたい相手を見ると、神速のスキルが使えるのかと思えるほどめちゃくちゃ足が速いです。

ルージュは誰の手に渡ってしまうのでしょうね…。

・そんなけしからんルージュは破壊してやられねば！

・けしからんルージュを二度と作られないように本を破壊してやる！

・皆の頂点に立つのは自分だ！ヴゾベイッセ ア　モン　ノルドル！

・どさくさに紛れて、ＭＣ・ＬＣに命令する。