薔薇の学舎

　年末公演の一つとして空京大学で舞台演劇が開かれることになりました。

　主演、泉　美緒（いずみ・みお）
　脚本、エンヘドゥ・ニヌア（えんへどぅ・にぬあ）
『年末の数日間、新しい出会いや再会など得て年明けを迎えるストーリー』

　全学校の生徒に声が掛けられ、演出、役者、舞台裏共々多くの生徒が集い、皆張り
切って準備中です。
　ですが主役のヒロインが稽古場に来ないことに、皆ざわついています。

「美緒が来ないですね。一緒に台詞の練習しようと思っていたのですが……」
　なかなか美緒が来ないことを葦原　房姫（あしはらの・ふさひめ）は心配していました。
　いつも練習を頑張っている美緒が、連絡もなしに遅れるだなんて。
　ちょうど台詞が掛け合うシーンがあるのでより一層頑張ろうとしている時でした。

「おいこれはどういうことだ？　オレの衣装がボロボロだぜ」
　キロス・コンモドゥス（きろす・こんもどぅす）はびりびりに裂かれた衣装を持って怒っていました。
「これじゃあ成金貴族役だってのにビンボー貴族になっちゃったわね」
　夏來　香菜（なつき・かな）は笑いながら言いましたが、眉間に皺を寄せています。
　ニルヴァーナとシャンバラを往復する忙しい日々を送っていますが、その中で時間を
作って稽古に参加しています。
「けど誰がこんなこと……」
「見つけたらとっちめてやる」

「みなさん、このようなメールが私のところに」
　ラナ・リゼット（らな・りぜっと）が困惑した表情で携帯電話に送られてきたメールを見せて来ました。
『ヒロインは預かった。返して欲しければ主役の座を指示通りに変えること』
　との文面でした。
「そういえば美緒は少し思いつめたような顔をしていました。本人は誤魔化していたようですが」

　いくつかの衣装や物が壊され、美緒が誘拐されてしまいました。
　そして美緒が付けるはずの
　『ピンクダイヤの首飾り』が持ち去られ、箱は開け散らかされています。
　美緒と一緒に返すとのことです。
　
　首飾りは小道具制作班が作った模造品ながらも、出来栄えの良い物でした。
　美緒にぴったりだと言う人もいれば、
　あんな子よりも私の方がと言う人もいました。

「私は美緒を助けに行きます。首飾りも。残った皆さんで舞台の調整をしてください」
　ラナは必ず連れ戻すからと準備をしはじめました。
　一緒に行ってくれる人がいないかと募っています。
「では早めに稽古場を片付けましょう。エンヘドゥさん、いいですわね？」
　ラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）は稽古場に残るメンバーに呼びかけました。

　皆をまとめる手助けをしてくれる二人に、脚本のエンヘドゥは深く頷きました。
「美緒以外のヒロインは妥協できません」
　普通なら代役を立てるところですが、
　イメージにぴったりだったヒロインは美緒でないとだめだと言うのです。
　
　エンヘドゥがヒロイン候補にしていたのは、
　香菜、房姫、ラズィーヤの三人です。
　けれど美緒がヒロインを担当することに反対する者はいませんでした。
　

　ゲームマスターを務めさせて頂きます、かむろ 焔と申します。
　どうぞよろしくお願い致します！

　肝心のヒロインが何者かに誘拐されてしまい、
　役者や裏方も人出不足になってしまいました。

　誘拐された美緒を助けに加勢してくれる方、
　舞台の人手を手伝ってくれる方を募集しています。
　勇敢な方・演技や歌が得意な方は是非お願いします。
　
　アクションパターン
・美緒を助けに行く
・役者として参加する
・機材や道具係などの裏方
・舞台近辺の警備
　などですが、
　別のかわったアクションでもかまいません。
　
　犯人について
・誘拐、器物破損など、衣装の切り方や壊し方から複数犯のようです。
・主役の座を狙う事から、主犯は内部犯。稽古場での捜査も必要になります。
・一緒に盗まれた「模造ネックレス」は稽古場の皆の憧れの品です。
　高価な品ではないですがヒロインの象徴になります。

・舞台を成功させる

・犯人を追う

・打倒誘拐犯！