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白百合革命(第3回/全4回)

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シナリオガイド【イコン参加可】

乙女たちは守る為に戦う。彼女達の武器とは――。
シナリオ名:白百合革命(第3回/全4回) / 担当マスター: 川岸満里亜


こちらは1ユーザーにつき1アカウント、及び1アカウントにつき1キャラクター(1人格)限定シナリオとなります。

 2023年10月に起きた、ダークレッドホール帰還者による爆発事件により、各地は混乱と悲しみに包まれています。
 そんな中、百合園女学院生徒会執行部、通称『白百合団』の班長のイングリット・ネルソン(いんぐりっと・ねるそん)が、副団長であるティリア・イリアーノの元に報告に駆け付けました。
「エリシア様から、お返事をいただきました!」
 式神の遠隔操作でダークレッドホールの先の世界を見ているエリシア・ボック(えりしあ・ぼっく)から、連絡が届いたのです。
 ダークレッドホールの先の世界は夕焼け時のように赤く染まっており、高温と思われます。
 シャンバラとは時間の流れが違うようで、向うの1秒はこちらの4分くらいなのではないかとエリシアは捉えているそうです。
レオーナさんは、自力では起き上がる事も出来ない状態のようです……ッ」
 心配そうな顔で、イングリットは説明していきます。
「絶望的な状況なのに、美咲さんはイコプラに笑顔を見せながら、付近の情報をイコプラを抱えて見せているそうです」
 彼女の身体も随分傷ついており、かなり辛い状態のようだとのことです。
 また、その世界では魔法の類はあまり効果を発揮できないようであり、はっきりと姿を見たわけではないけれど、敵と思われる存在が、ダークレッドホールの中にいるようだとのことです。
 美咲達は川が干上がった場所のようなところで身を潜めています。少し離れた場所には、焼け焦げた人の遺体があって、恐らくそれはダークレッドホールに先に飛び込んだものと思われれると、エリシアは言っていました。
 話を聞き、しばらく考えた後――ティリアは決断しました。
「ダークレッドホールに、救護艇を派遣しましょう」
「わたくしが、わたくしが参ります! 早く助けに行きませんと!」
 無謀な発言をした自分の代わりに、2人はダークレッドホールに行ったといってもいい。
 イングリットの胸はちくちくと痛み、本当のことを話してしまいたくなります。
「……わたくしには、行かなければならない理由があります! 敵を倒し、この身を盾にお2人と、皆をお守りします!!」
 しかし、謝罪をするより今は、2人を、そして先に突入した仲間達を助けることが優先です。
「あなたは不適格だわ、イングリット。私もね」
 焦るイングリットに、ティリアは厳しい目で言いました。
「救護艇の派遣は、解決を目的にして行われるのではないわ。力で敵を倒すことが目的じゃないの。生存者の救助目的よ。
 救助活動に当たるに適した人格と、体力と治療の能力を持った人に行ってもらわなければならない」
「ですが……っ」
 水を届け、治療をして、救助隊が来るまでの間、生存者と共に生きながらえることが一番の目的なのです。

 11月上旬。百合園女学院の会議室。
 百合園女学院の生徒会執行部は、白百合団員とダークレッドホール関係の調査に当たっている人々や、関係者に連絡し百合園の会議室に集まってもらいました。
 ヴァイシャリー家からは、ミケーレ・ヴァイシャリーが来ています。
 元白百合団団長の桜谷 鈴子(さくらたに・すずこ)は、百合園の職員として出席しています。
 元副団長の神楽崎 優子(かぐらざき・ゆうこ)の体調は安定していますが、優子はロイヤルガードの仕事があるため出席していません。代わりにパートナーのアレナ・ミセファヌス(あれな・みせふぁぬす)が来ています。
「皆様にお願いがあります」
 機密情報を除いた情報と状況を語った後、救出作戦について、ティリアは皆に協力を求めました。
「白百合団では、ダークレッドホールへの救護艇の派遣を検討しています。しかし、私達の力では団員をダークレッドホールの先の世界に降ろすことくらいしか出来ません」
 自分達の力では、ダークレッドホールに吸い込まれた人達を連れて帰ることは出来ない。その手段はないとティリアは集まった人達に訴えます。
「そして、百合園の私達生徒には、救出作戦を立案し指揮する力もありません」
 言って、ティリアは皆に頭を下げました。
「どうか、皆様のお力をお貸しください」
「ダークレッドホールからその世界への移動がテレポートのような力ならば、同じ力を用いれば戻って来られるということですよね?」
 ミケーレのその問いに、ティリアはうなずきました。
「はい、しかしテレポートが行える人材も、必要な物質も、装置も百合園にはありません……」
 だから、まずは生存者の命を守るために、救護艇の派遣を考えているのだと話していきます。
「救護艇の推進器はダークレッドホールを通過する際に、壊れてしまうと思われるため、墜落は免れないと思います。ただ、救護艇の機晶フィールドにより、乗組員はダークレッドホールを無傷で通過できると思われます」
 乗組員は脱出ポットとイコンに乗り込んで、ダークレッドホールを抜けた直後に、救護艇から脱出させたらどうかとティリアは意見を出します。
「救護艇の定員は6人ですが、極力人数は抑えたいと思っています。イコンもМサイズ一機だけなら搭載できます」
「私が、行きますわ」
 そう言ったのは、元白百合団の団長の、桜谷鈴子です。
「この事件には、古代の火の魔道書と、光の魔道書が関係しているのではないかと聞いています。
 私は、ルリマーレン家が古代から受け継いでいる特別な力を行使できます。この力は、事件に関わっている光の力と繋がりがあるのかもしれません」
 鈴子のパートナーのミルミ・ルリマーレン(みるみ・るりまーれん)は、シャンバラ古王国時代に離宮を守護していた、6騎士のリーダーの子孫です。
 ミルミと契約した鈴子は、彼女の潜在能力である光の神聖魔法を十二分に行使できています。
 その鈴子の強力な癒しの力で、百合園の生徒達は幾度となく助けられてきました。
「はい……桜谷先輩が、適任だと思います。ありがとうございます。よろしくお願いします」
 ティリアは真剣な目でこう続けました。
「白百合団の救護班は、桜谷鈴子さんを全力でお守りします」
「わたくしも参り……」
「いいえ」
 立ち上がったイングリットにティリアは厳しい目を向けました。
「イングリットさんは、引き続き調査と情報伝達に動いていただきます」
 イングリットは悔しげに拳を握りしめました。
 でもそれは、ティリアも一緒でした……彼女も、机の下で血が出るほどに強く拳を握りしめていました。
「引き続き白百合団は、情報収集を行っていきます。
 私達だけの力では、友達も、他の危機に陥っている人達も助けられません。
 人々を助けるために、力を貸してください」
 そして、深く皆に頭を下げました。

 かつて、閉じられた空間である離宮から契約者達が脱出した際には、テレポートの使い手に協力を願い、魔力増幅の杖で魔法の威力を上げて脱出をしました。
 魔力増幅の杖を使用できる者はシャンバラ古王国の女王(王家)の血を受け継ぐ者だけです。
 今回の作戦が成功したのなら、同じ方法でダークレッドホールの中に、テレポートの使い手を無事に送り届けることは出来るかもしれませんが……。
 大人数をテレポートさせるほどの能力を持った者は限られており、転送装置を製造するほどの時間もありません。
 そして、魔力増幅の杖も失ってしまっています。

○     ○     ○

 百合園での会議後、ミケーレは弟のシストの部屋を訪ねました。
 ソファーに腰かけて、会議の内容を話し始めましたが、シストはなんだか上の空のようです。
「どうした? 聞かないんなら、帰るぞ」
「いや、聞かせてくれ」
 そう答えたシストですが、やはり視線はミケーレではなく、あさっての方向に向けられていました。
「……先に話したいことがあるんじゃないか?」
 ミケーレがそう尋ねると、シストは腕を組み直してからぽつりと言いました。
「瑠奈が、死んだかもしれない」
 白百合団団長風見瑠奈(かざみ・るな)のパートナーのサーラ・マルデーラは、先月から昏睡状態に陥っています。
「覚悟の上、彼女を試したんだろ?」
「そう、だけど」
「シスト、女の子1人くらいのことで、感情を表に出すな。そんな体たらくじゃお前も家も生き残れないぞ」
「わかってる。……父さんみたいなこと言うなよ、あんまり年変わらないくせに」
 不満気に言った後、シストはソファーに深く腰掛け直し、目と口を閉じました。
「大荒野の鍾乳洞で消えた者もいるらしい。どこかと繋がっているのかもしれない。一方通行なようだがな」
 白百合団ではそちらの調査も少し離れた位置から行っていくとのことです。
「どうやらシャンバラ古王国時代の、女王の魔道書が絡んでいるようだ。王家の血を引く俺達がその力を浴びたら、何か感じるかもしれないぞ?」
 行ってみるか? とミケーレはシストに言いました。
「冗談。そんな危険なこと出来るわけがない。
 ……それに、もうすぐ来るはずだ」
 シストは目を開けると、どこか遠くを見ました。
「誰が?」
「誰だかは分からない」
 言うと、シストは目を光らせて。
「未来を託せる人物であることを、願うよ」
 そして、口元に軽く笑みを浮かべました。
「そうだな。結果は教えろよ」
「……ああ。
 で、悪い。少し寝不足なんだ。聞いてないように見えるかもしれないけれど、続き聞かせてくれ」
「わかった。仕方ない奴だな」
 ミケーレはため息をつくと、目を閉じたシストに百合園で行われた会議の話を、子守歌のように語って聞かせました。

 その後も百合園では連日のように、対策会議が行われています。
 友達を、仲間を助け出す方法はあるのでしょうか……。

担当マスターより

▼担当マスター

川岸満里亜

▼マスターコメント

こちらのシナリオのアクション締切は、11月10日(日)10時30分となります。

こちら白百合革命は、ゲーム性の強いシリアスシナリオですので、通常よりシビアに判定をさせていただいております。
普段よりも各種ルールや現在の状況、マナー等に少し注意してアクションをかけていただければより楽しめるかと思います。
必須ではありませんが、相談推奨となります。

こちらのシリーズはプレミアムシナリオとなります。
・参加ポイントは、MC:200 LC:100 となります。
・リアクションの公開予定が通常のシナリオより1週間長くなります(アクション締切後の変更となります)。

参加申し込みは、1ユーザーにつき1アカウント限定となります。
及び、1アカウントにつき1キャラクター(1人格)限定でお願いします。
魔鎧、ギフトなどのLCにつきましては、武具としてや、スキル目的で利用する分にはLCを追加していただいて構いません。
※シナリオで描写される人格と体は1つとなります。

PL情報とPC情報の違いにご注意ください。
ガイドやリアクションに書かれていましても、PCがその情報を知れる立場ではない場合、知っているとして行動することは出来ません。
NPCから特別に情報を得たという設定や、【御宣託】等のスキルで知ったとすることも不可となります。
PC情報として知らないほうが自然なことは、知らないとして行動をして頂いた方が、無理なく自然な1つの行動ができるかと思います。

アクション外でのPC間で情報の受け渡しを行う場合には、必ず双方のアクション欄にその旨、明記してください。

その他注意事項に関しましては、白百合革命(第1回/全4回)のガイドでご確認くださいませ。

■イコンにつきまして
今回は、イコン参加可となっておりますが、シナリオに登場出来るイコンは、ダークレッドホールへの派遣に選ばれた一機のみとなります。
イコンのパイロットとして、救助活動に向かいたい方は、公式掲示板(アクション締切48時間前まで)と、アクションで立候補してください。
立候補の際には、所持しているどのイコンを用いてどんな活動をするのかをご記入いただければと思います。掲示板で対立候補がいなければ、その方で決定です。
2人乗りのイコンの場合、LCの追加をして頂いても構いません(追加してもLCの描写はありません)。追加しなくても、LCの誰かが一緒に乗っているとして描写させていただきます。
2人以上の立候補があった場合、NPCがどちらか1機(1人)を決定することになります。
選ばれなかったら〜するという、選ばれなかった場合のアクションもお書きいただいて構いません。
PCで立候補される方がいなかったり、立候補された方のアクションに問題があった場合は(イコンのサイズがL以上だったり)、NPCの特に特徴のないイコンを搭乗させることになります。

■救護艇について
こちらに乗り込んで、ダークレッドホールに救助に向かいたい人は、公式掲示板(アクション締切48時間前まで)と、アクションで立候補してください。
4人以下の場合は、掲示板で立候補された方で決定となります。
5人以上の立候補があった場合や、アクションに問題があった場合は、選ばれない可能性があります。選ばれなかったら〜するという、選ばれなかった場合のアクションもお書きいただいて構いません。

■百合園で行われている会議について
外見性別が男性でも、協力者、関係者であれば参加できます。

■登場予定NPCの考えや行動(一部)
桜谷鈴子…ダークレッドホールに向かいます。
ミルミ・ルリマーレン…迷っています。お誘いがあれば、ダークレッドホールに行くかも。
錦織百合子…勾留されている百合園生を引き取り、話を聞きにいきます。
神楽崎優子…勾留されている百合園生を引き取り、話を聞きにいきます。
システィ・タルベルト…学校を休んでいます。知り合いなら面会に応じるかも。
アレナ・ミセファヌス…回復魔法、光の魔法を得意としています。古代の知識があります。自分はどう動くべきか迷っています。

今回もシナリオに参加(当選)された方は、次回のシナリオに招待させていただきます(アクションに規約違反行為が含まれていた場合除き)。
最終回は、展開によってはイコン参加可、LC追加可になるかもしれません。

最後にもう一度申し上げますが、アクション締切は11月10日(日)の10時30分です。
日曜日の朝ですよ! お間違いなく、ご投稿よろしくお願いいたします!

『イラスト』YUMI絵師

▼サンプルアクション

・前回の続き!(白紙対策)

・ダークレッドホールに突入

・会議に出席する

・謎は全て解けた!

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2013年11月03日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年11月04日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年11月10日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年11月27日


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