薔薇の学舎

　謎の闇の悪の秘密の結社・ダークサイズ。
　パラミタ大陸征服を目指しているくせに、ダイソウ　トウ（だいそう・とう）をはじめ、ダークサイズはなぜかニルヴァーナへやってきました。

「それにしても……何もないですね」

　超人ハッチャンとクマチャンが目の前に広がる荒れた景色を眺めます。
　ダークサイズと対立する、空京放送局特派員秋野　向日葵（あきの・ひまわり）は、ダイダル　卿（だいだる・きょう）の陰に隠れつつ覗いています。

「こんなとこ……来た意味あったの……？」

　荒涼とした不気味な雰囲気に、気の強い向日葵も少し怯えている様子。
　ダイソウは、とにかくせっかくやってきたのだから、ということで、

「まずは我々の拠点を整えねばなるまい。見ろ、二人が戻って来たぞ」

　先だって当たりの様子を探って来たキャノン　モモ（きゃのん・もも）と選定神　アルテミス（せんていしん・あるてみす）。
　モモは山岳地帯を指し、

「向こうで朽ちた遺跡のようなものを見つけました。地上に露出しているのは入口のみで、どうやら地下都市のような構造になっていると思います」
「つまり地下要塞か。わしらの根城にはうってつけじゃのう」

　モモの説明を受けて、ダイダル卿は興味深そうにひげをしごいています。
　しかし、

「中からは邪悪な気が漂ってきおった。我らの知らぬモンスターがおるようじゃ。隊を組んで捜索せねば、全滅は必至といったところかのう」

　と、さすがのアルテミスも、遺跡内部から流れてくる強力な邪気に、警戒を促します。
　ダイソウは少し考え、

「うむ。ということは、他にも遺跡がある可能性は高いな。入りやすい遺跡があるかも知れぬ。ダイダル卿、我らが浮遊要塞蒼空の城ラピュマルでニルヴァーナ全域を捜索してみたいのだが」
「それがいいわ！　こんなとこ危なっかしくて徒歩なんてヤだもんね」
「しかし……」

　と、向日葵が同意した後、ダイダル卿は人が通れる程度で、イコンですら通過できなさそうなニルヴァーナの回廊を眺め、

「わしの本体は月の港に置いてきたが、これは狭くて通れんのう。残念じゃが、ニルヴァーナでは徒歩で移動じゃな」
「そうか……パラミタ大陸征服のためのニルヴァーナ征服のための拠点獲得のための探索は、困難なものになりそうだな」
「何か、すごくややこしいっすね……」
（……ひ、人だ）

　突然、意識に直接語りかけるテレパシーのような声が聞こえてきました。
　ダイソウたちが振り返ると、そこには機械の身体をしたパピヨン犬の子犬が立っており、つぶらな瞳でこちらを見ています。
　ぴょこんと耳の立ったかわいい容姿と裏腹に、身体は炎で覆われ、周りは炎の気が対流を起こしています。
　子犬は人間を見て、

（おかえりなさぁーい！）

　と駆け寄ってきますが、

「あちちちちち！！」

　が近寄ると、すさまじい熱のため思わずダイソウ達は逃げまどいます。

（ご、ごめんなさい。つい……）

　子犬は謝意を表し、

（遊んで遊んで遊んで！　ねえ、遊んでぇ？）

　子犬はくるくる回りながら上目遣いで、主人を迎える飼い犬のような態度を示します。

「何だ、この炎犬は？」
（ボク、フレイム！　フレイムたんって呼んでいいよ！）

　フレイムたんと名乗った炎のパピヨン犬は、お座りをしてキリッと目を光らせて名乗りました。

（さっき、おねえさん達がボクの街の前に来たのが見えたんだ。やっとニルヴァーナに人が帰って来たんだね。だからご主人、遊んでー！）

　と、フレイムたんは人と見れば主人と思う特有の動機を、ダイソウ達に告げました。
　フレイムたんの態度に目が光ったのは、キャノン　ネネ（きゃのん・ねね）。

「……そんなにわたくしたちに、遊んで欲しいの？」
（うん！　「おもちゃ」はたくさんあるのに、一人じゃつまんないんだもん）

　ネネは扇子を口に当ててくすくす笑い、

「小さな動物を愛でるのも、楽しそうですわ」
「愛でるって、どういう意味でだ？」

　とみんながいぶかしく思うほど、フレイムたんを見るネネの目は怪しい光を帯びています。
　ダークサイズは車座になって相談を始めました。

「ど、どうします、閣下？」
「あれは遺跡に棲みつく、精霊のようなものか？」
「もしや、ギフトと呼ばれるものでは？」
「モモ、何だそれは？」
「ニルヴァーナ人が、ここを訪れた者の何らかのサポートをさせるために残した、ロボット生物です」
「じゃああの犬を手なずければ、拠点も容易に手に入るということっすね……」
「ほう、いきなりニルヴァーナ征服に向けて、大躍進ではないか」
「ならば、話は決まりじゃな」

　と、フレイムたんと共に、遺跡内部に入ることを決断しました。

（これは、チャァ〜ンス！）

　話を聞いてあくどい笑みを浮かべたのは向日葵。

「ねえねえフレイムたん、何して遊ぶー？」
（んとね、街におもちゃがあるのと、おさんぽ！）
「よーし、じゃあおねーさん『が』一緒に遊んであげるね！」
（ほんとー？　やったぁ！）

　フレイムたんと話すのを見て、ダイソウは、

「魔女っ子サンフラワーちゃん、何を企んでおる？」
「油断したようだね！　この子と仲良くなって、遺跡をモノにするのはあたしよ！」
「あくまで我々に対峙するどころか、遺跡を狙うか。よかろう、勝負だ魔女っ子サンフラワーちゃん、いや、サンフラちゃん！」
「略すな！」
（わぁ、面白い！　おじちゃんとおねえさんの競争だね。じゃあボクの街の「おもちゃ」をやっつけた方と、ボク仲良くする！　だって「おもちゃ」がジャマして、奥の方におさんぽ行けないんだもん）
「……ん？」

　よくよく話を聞いてみると、フレイムたんの指す「おもちゃ」とは、遺跡に巣食うモンスターのようで、どうやら彼の狙いは、モンスターとイレイザーを倒させることだったようです。
　ダークサイズはフレイムたんの願いどおり、イレイザーを倒し、拠点を手に入れることができるのでしょうか？
　向日葵とネネ、フレイムたんをどのようにいじるのでしょうか？






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・遺跡
ニルヴァーナにある、山岳地帯の遺跡を探索し、最深部にいるイレイザーを倒します。
遺跡入口が地上に露出しており、内部は地下になっています。
遺跡は地下一階のみですが、かなり広大な地下都市になっており、中にはモンスターが跋扈しています。
遺跡内はかなり蒸し暑いと思われ、水分と避暑の確保が必要です。
遺跡には、住宅街跡、商店街跡、自衛施設跡、街の長の邸跡、神殿跡など、一通りの施設跡があります。

・フレイムたん
フレイムたんは、遺跡の中では炎が消えて触れ合うことができます。
この子に頼めば、遺跡内部を案内してくれるようです。
また、ギフトであるフレイムたんは、何らかの力を秘めているものと思われます。
フレイムたんの力を引き出すことが、遺跡攻略のカギとなりそうです。

・遺跡内モンスター
モンスターはニルヴァーナで独自進化を遂げたもので、山岳地帯の遺跡内は火属性のものが主です。
『別府』は、遺跡天井に溜まるガスを吸い火を吐いて、衣服だけを燃やす器用な敵です。
『草津』は、地下水を吸い上げて毛穴から水蒸気を発し、姿をくらましたり高熱の蒸気で呼吸器を責めます。
『下呂』は、周辺の岩石を食べ体内で消化し、溶岩に変えて吐き出し、周辺の足場を失わせます。
以上の３タイプが一体ずつ生息しており、彼らのテリトリーに入ると攻撃を仕掛けてきます。

唯一、神殿跡に氷属性のモンスター『亀川』がいます。
亀川を利用すると避暑が可能ですが、倒してしまうと神殿跡地の冷却能力も消えてしまいます。

・イレイザー
遺跡の最深部には、イレイザーが１体住み着いており、その奥に何かあるようです。
イレイザーは火属性で、２０メートル級の巨大モンスターです。
イレイザーはかなり強く、アルテミスやダイダル卿、キャノン姉妹、さらに超人ハッチャンも駆り出して、大勢で挑まなければ勝てそうにありません。


※全てのＰＣは、ニルヴァーナに到着したところからのスタートとなります。
※今回、カリペロニアでの描写は不可となります。ご注意ください。

こんにちは、大熊誠一郎です。

みなさん、事件です。
ダークサイズがペリフェラルシナリオに進出です。
彼らを公式扱いにしてしまって大丈夫なんでしょうか（笑）
ともあれ、今回は浮遊大陸ニルヴァーナの全容を知るべく、ダークサイズがニルヴァーナを旅します。

今回はダークサイズＶＳ向日葵陣営での競争です。
イレイザーをどちらが倒すのかが、ギフトであるフレイムたんからの試練となります。

ただし、ノリはいつものダークサイズです。ノリはいつものダークサイズです。
沢山のご参加をお待ちしております。

・遺跡を探索する

・イレイザーを倒す

・ダークサイズに加入しにいく

・秋野向日葵を助ける

・フレイムたんで遊ぶ