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砂上楼閣 第一部(第2回/全4回)

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シナリオガイド

飛空艇不時着?! 未開の浮遊島から脱出せよ!
シナリオ名:砂上楼閣 第一部(第2回/全4回) / 担当マスター: 芙龍らむだ

「なんか本気でやばそうだな〜」
 外務大臣専用飛空艇の貨物室で、梶原大河(かじわら たいが)は灯り取り用の小さな窓から外を眺めながら呟いた。
 大河の口調には緊張感の欠片もなかったが、彼が潜り込んだ飛空艇は今、第六天魔衆の襲撃を受けている真っ最中だ。つい先ほどまでこの場には、大河の取り調べを行う薔薇学生達がいた。しかし、ほとんどの生徒がすぐさま迎撃に向かったため、今は見張りの変熊 仮面(へんくま・かめん)が残っているだけだった。
 空賊達は剥き出しになったエンジンを狙って攻撃を仕掛けてきているのだろう。攻撃を喰らうたびに機体は大きく揺れる。壁にしがみつかなくては立っていることすらままならない。
 どう考えても、鷹揚に構えていられる状況ではないのだが、大河同様、変熊の言動も状況に即しているとは言えないものだった。
「俺の制服を着れば君も自由に動くことができる。ともに迎撃に向かおうではないか!」
 自分たちも迎撃に行こうとする行動自体は間違っていない。しかし、自らが裸になり、大河に制服を着せようとするのは、何かが間違っている。
「いや、だから、そういうことじゃなくて…ってか、俺が戦えるわけないだろっ!」
 パラミタ人と契約を結んでいない大河には戦う術はない。パラミタ大陸に密入国して以来、様々な危険な場面に遭遇してきたが、大河は常に脱兎の如く逃げ続けることで生き延びてきたのだった。
 しかし、今回は空の上だ。逃げたくても、簡単に逃げられるものでもない。仮にパラシュートがあったとしても、そもそもパラミタ大陸自体が空の上にあるのである。落ちた先はまたもや空である。助かる見込みはほとんどないだろう。
「とりあえずここにある荷物を捨てるか〜。少しでも船が軽くなった方がいいだろうし」
そう言うと大河は床に両手をつき身体を安定させると、貨物の積み込み口を開けるスイッチを探しはじめた。
「…あれ?」
 大河は不思議そうな表情を浮かべ動きを止めた。這い蹲った格好のまま耳を床につけた。そんなことをしても、襲いかかる空賊達の叫び以外、聞こえるものなどないはずなのに。
「どうしたのだ、大河?」
 不可解に思った変熊が声をかけてきたが、大河は首を傾げるだけだった。
「…なんか、誰かに呼ばれた気がした…んだけど…」
 と、そのとき。飛空艇が突然、大きく高度を下げた。
 否。それはまるで大きな力で足をつかまれ、引き摺り落とされるような感覚だった。
 ずるり、ずるり、ずるり…と、外務大臣や薔薇学生達を乗せた飛空艇は高度を下げていく。脱出を図ろうと思っても、見えない何かに拘束されたかのように身体の自由も奪われている。
「ちょっ?! なんかこれ、気持ち悪いぞ!」
 しかし、状況はすぐさま一変する。またもや大きく揺れたかと思うと、飛空艇は急降下を始めたのだ。



 ***   ***   ***




 砂上楼閣第二話は、外務大臣を乗せた飛空艇が謎の浮遊島に不時着した所からはじまります。空京に残っていた中村 雪之丞(なかむら・ゆきのじょう)達が、救援隊として浮遊島に向かうこととなりますが、状況の把握や準備のために到着までには丸2日かかります。

 その間、浮遊島に不時着した者達は、追撃をかける第六天魔衆の魔の手から外務大臣を守りつつ、サバイバル生活を行わなくてはなりません。浮遊島に原住民の姿はなく、致死性の猛毒を持つバシリスクや3つの首を持つケルベロスなどのモンスターが跋扈する未開の地でした。
 援軍として同行していた教導団員及び蒼空学園生が所有していた小型飛空艇は動いたために、それで救援を呼びに行こうとする声も上がりましたが、タシガンや空京といった人のいる場所まで飛ぶには燃料が足りません。イルミンスール生の持つ空飛ぶ箒も同様、辿り着くまで魔力が持たないでしょう。
 そこで救援が来るのを待つしかないと判断したルドルフ・メンデルスゾーン(るどるふ・めんでるすぞーん)は、第六天魔衆やモンスターから身を罠を仕掛けると同時に、野営の準備をするよう薔薇学生達に指示を出します。

 また中には、密林の奥へと足を踏み込んでいく者達もいました。飛空艇に密航していた梶原大河です。不思議な声に導かれるように密林へと入っていった大河は、偶然、謎の遺跡を発見します。好奇心を抑えきれず、彼は遺跡へと足を踏み込みんでいきました。

 一方、ジェイダス・観世院(じぇいだす・かんぜいん)のいるタシガンでも大変なことが起こっていました。タシガン領主邸に、武器を手にした地球人排斥派の者達がと押し掛けてきたのです。ディヤーブ・マフムード(でぃやーぶ・まふむーど)と薔薇学生達は何とか彼らを宥めようと試みますが…。



担当マスターより

▼担当マスター

芙龍らむだ

▼マスターコメント

「砂上楼閣 第一部」第二話のシナリオガイドをお届けします。

 第一話に引き続き、第二話に参加される方は、前回のリアクションの結果に基づいたスタートとなります。
 そのため、外務大臣の接待係として乗り込んでいた女生徒達は武装をしていません。浮遊島にはモンスターが跋扈していますが、いきなり剣や槍といった武器を使って戦うことはできませんのでご注意ください。

 第六天魔衆の方々は、外務大臣一行に追撃をかけることもできますが、彼らもまた謎の「力」に巻き込まれ、浮遊島に墜落させられています。無傷ではないためパワーバランス的には五分と五分だと考えてください。

 薔薇学生・他校生共に浮遊島不時着組ができる行動は主に下記の内容となります。

●第六天魔衆との攻防戦に参加する。
 ルドルフもこの行動を取ります。事前に防御用の策を作ったり、罠を仕掛ける他、第六天魔衆が襲いかかってきたら迎撃します。もちろんこちらから伐って出てもかまいません。

●野営の準備をする。
 火を起こしたり、泉に水を汲みに行ったり、果物を探したりする他、食用とするモンスターを狩ることもできます。

●大河とともに遺跡探検に行く。
 遺跡の中にはモンスターの他に落とし穴や落石といった罠が仕掛けられています。しかし、大河は戦力としてまったくアテにならないので、守ってあげてください。

 基本的には上記3つの中から行動をひとつお選びください。あれもこれもと欲張っても、描写が薄くなるだけです。


 雪之丞と行動をともにしている空京組に関しては、第一話で捕縛された方が参加していなかった場合、行動が「救出」に限られてしまいます。その場合、救出に向かう飛空艇の中で、PCが何を考え、今後どのように行動していきたいと思っているかを教えてください。
 地球とパラミタの民族問題について考えるも良し、いきなり暴動に巻き込まれたことに脅えたり憂いるのも良し。薔薇学生としてこれからどんな行動を取るべきか真剣に考えるのも良し、です。行動の制限がある代わりに、リアクション執筆の際には、キャラの内面を伝えることに注力したいと思っています。

 タシガン残留組は、地球人排斥派との攻防になりますが、まだ完全な暴動にまでは発展していない状態です。第三話以降、話し合いで解決するか、武力鎮圧をせざる得ないかは、皆さんのアクション次第となります。この際にも、行動だけでなく、何故その行動をとったかという理由や、キャラ的な行動背景を教えていただければ、リアクション執筆の際に活躍しやすくなります。


 もちろん途中参加も大歓迎です。その場合、描写はされなかったものの「その場にいた」とするか、下記のような感じで、新たに理由を考え絡んできてください。

●途中参加サンプル・1(学校問わず)
 外務大臣専用の飛空艇に乗っていた友達を助けに行く。
※浮遊島は通常の小型飛空艇で行ける場所にはありません。雪之丞に嘆願し、一緒に連れて行ってもらうことになります。

●途中参加サンプル・2(学校問わず)
 タシガンの地球人排斥派の一人として参加する。
※薔薇学生の場合、排斥派と行動をともにしなくても、裏でつながっている…というアクションをとることもできます。

●途中参加サンプル・3(学校問わず)
 空京で捕らわれている第六天魔衆の人々を救出する。
※このアクションをかける場合、第二話参加決定者の中に空京捕縛者が一人でもいる必要があります。もしもいない場合、没扱いとなる可能性もあるので、お気をつけください。

●途中サンプル・4(薔薇学生専用)
 ジェイダスの小姓として登場する。
※まぁ、これもありかな、と。ただ、私の中では小ネタ扱いなので、活躍できるかどうかの難易度はかなり高めです。当シナリオではBL的な要素は封印とさせていただいているため、下手したらジェイダスの額に浮かんだ汗を拭って終わりかもしれません。その代わりに、アクション次第では先々イエニチェリに匹敵するほどの権力を握れる可能性もあるポジションです。




Top illustration by 朝梟さま
 遅ればせながら、素適なイメージイラストをありがとうございます!


▼サンプルアクション

・第六天魔衆を迎撃する(浮遊島不時着組専用)

・大河とともに謎の遺跡を探索する(浮遊島不時着組専用)

・雪之丞とともに救助に向かう。(空京残留組&新規参加者)

・ディヤーブとともに排斥派に会談を持ちかける(タシガン残留組専用)

・空賊として外務大臣に襲いかかる(第六天魔衆専用)

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2009年10月20日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2009年10月21日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2009年10月25日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2009年11月06日


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