薔薇の学舎へ

波羅蜜多実業高等学校

校長室

葦原明倫館へ

The Sacrifice of Roses 第三回 星を散らす者

リアクション公開中!

The Sacrifice of Roses 第三回 星を散らす者

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る

シナリオガイド

未知のエネルギーと、ジェイダスの運命は……?
シナリオ名:The Sacrifice of Roses 第三回 星を散らす者 / 担当マスター: 篠原 まこと

 ――薔薇の学舎は、重苦しい空気に包まれていた。

「ジェイダスの命が、エネルギー装置の鍵となる」

 そして、その命を奪うのが、イエニチェリの使命。
 そのようなことを突然に報され、衝撃は強かった。


 ラドゥ・イシュトヴァーン(らどぅ・いしゅとう゛ぁーん)の屋敷に与えられた部屋で、レモ・タシガンは目を覚ました。
 まだ朝には早いようだ。夜更けの寒さに、布団をたぐりよせ、その身を縮める。
 もう一度眠ろうとしても、暗闇のなか、鬱々とした思考は晴れない。
(……僕は、いったいどうなるんだろう……)
 最後の記憶は、曖昧だ。ウゲンのことも、ぼんやりとしか覚えていない。
 ただ、彼がなにかをしたのだろうということは、わかっている。
 自分を見る人々の目が、なにより雄弁にそれを伝えているからだ。
(頭、痛いな……)
 レモは、長い眠りのせいか、まだエネルギー装置について正確なあれこれを思い出せてはいない。役に立たないという誹りをうけても仕方がないと、レモは自分でももどかしかった。
 ただ。
 きっと、自分の存在と、あの装置が、この学舎の人々を苦しめている。……それは、わかる。
 ジェイダスといったか。あの人物は、すでにレモの存在も、己の死も、覚悟を決めているようではあったが。
(一度、装置の側まで行かれたら、少しは思い出せるかもしれないけど……)
 起動のための、そのキーを変更させることは出来ないとしても。ナラカとの道を封印することならば、できるかもしれない。
 しかし、『儀式』を前に、装置の周辺は厳しい警備が敷かれている。
 レモが一人でここを抜けだして行くことは難しいだろう。
 誰か、連れ出してくれれば。しかしその『誰か』が、少年には思い当たらなかった。
 レモは項垂れる。
 まだ、この世界は、少年にとってはわからないことだらけすぎた。

 その頃。
「……私は、非道なことをしているのだろうな」
 ジェイダス・観世院(じぇいだす・かんぜいん)は月のない夜空に呟いた。
 いつも周囲に侍らせる美少年たちも、今はその姿はない。
 イエニチェリすべてに、ジェイダスは命令を下した。
 次の満月の夜に。己の命を奪え、と。
 ……そして、これからの薔薇の学舎を守れと。
 エネルギー装置はシャンバラの将来にとって重要な事だ。
 しかしシャンバラは、ゾディアックへの対応やザナドゥの侵攻により、介入する余力をもたない。そのため、今回の件は薔薇の学舎に完全に任されていた。

 また、装置周辺には膨大なエネルギーの恩恵に預かろうと、ナラカから死者の群れが湧いているという報告もあった。
 実際に装置が起動すれば、そういった死者は封じることはできるようだが、今はいわば、その調整弁すら機能していないという状態なのだ。
 それに対抗するために、薔薇の学舎の生徒だけでなく、他校生の協力を求める決断を、すでにジェイダスは下していた。
 ……ただし、装置周辺には薔薇の学舎の生徒しか立ち入りを許されない、そういう条件つきでだ。

 その上で、ジェイダスは装置の儀式が失敗した時に備え、ルドルフ・メンデルスゾーン(るどるふ・めんでるすぞーん)に装置の破壊を行う為のキーを渡していた。
 それは、一本のバラだ。

「私がタシガンに来て最初に植えたバラの、最後の花だ。不思議な事に枯れる気配がない。
 元のバラの木は先日枯れたというのにな。
 その一輪のバラを装置に刺すことが装置を破壊する唯一の方法だ。
 私の命で起動するこの装置を破壊するのは、私の想い、だそうだ。
 ……つくづく、因果な装置を作ってくれる」

 その薔薇を、ルドルフは沈黙のままに受け取った。
 仮面の下で、彼はすでに、決意を固めている。……そんな様子だった。



 夢を手に入れる、そのほんの手前に、ジェイダスはいる。
 しかし、そう言い切るには、その表情はあまりにも憂いを帯びているようにも、見えた。





担当マスターより

▼担当マスター

篠原 まこと

▼マスターコメント

キャンペーンシナリオ、後半最終回となりました。
間があいてしまい、申し訳ございません。

16日後の満月の夜、エネルギー装置の前で『儀式』が行われます。イエニチェリは『シリウスの心』を用い、ジェイダスを一人一度傷つけ、その血を捧げます。なお、誰かがジェイダスの身代わりになることは不可能です。
儀式に参加できるのは原則的にイエニチェリのみですが、薔薇の学舎の生徒であれば、参加できる『かも』しれません。
なお、儀式に同席すること自体は、可能とします。



以下、お守りいただきたい諸注意です。

●教導団およびロイヤルガードは、当シナリオにおいて特別な権力を持ちません。その権力においてアクションをした場合、採用することはできませんので、ご注意ください。
●イコン参加はできません。
●薔薇の学舎においては、BL要素がある場合もあります。
●アクションご記入に際して、マスターコメントをご一読いただけますと幸いです。


それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・装置を作動させる

・装置の破壊、または封印を試みる

・装置を保護、確保する

・レモと親しくなり、情報を探る

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年06月19日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年06月20日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年06月24日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年07月15日


イラストを設定する 設定イラストを編集/解除する

リアクションが公開されました!

リアクションの閲覧はこちらから!

リアクションを読む

参加者一覧を見る