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【ザナドゥ魔戦記】アガデ会談(第1回/全2回)

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【ザナドゥ魔戦記】アガデ会談(第1回/全2回)

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シナリオガイド

魔族とは本当に分かりあえないのか? 戦う以外に道はないのか?
シナリオ名:【ザナドゥ魔戦記】アガデ会談(第1回/全2回) / 担当マスター: 寺岡 志乃


【ザナドゥ魔戦記】へのシナリオ参加は『1PCにつき1本のみ』でお願いします。
2本以上の参加決定が確認できた時点で、参加した全てのシナリオにおいて白紙扱いとなります、ご了承ください。
※ただし、第1回と第2回をそれぞれ別のシナリオに参加しようとすることは可能とします。(活躍できるかどうかは別となります)。




●東カナン〜アガデの都・領主の居城

 突如南カナンへと侵攻してきたザナドゥの魔族をコントラクターたちとともに撃退することに成功した東カナン領主バァル・ハダドはしかし、これからの方針を示せずにいました。
 その手には、西カナン領主ドン・マルドゥークからの書状が握られています。

(女神様はザナドゥ侵攻の続行を決断なさったか。……だが、一方的に攻め入ることだけが、唯一の手段なのだろうか……)

 月明かりのベランダで、バァルは思案に耽ります。
 女神イナンナに心酔し、忠誠心の厚いマルドゥークはもちろんのこと、妹姫を奪われたシャムスがその奪還へと動くのは当然でしょう。
 しかし東カナンは? 攻撃を受けたからといって再び戦いへと突き進むことが正しい道とは、彼にはどうしても思えなかったのでした。

「どうした? バァル。あかりもつけずに」

 側近であり、無二の親友でもあるセテカ・タイフォンが、形ばかりのノックをして入ってきました。
 室内を渡ってベランダに歩を進めると、その横につき、手すりに背を預けます。
 バァルはいつものように彼に胸の内を打ち明けました。彼が、口に出すことで考えをまとめ、吟味しているのだと知っているセテカは、黙って話の聞き手に回ります。

「それで? おまえはどうしたいんだ?」
「……彼らと話をしてみたい。わけも知らない、どんな相手かも知らないまま、ただ悪と見なして剣をぶつけあいたくはない」

 それは、ネルガルとの戦いで彼の得たつらい教訓でもありました。
 その行いが悪であるからと一方的に悪と決めつけ、正面から向き合うことも心から言葉をかわすこともなく戦った結果がどうであったか。彼の胸の中にはいまだ消化できないものとして、ネルガルは息づいているのでした。

「不服そうだな、おまえは」
「まぁな」

 セテカとしては、魔族と戦うことにためらいはありません。さらわれた南カナンの姫エンヘドゥは、彼にとって大切な友人です。また、はじめに侵略という手段を選んだのも魔族。そんな輩に何を配慮することがあるでしょう。
 ですが彼は同時に、先の南カナンでの戦いで、正面からぶつかればどれだけカナン側が不利であるかも理解していました。カナンにとって一番必要なのは「時間」なのだということも……。

「決めるのはおまえだ。おまえがそうすると決めたなら、俺はそうなるように力を尽くすだけだ」

 2人はその後何時間も話し合いを続け、夜明け近くになって、アガデに魔神たちを招待することで話はまとまりました。
 最初は別の場所――ザナドゥのどこか、あるいは橋頭堡ではどうか――という話にもなっていたのですが、それでは人間側に都合が良すぎると、魔神たちが承知しないということも分かりきっていました。
 アガデはもともと市街戦を想定して建てられた都でもあります。小路が入り組み、その交わる箇所には必ずアーチ型の小門があって、これを開閉することで迷路のようにすることができます。曲線が多用された角のない大道は、身を隠すことも難しいようになっています。万一のときは、ほかの町よりかなり有利な場となるでしょう。
 念のため、都の者で希望する者は城に避難させるか、臨時避難所を設けることにしました。
 さっそく調整を図るべく、セテカは退室して行きます。

「この都は女神様の御力によって守られている。並の魔族では外壁を突破することは不可能だ」

 そう、自ら口にしながらも、バァルは一抹の不安を消し去れないでいました。
 いいや、これもまた、相手を知らないからだ。彼らがどういう者たちかを知れば、きっとただの杞憂にすぎなかったと思えるに違いない――そう考えることで、彼は無理やりその疑念を押しつぶしたのでした。



 かくして、アガデの都に2人の魔神バルバトスロノウェ、その副官ヨミがやって来たのです。



「講和ですって?」

 東カナンからの使者として、人間側についた悪魔がそれを持って現れたと聞いたとき、ロノウェは歯牙にもかけませんでした。人間は魔族によって支配されるべき存在、決して手を握りあう相手ではないからです。ばかばかしいと追い払おうとした彼女を説得し、アガデへ向かわせたのはバルバトスでした。

「あれが人間たちの都」

 バルバトスの腕に抱かれ、アガデを上空から見たロノウェの目にははっきりと、都を覆う女神イナンナの聖なる力が見えていました。
 いまいましい光。あれさえなければ大軍でもって一気に攻め落としてやるのに――ロノウェはそう見ましたが、バルバトスは少し違ったようでした。

「きれいな都ねえ〜、宝石箱みたい。カナンが手に入ったら、ここ、私がもらっちゃおうかしらぁ」
「……お好きにどうぞ」

 近づく彼らを見ていた者がいたのでしょう。外門の前に彼らが降り立つと同時に、アガデの門は開かれました。
 正面に立つのは、盛装衣をまとった美しい人間の女性と、数人の騎士たちです。

「ようこそおいでくださいました、バルバトス様、ロノウェ様、ヨミ様。東カナン領主バァル・ハダドの婚約者であります私、アナト=ユテ・アーンセトが、東カナンの者を代表しまして歓迎の意を表させていただきます。アガデご滞在中は、なんなりと私にお申しつけください」

 膝を折り、深々と頭を下げた彼女によって、3人は迎賓館へと案内されました。



「やっぱりいいわね〜。ここ、すっごーく気に入っちゃったわ〜」

 あてがわれた豪華な貴賓室で、バルバトスはすっかり上機嫌です。もっとも、彼女がそう見えないときなど滅多にないのですが。
 窓を開け、伸びをしながら下を見下ろし――そこに見慣れた顔が揃っているのを見て、彼女はドアへと向かいました。

「どこへ行くんです?」
「だぁーって、会談なんて堅苦しくって退屈なんだもの〜。やっぱり初めての場所ですることっていったら、観光とショッピングよね〜。あ、ヨミちゃん、チョコあったら買ってきてあげるわね〜。ロノウェちゃんにはかわいい見せブラなんてどぉ? きっと男たちをノーサツできるわよ〜」
「あ、ありがとうございますなのです」
「必要ありません! 結構ですっ!!」

 顔を真っ赤にして叫ぶロノウェを部屋に残し、ひらひら手を振りながらバルバトスは出て行きます。
 会談に出ようと言いだしたのは自分のくせに、一体何しに来たんだか――ロノウェはあきれてものも言えないと腕を組んだのでした。

(まぁ、あの方がおられない方が、話は真面目に進むでしょう)



「うふふ……いい子たちねぇ。ちゃあんと私の言いつけを守れたのね〜。当然、ほかの人間たちには見つかってないでしょうねぇ?」

 みごとアガデ侵入を果たした者たちを前に、バルバトスは満足げに頷きました。
 笑んだ唇を、炎のように赤い舌が這います。

「さぁ、手はじめにあなたたちの力でこの美しい都を跡形もなく消し去ってあげましょう〜。人間など、だれひとり残さずね……」

 振り仰いだ彼女の視線の先には、領主の居城がありました。

担当マスターより

▼担当マスター

寺岡 志乃

▼マスターコメント

 こんにちは、または初めまして、寺岡 志乃といいます。
 こちらは【ザナドゥ魔戦記】東カナンパートとなります。全2話構成となっております。よろしくお願いいたします。


 ●アガデの都について
  東カナンの首都です。女神イナンナの守護の力がドーム状に覆っており、通常の方法では低レベルの魔族は近寄ることもできません。
  外壁の内側はガイドにあります通り、ゲリラ戦に適したつくりとなっています。
  迎賓館は都の北よりにありまして、居城とは対角の位置にあります。会談が行われますのは迎賓館の2階です。
  居城は小高い岩山の上に建っており、町を見下ろしています。
  城に続く道は部分的に林の中にありますが、城の周辺は開けており、見晴らしがよく、城壁にいる歩哨から隠れて近づくことはできません。
  臨時避難所は都の中にあります。

 ●会談について
  ロノウェとヨミが参加します。時刻的には夕方〜夜です。(午前中に魔神が来て、午後はくつろぎ、夕方から会談という運び)
  参加される方は、彼らへの説得あるいは質問等のアクションをかけてください。
  バルバトスは遅れて途中参加します。ですから、バルバトスへの説得アクションもかけてくださって構いません。

 ●位置関係について
  バァルは会談の席についています。アナトはロノウェたちのホストとして同室で控えています。
  セテカはもしもを考えて騎士たちと都の警備にあたっています。
  東カナン軍は、非武装であることを示すため、外壁の外に駐留しています。
  ロノウェ軍・バルバトス軍は来ていません。
  魔神が来るということで都の人たちはほとんどが城壁内に避難しており、騎士たちに守られていますが、全員ではありません。
  若干名(ほとんどが商売をする男性)都に残っています。



  以下は、【ザナドゥ魔戦記】に関係する記述です。

  『悪魔LCの立場』『魔鎧LCの立場』『死亡描写につきまして』『ザナドゥ側に付く場合』につきましては、
  【ザナドゥ魔戦記】特設ページに記載がありますので、そちらをご確認ください。

  『魂を奪われた、もしくは捧げたPCについて』
  普通の生活を送る分には、他の人と変わり無く過ごすことが出来ます。
  但し、魔族に反逆する意思が見られた時点で身体の自由が利かなくなり、意思と行動の自由を奪われます。
  シナリオ終了時には元に戻ります。(奪われるかどうかは、皆様の送っていただいたアクションを元に、マスターが判定します)

  また、以上のPCが行動する場合、魔族の力の一部を与えられているとし、身体能力が一箇所強化されています。
  どこが強化されているかは、アクションで指定することが出来ます。(例:目がとても良くなった、速く走れるようになった等々)



  それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・対話する

・都を警備する

・城あるいは避難所を守る

・アガデの都を破壊する

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年07月23日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月24日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月28日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年08月13日


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