葦原明倫館

ツァンダ。
その特設会場には、大きな垂れ幕が掲げられていました。


武闘大会トーナメント　イン　ツァンダ！


『今回のトーナメント優勝者は、
　蒼空学園校長の山葉　涼司（やまは・りょうじ）さんと戦っていただきます！』

卜部　泪（うらべ・るい）の声がスピーカーを通して響きます。

『また、今大会にはゲストとして、
　エリュシオン帝国第三龍騎士団のキリアナさんが参加します！』

壇上にツインテールを揺らした「美少女」が現れ、歓声が湧きました。

『今回、トーナメント優勝者に、
　うちから特別なプレゼントを用意させてもらいました』

そう言ってキリアナが掲げたのは、
なんだか不機嫌そうな“しゃれこうべ”でした。

『龍神族の歯から生まれたというスパルトイです。
　選ばれたスパルトイは、龍神族の谷で龍騎士たちの指南役をやってるんよ。
　これは頭だけやけど、ちゃぁんと喋るし、この大会の賞品として相応しいんやないかと思います』


＝　＝　＝
■あらすじ

パラミタ最大の国家、エリュシオン帝国。

その世界樹ユグドラシルの整備に従事する“樹隷”の少年セルウスは、
エリュシオンの龍騎士たちの師“スパルトイ”の一人であるクトニウス（の頭蓋骨）に導かれ、
コンロンへ行くべく、帝都ユグドラシルを出ました。

腕試しのために従龍騎士の試験会場で一悶着起こしたセルウスは、
シボラへと逃れる際に、ドワーフに育てられた少年ドミトリエと出会います。

その後、彼らは、
セルウス捕縛の命を受けた第三龍騎士団の天才剣士キリアナに追われ、
シャンバラへと逃れました。

しかし、その際、クトニウスをキリアナ側に奪われてしまったのでした。


＝　＝　＝

数日前。

蒼空学園校長室。
涼司は電話の向こうのキリアナに続けました。

「ああ、お前が大会に参加するのは問題無い。
　ただ――大会中はゴタゴタを持ち込むなよ」

『うちは純粋に力を試したいだけやけど』

「隠さなくていい。
　お前が追ってるセルウス一味がツァンダに潜伏しているかもしれないんだろう」

『――事を大きくする気はありません。
　セルウスはんたちは必ず大会に参加しはる。
　元々こういった試合が好きそうやし、クトニウスはんを取り返したいとも思ってるはずや。

　試合で暴れる元気が無くなる程度に叩き、
　その後、静かに捕まえさせてもらおうと思ってます。

　それに――
　今回、うちの興味の大半は“山葉涼司”にある。
　涼司はんの目、光条兵器使って自分でレーシック手術したんやって聞きました。
　えらい腕を持ってはるお人やなぁって、ずっと会うてみたかったんよ。剣を交えてみたいって』


＝　＝　＝

大会当日。

「よーし、勝つぞー」

セルウスはノリノリなようでした。

「…………」

嘆息するドミトリエ。
彼らは、試合が行われるステージの上に立っていました。


一方、出場選手の控え室では、
奇妙な雰囲気のローブの男が、セルウス達の様子を静かに見つめていました。

※扉絵は『しいら　まさき』さんに描いて頂きました！

「【帝国を継ぐ者】追う者と追われる者　第二話」をお届けします。

第一話からの続きではありますが、
これまでの内容を知らなくても遊べるようになっておりますので、どなたでもお気軽にご参加下さい。

今回はツァンダが舞台ですが、学校の制限などもありません。


本シナリオでは

・トーナメントへの参加やトーナメントを盛り上げるためのライブ活動やパフォーマンス活動
・会場スタッフや飲食販売やグッズ販売のバイト

などなどを行うことが出来ます。


■トーナメントについて
・二人一組のチームとなりますが、一人だけで挑んでも問題ありません。
　※鎧状態の魔鎧、奈落人はカウントされません。
　※キリアナと山葉は一人で出場します。

・試合は10分間。
　チーム全員が戦闘続行不能となるか、
　20メートル四方のステージの外の物に身体が触れてしまうと敗北。
　決着がつかない場合は判定となります。

・対戦順はランダムです。


■ライブ活動やパフォーマンス
大会を盛り上げるため、試合の合間に有志のパフォーマンスタイムがあります。
必要な機材などは貸してもらうことが出来ます。


■会場スタッフ、飲食販売、グッズ販売のバイト
大会にはシャンバラ中から多くの人が観戦に来ています。
観客の整理や迷子の案内、控え室のフォローなどなどスタッフのやることは盛り沢山です。

また、大会会場の内外には多くの露店が出店しています。
今回、キリアナの写真付き団扇などのグッズが飛ぶように売れています。


●キリアナ
華奢な身体と美貌を持つキリアナは、
第三龍騎士団きっての天才剣士として有名で、かつてシャンバラにいたと伝えられる
“プリンス・オブ・セイバー”の再来とすら言われています。

キリアナはクトニウスを肌身離さず、腰にぶら下げています。

・山葉涼司を倒すのは俺だ！

・トーナメントに出場する！

・パフォーマンスで目立つ！