空京に住む幼い子供たちが夜な夜な姿を消すという事件が発生しました。
いなくなっている子供の年齢は3歳から12歳以下の子たちのようです。
姿が消える時刻はPM21:00からPM22:00頃の間。
この間、大人たち起きていれば防げることでしょうが、13歳以上の人々は寝ていました。
不思議な音色が外から聞こえてきて眠りについてしまい、起きていることができなかったのです。
睡魔に襲われて眠る寸前に、このようなできごとがあったという声がありました。
それは…。
「部屋の外からフルートの音色が聞こえた」
という証言です。
聞こえてきた時刻は、PM20:00からPM20:40。
この音色で眠ってしまうのは大人だけのようです。
どうやら大人と子供では、影響を受けてしまう音色は異なるようです。
町外れに古びた木造の小屋があります。
そこには趣味でフルートを吹いている1人の吸血鬼の若い男が住んでいます。
彼の名前はマグス・ハンキー。
外見は20代前後ですが、3000年ほど生きています。
加えて愛用しているフルートは、魔力のない普通のフルート。
吹く音にも特別な魔術が使われた様子はありません。
マグスが家に不在な時間は、PM19:40からPM22:20の間です。
耳の聞こえない町の住人の1人が偶然、集団で子供たちが移動してる現場を目撃しました。
後をつけてみるとマグスの家に辿り着き、彼らは家の中へ入ってきました。
中には姿を消したはずの子供たちもいました。
攫われた子の首や身体中に傷があります。
1階の室内を覗いてみると、3メートルほど高さのある大きな5段の本棚があります。
並べられている本のサイズはバラバラでした。
よく見てみると5段目、3段目、1段目に1冊ずつ入る隙間があるようです。
木を登って2階の部屋を覗くとテーブルの上に3冊の本が置いてありました。
空の絵が描かれた本。
冥府を思わせる風景の描かれた本。
地上の楽園が描かれた本。
壁にかけられた絵画が2枚あり、そのタイトルはこう書かれています。
天を支配し悪魔。
邪悪なる魂を打ち砕きし大地の聖者。
聞きつけた町の人々はすぐさま、彼の家に訪れて問いただしました。
しかしマグスは…。
「子供たちは自らの意思でここにいるのだ。
何か証拠でもあるのかね?
それと、何時どうやって子供たちをここへ連れて来たというのか。
わたくしを犯人にしたければ、証拠をもってきたまえ」
薄ら笑いながら、人々を追い返しました。
マグスが犯人なのは間違いありません。
さらに、3日目の夜AM1時には幼い子たちを連れて逃亡する気のようです。
幼い命を救い出し、この謎解きにチャレンジしてみませんか…?