葦原明倫館

「はい？　なんですって？」

　空京遊園地・応接室

　企画部の責任者は、向かいに座るムッキー・プリンプト（以下むきプリ君）に対して不信感丸出しの声を上げました。それもその筈。イルミンスールの制服を着て校長の使いだとやってきたこの筋肉男は、ピンク色の液体が入った瓶を取り出して――

「ホレグスリを売らないか」

　と言ったのです。

「遊園地といえば絶好のデートスポット。ここでホレグスリを売れば、必ず客は増えるだろう。効果も短いから帰る頃には素面に戻り、残るのは愛を交わした思い出だけだ」
「しかしそんなもの、本当に効くんですか？」
「エリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）の作った薬。それだけで充分だろう。解毒剤もある」
　量産したのはむきプリ君ですが。
　クリスマスに醜態を曝したむきプリ君は、エリザベート校長への復讐を誓いました。
　その日のうちに校内に置き忘れられていたホレグスリと解毒剤を回収し、着々と量を増やしていったのです。彼の部屋の冷蔵庫には、プロテインとホレグスリと解毒剤しか入っていません。

「もちろん、突然売るわけではない。まずはテストとしてバレンタインデーに薬を配り、遊園地の商品として成り立つのか検証する。その結果、そちらに損害が出た場合はイルミンスールが全額負担しよう。有益だった場合は、必要経費として処理してもらいたい。
　――どうだ。悪い話ではないと思うが」

　損害が出ることを見越した上で、むきプリ君は言いました。
　正式商品になったらなったで、ホレグスリが空京全体を蝕んでいくのも面白い。とも考えています。
　そんなことは万に一つもないでしょうが。

　まあどちらにしろ、イルミンスールの名前を出している以上、エリザベートにとっての不名誉になります。

　企画部の責任者はうなりました。

「バレンタインは既に、別の企画が立ち上がっています。それを変更することはできません」
「深夜でいい」
「は？」
「２月１４日の０時から夜明けまで――。薬は俺が配ろう。アトラクションを稼動させる、最低限のスタッフをつけてくれればそれでいい」

　配る時に女子に飲ませ、今度は俺がハーレムを作ってやる――

　かくして、２月１３日の新聞広告に、空京遊園地のちらしが入りました。

『バレンタインの朝焼けを２人で！　ホレグスリで思い出の１日を作りませんか？
　日時：２月１４日
　時間：０時から夜明けまで
　ホレグスリはチョコレートと交換いたします。欲しい個数分、持ってきてください。
　アトラクションも全部タダ！　解毒剤もあるよ！』

　でもこれを見て、エリザベートが黙っているのでしょうか……？

まさかの第２楽章でございます。

前回、薬がどういうものなのかは全部ばれてしまっているので、あえて正面から勝負的な感じにしてみました。
効果は・半日しか保たない。
　　　・飲む量によって溺れ度が違う。時には意思の力が勝つ。
　　　・台詞内に「一つ」とかいうベタな単語を入れると、本音が隠せなくなるらしいよ。
　　　　（その瞬間に中身は素面に戻るらしいよ）

といったところだったと思います。
今回が初という場合は、そんなこと知らねーーーーーー！　という状態での参加もできます。

また、解毒剤も出来てしまっているので、こちらも普通にお渡し致します。むきプリ君にチョコを２つ持ってくれば、ホレグスリと解毒剤が手に入ります。
要するに、今回は好きなだけ薬が手に入るということです。

薬を手に入れる際の描写ですが、女子及び外見性別女性及び女装の方はむきプリ君の餌食になる可能性があります。でも、購入時のピンチを全部描写しているとそれだけでウン万字になってしまうので、余程のメインアクションでない限りそのシーンはカットさせていただきます。

で、最後に注意事項なのですが、既に恋人（片思いでも好きな人）がいる場合は、必ずその旨をお書きください。相手が非参加者の場合はいるかいないかだけで大丈夫ですが、
今回はソロプレイだけど参加者の中に好きな人が――とか、現在お相手探しをしている、とかいう場合は、絶対に書いてください。
こちらで１００％関係を把握するのは厳しいので、リアクション公開後に三角関係や矛盾などが発生しないためのお願いです。

では、よろしくお願いいたします。

・やっぱり○○に惚れ薬を飲ませるｏｒ飲ませられる

・むきプリ君を粛清する

・第３弾を阻止するために今度こそホレグスリを滅ぼす

・観覧車の中とかで普通に夜景を楽しむ