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終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 3『こんな時こそお祭り、だよ!』

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終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 3『こんな時こそお祭り、だよ!』

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シナリオガイド

突然のお祭り、あの子の仕業な気がするけど、思い切り楽しんじゃおう!
シナリオ名:終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 3『こんな時こそお祭り、だよ!』 / 担当マスター: 猫宮烈



●精霊指定都市イナテミス

『お祭り!?』

 町長室を、「イナテミスでお祭りをしよう!」と宣言したルーレン・ザンスカール(るーれん・ざんすかーる)以外の者たちの、驚きに満ちた声が揺るがします。
「そう、お祭り! ここもやっと落ち着いてきたし、せっかく魔族が一緒に住み始めたっていうのに歓迎の一つもないなんて淋しいし」
 言葉を続けるルーレン、言動でも周りの者を驚かせた彼女はその外見も、髪を短くまとめ、ボーイッシュな服装に身を包んでいました。それはかつて、ルーレンがザンスカール姓を名乗る前の格好でもありました。
「ちょ、ちょっと待ってよ。そりゃあんたの言うこともそうかもしんないけど、こんな時にお祭りなんて――」
「こんな時だからこそ、だよ!」
 反論しようとしたカヤノ・アシュリング(かやの・あしゅりんぐ)は、被せられるように放たれたルーレンの言葉に気圧され、口をつぐみます。
「……分かりました。ルーレン様のご意向に沿えるよう、こちらで出来る限りの調整をしたいと思います。
 翌朝には結果をお届け出来るかと思いますので、それまでお待ちいただけますでしょうか」
 イナテミス町長、カラム・バークレーがルーレンの持ち出した案件を一時預かりとする旨を伝えると、ルーレンは満足したようで「任せたよっ!」と言い残し、後ろに控えていたフィリップ・ベレッタ(ふぃりっぷ・べれった)の腕を取って部屋を後にします。
「フィリップにお似合いの服を見つけたんだ! ボクがコーディネートしてあげる!」
「あ、あのルーレンさん、何を、うわ――」

 賑やかな声が遠くなり、部屋に沈黙が戻った所で、カラムがこの場の者たち――カヤノ、サラ・ヴォルテール(さら・う゛ぉるてーる)セリシア・ウインドリィ(せりしあ・ういんどりぃ)セイラン・サイフィード(せいらん・さいふぃーど)ケイオース・サイフィード(けいおーす・さいふぃーど)――に視線を巡らせて口を開きます。
「率直な意見を聞かせてくれ。ルーレン様をどう思う?」
「……背後に何か別の意思を感じる。だが、そればかりに突き動かされているようにも見えない。
 対策を取ろうにも、どれほど危険性があるか判断しかねる。正直な所、何が起きているのか分からないな」
 五精霊の思いを代表して、ケイオースが回答します。ルーレンの変貌は誰かに依るものにも見えるし、自らの意思であるようにも見える、彼らの思いを聞いたカラムは自分も同じ思いであることを告げると、少しくだけた様子で問いかけます。
「どうだろう。ここはルーレン様のお言葉に乗ってみるというのは。
 これは一つのきっかけになるかも知れぬのだ。過去の出来事に区切りをつけ、この街が未来へ向けて歩き出すための、な」

 シャンバラとカナン、ザナドゥとの間で交わされた『リュシファル宣言』の後、イナテミスは地上に移住を希望する魔族の受け入れを積極的に行なっていました。
 受け入れについては、『SIZ特区』のように魔族だけの居住圏を設けるなどの意見がありましたが、最終的にはカラムの
「我々は精霊と共に歩むと決めた時、自らの壁を取り去った。今またわざわざ壁を設けるようなことはしない」
 という言葉が決め手となり、イナテミスは人間、精霊、魔族の三族が共存する街となりつつあったのです。

「この街が未来へ向けて歩き出すため……ええ、確かに良いきっかけかもしれませんわね」
 思えば私たちは、このような時が来るのを待っていたのかも知れません」
 セイランが告げると、一行も同意するような仕草を見せます。個々の差はあれど、精霊は現在の状況に合わせて生きる種族であり、強引に状況を変えることは不得手でした。
 しかし今、状況を変える一手がルーレンからもたらされたことで、歯車は回りつつあったのです。
「ウィール遺跡の皆さんにも、お伝えしてきますね。きっと、快く協力してくれると思います」
「ま、たまにはいいわよね。じゃああたいも氷雪の洞穴行ってくるわ」
 セリシアとカヤノが、それぞれが治めている『ウィール遺跡』『氷雪の洞穴』へと決定を伝えに行くことを告げます。にわかに活気づく中、一人サラが心配気な表情を浮かべて口を開きます。
「しかし、もし何かが起きた時に、私たちだけで対処が出来るだろうか」
「……確かに、我々だけでは不測の事態に対し、少々力不足であろう。そもそも祭を行うにしても、人手が欲しい。
 そこで、だ。私はここに連絡を取ってみようと思うのだが」
 言ってカラムは、一枚のチラシを取り出しました。そこに書かれていたのは――。

●空京:豊浦宮

 イナテミスより『街の今後のため、祭を開催するのでぜひ協力して欲しい』という依頼を受けた『豊浦宮』では、早速飛鳥 豊美(あすかの・とよみ)鵜野 讃良飛鳥 馬宿馬口 魔穂香馬口 六兵衛が顔を合わせ、検討を行なっていました。
「やっぱりこれも、姫子さんの仕業ッスかね? 話があまりにも急過ぎますし」
「その可能性は高いとみていいだろう。……しかし、相手が何を企んでいるのかの見当がつかない以上、事前に対策を取るのは限られている。
 何より、これは街の総意に基づく依頼だ。無下に断ることは出来ない」
「大口の仕事、ってわけね。……いいんじゃないの? 要は祭が楽しく無事に終わればいいんでしょ。
 受けるっていうなら行ってくるわよ」
「ま、魔穂香さん、熱でもあるッスか!? 魔穂香さんが自分から仕事をする気になるなんて、訳が分からないッスよ!」
 わめく六兵衛を銃で撃ち抜いた魔穂香は、「課金アイテム買い過ぎて今月ピンチなのよ」と言い張りました。ピクピクしながら六兵衛は「や、やっぱりそういうことッスか……」と呟きます。ただその六兵衛も「この仕事を成功させれば、社員に給料が払えるッス」と小声で呟いていました。
「……確かに、あの方が背後に絡んでいる以上、この件は何が起きるか分かりません。
 ですが、それでも私たちは、街の皆さんに安心と幸せをお届けする。それが魔法少女のお仕事です」
 皆の話を聞いた上で、方針を決定した豊美ちゃんに一同、賛成の意思を明らかにします。
「おば……豊美ちゃん。讃良様はどうなさるつもりですか?」
 馬宿が讃良ちゃんの処遇を尋ねると、豊美ちゃんは讃良ちゃんの頭を撫でつつ答えます。
「もちろん、連れていきますよー。讃良ちゃんにもお祭りを楽しんでほしいですし。
 それに、もし何かあったとしても、私が護ります。私は讃良ちゃんのお母さんです」
「わたし、いいこにしてます! おかあさまのそばをはなれたりしません!」
 二人の言葉を聞いて、馬宿は分かりました、と言い、先方に依頼を受ける旨と諸々の手続きを行うため、その場を後にします。
「では、私は皆さんにこのこと、伝えておきますね。
 皆さんで一緒に、お祭りを成功させましょうー」

 こうして、豊美ちゃんを始めとした魔法少女の面々は、イナテミスで開催される祭を手伝うことになったのでした――。

●夜:イナテミス

 人と精霊、そして魔族が共に手を取り、それぞれに感謝し合う『感謝祭』を明日に控え、既に現地入りしていたルーレンはまとめていた髪を下ろし、夜空を見上げて一息つきます。
「……そう、この祭は一つのきっかけになるのですわ。
 イナテミスのこと、ザンスカールのこと、そして――」
 空から視線を外し、壁へと目を向けたルーレンがふふ、と微笑みます。壁の向こうでは今日一日、ルーレンに連れ回されたフィリップが疲れ果てて寝息を立てているはずでした。
「おやすみなさい、フィリップさん」
 そんなフィリップにお休みを告げて、ルーレンも布団へと入ります。

(ふふふ……ここまでは計画通りね。
 六首長家の一つ、ザンスカール家現当主ともなれば、発言力は大きい。私の目に狂いはなかったわ)

 屋根の上でふふ、と不敵な笑みを浮かべた高天原 姫子が、笑みを消して考えを巡らせます。
(さて……魔族、ね。彼らの戦闘力は魅力的だわ。計画のためには是非とも引き入れなければ。
 行ってみましょうか、魔族の地へ)

 小声で何かを呟いた姫子の、姿が忽然と消えました。まるで最初からそこには誰も居なかったように、何も残していません。

 背後で手繰られる糸、その存在を各人がなんとなく気付きつつ、イナテミスでの感謝祭が開かれようとしているのでした――。

担当マスターより

▼担当マスター

猫宮烈

▼マスターコメント

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか。猫宮です(ぺこり

魔法少女シリーズ3回目は、イナテミスが舞台のお祭りシナリオです。
まだ懲りない姫子が今度はルーレンに近付き、操られた? ルーレンの発言から、イナテミスで『感謝祭』が開かれることになりました。

魔法少女の皆さんはお祭りを成功させるため、企画を興してみたり、街を見回るなど力を貸してあげてください。
祭りが行われる主な場所は、街の中心部、『イナテミス精魔塔(暫定)』がある区域です。塔と『イナテミス広場』にライブや講演などが行える大規模なステージが設置され、その周りを出店が囲むような形が計画されています。
マスターページに、イナテミス市街地のマップを載せておきます。これまで建てられた建物もちゃんと存在してますので、そこに絡んだアクションもお待ちしています。
あ、残念ながら新しく建物を建てるアクションは採用できません、ご了承願います。

もちろん、一参加者としてイナテミスを訪れ、精霊・魔族との交流を楽しむのもいいでしょう。
市街地の他、ウィール遺跡、氷雪の洞穴などなど、訪ねられる場所は数多くあります。かつて交流のあった者たちが今はどうしているか、見てみるのもいいですね。


※サンプルアクションにはありませんが、これまでのリアクションで姫子に認められている(操られていた、も含める)場合、姫子と行動を共に出来ます。
 ここで取った行動が、次のシナリオに影響を与えることもあります。


それでは今回も、どうぞよろしくお願いします。

▼サンプルアクション

・魔法少女として、歌で感謝祭を盛り上げる!

・魔法少女として、料理で参加者を幸せにする。

・一参加者として感謝祭を体験してみる。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年05月06日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年05月07日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年05月11日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年05月29日


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