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シナリオガイド

この物語がハッピーエンドになるかどうかは、あなた次第です!
シナリオ名:すべての物語が、ハッピーエンドで終わるとは限らない。 / 担当マスター: 影月 潤

 見たくない過去を見てしまった。


 あのときの後悔が、まだ私の中にあるというのか。思い出すだけで、胸が苦しくなる。


 まだ私が、高校生の頃の話だ。あの頃から科学に興味を持ち、多くの実験を行ってきた私は、とある実験の失敗から、病院に担ぎ込まれた。
 大きな怪我はなく、検査するだけの退屈な入院。そのときに知り合ったのが……彼女――さおりだ。


 小さな頃から体の弱かった彼女は、幾度となく入退院を繰り返していたらしい。おかげで親しい友人も少ない、と、彼女は微笑んで言った。

 私は、彼女のことが気になっていた。なんども病室に足を運び、私が退院してからも、彼女に会うために、病院に行った。


 花火が見たい、と、彼女は言った。私は彼女を連れて行ってやりたかった。

 でも、そのときの彼女の状態では無理だ、と、医者にキツく言われた。いつも笑って話してくれる彼女の姿を見れば、大丈夫だと思ったのに。


 ……私は、幼心に思ったのだ。大丈夫だと。俺が傍にいるんだから、大丈夫だと。

 私は彼女を連れ出して、近所のお祭りに連れていった。レンタルした浴衣を着ている彼女の恥ずかしそうな笑顔が、とても眩しかった。

 たくさんの出店を見て回り、はしゃいで、笑って。彼女はとても、楽しそうだった。

 でも私はそのとき、致命的なミスを犯したのだ。人ごみの中で、彼女の手を、離してしまった。

 私は必死に彼女を探した。走り回って、大声を上げて。


 そして私は……救急車で運ばれる、彼女の姿を見た。

 後ろに聞こえる花火の音が、心臓をえぐる。

 無理をしていたのだ。彼女は無理をして、笑っていたのだ。

 幼かった日の、ほんの小さなわがまま。私の、彼女と一緒にいたいというわがままが、彼女を苦しめていた。

 そんなことにも、私は気づくことが出来なかった。

 

 それから、しばらく彼女とは面会も出来ない状況が続いた。

 いつからか、私は彼女に会いに行かなくなった。自分のせいだ、と、私は自分を責めた。

 それから逃れるようにひたすら科学に没頭し、自分の生まれた町を離れ、いつの日か、大好きだった彼女のことですらも忘れて。

 私は今、ここにいる。


 『もしもマシーン』。こんなもの、作らなければよかった。

 もしあのときにああだったら、なんて、所詮は実現しようのない物語なのだ。

 私は、彼女から自ら離れていったのだ。

 それだけの話。どうしようもない、起承転結もありきたりな。

 そんな、バッドエンドストーリーだったのだ。







「ということです」
 白衣の男……小野は、集まったメンバーに『もしもマシーン』のログを見せてそう口にした。
「博士にこんな過去があったとは……」
 もうひとり、白衣に身を包んだ千田川が腕を組んで答えた。
 前回、『性別が逆になる』という致命的な欠陥を見せた『もしもマシーン』も、ある程度は調整が完了し、それなりには動くようになっていた。
 その試験段階で、開発責任者の博士……谷岡 修が見たのが、彼の昔の映像らしい。

 その映像は、見ているだけで胸が締め付けられるような……そんな映像だった。

「この、『もしもマシーン』は、『もしも』を実現する機会なんですよね?」
 沢渡真一が言う。小野が「そうですよ」と頷く。
「だとしたら、博士にもう一度、この機械を使ってもらうという方法がありますね」
 皆口虎之助はそう口にした。
「使ってもらって、どうするんですか」
 小野が尋ねる。
「簡単な話だ」
 それに答えたのは、土井竜平だ。


「祭りを楽しめばいい」 


 その予想外の発言に、小野が倒れこみそうになる。
「ごめん、土井くん、意味がわからない」
 真一は言うが、
「俺たちも博士の過去に行って、俺たちも祭りに参加しよう。そうすれば、博士が手を離したあと、一緒に彼女を探すことも出来るはずだ」
 竜平はうんうんと頷きながら答えた。
「祭りに参加する必要がないでしょう」
 虎之助の質問にも、
「ただ見ているだけ、というのもつまらないだろう。祭りに参加する、という大義名分があったほうがいい」
 そうかもしれませんけど、と虎之助は食い下がるが、
「ちょうど、時期も夏の終わりだ。祭りにはちょうどいい」
 竜平が口にする。
「まあ、そうですね……」
 真一は頷いた。
「せっかくだから、俺たちも祭りに参加しよう。そして、博士たちの行動をマーク。二人がはぐれそうになったら、手を貸せばいい」
 竜平の言葉に、皆が顔を見合わせる。


「そして、博士の心の中にあるバッドエンドストーリーを、俺たちでハッピーエンドに変えてやるんだ」


 その言葉を聞くまで、皆は半信半疑の表情だったが、その力強い一言で、みんなの表情が少し変わった。

「……そうですね。機械で見てしまうくらいの辛い出来事なら、せめて僕たちの手でマシにしてあげましょう」
「こういうことをするための、『もしもマシーン』だものな」
「面白そうですね」
「さすが先輩です」

 皆の声が響いた。

「よし、そうと決まれば用意を頼む」
「わかりました!」

 竜平の言葉に小野が頷いた。




 と、いうわけで。

 再び『もしもマシーン』が動くことになりました。今回入り込む仮想世界は、博士が若い頃に暮らしていた、日本のとある町です。

 ここでは夏祭りが行われていて、多くの出店が並んでおります。みなさんは祭りに参加しつつ、博士がさおりさんとはぐれた場合、ふたりが再び出会うように行動していただくことになります。

 もしも花火が始まるまでにさおりさんと合流できなかった場合、再びスタートからやり直すことになると思われます。


 最終的なゴールは、「博士とさおりさんのふたりが花火を見る」です。


 ゴールにたどり着くまでの障害として考えられる事項として、


・さおりさんに出会えない

・『バグ』に妨害される

・博士が、さおりさんに会おうとしない


 の三つが考えられます。


 
 上記にもありますが、『もしもマシーン』には『バグ』が生じていることが判明しております。

 『バグ』とは、ある種の怪物のようなものです。前回では仮想世界に存在する人物が襲ってくるという現象が発生しました。


 この『バグ』は、『もしもの世界』を本来あるべき事項に戻そうとして動きます。つまり、博士とさおりさんが出会おうとする過程で現れ、邪魔をするという可能性が出てきます。

 他にも、『マシーン』と繋がれた人物の脳波の乱れによって生じる恐れがあります。

 つまり、博士自身がバグとなり、襲ってくる可能性もあります。




 ※まとめ


 目的

 1、お祭りに参加する。

 2、祭りの最中にはぐれてしまう博士とさおりさんを引き合わせ、一緒に花火を見させる。

 

 状況

 1、舞台は仮想現実の中。十数年ほど前の日本の田舎町がベース。

 2、目的は、一回で達成できなくてもよい。(達成できない場合、祭りの最初からやり直す)

 3、バグが襲ってくる可能性がある。(バグに巻き込まれた場合も最初から)










 参加予定NPC


・公式NPCは参加を予定しておりません。




 参加予定オリジナルNPC


・白衣の男たち 博士(谷岡修)、小野、千田川の三人。

・土井竜平(バーストエロス)

・皆口虎之助(ハイパーエロス)

・沢渡真一



担当マスターより

▼担当マスター

影月 潤

▼マスターコメント

 というわけで、まさかの『もしもマシーン』、第二弾の作品となります。

 前回不参加の方のために解説しますと、とある科学者の三人が開発した、あらゆるもしもを実現するために特定のシチュエーションで仮想世界に入れる機械、『もしもマシーン』に、みなさんは入ってもらう形になります。

 目的はお祭りをエンジョイしつつ、博士がさおりさんとのデートを楽しめるようにしてもらうという簡単なものです。彼らふたりは途中ではぐれることが確定しておりますので、はぐれた場合、花火が始まるまでに再び出会えるように手を回してもらいます。

 ちなみに出店はいろいろあります。射的にヨーヨー釣りに金魚すくい、くじ引きにかたぬき、等々。

 お祭り周辺では浴衣のレンタルも行われているとか。もちろん、利用できます。

 神社の境内でお祭りは行われているらしく、お守りとか、おみくじとか、絵馬とかもあります。

 店をだす、ということも可能です。

 そして、最後は花火があります。

 最初は花火どころではないと思いますが、もし、目的が達せられたのだとしたら、みなさんも花火を楽しむことが出来るでしょう。



 それと、使うのは『もしもマシーン』、『もしもを実現する』機械ですので、仮想世界に入る際に、細かな設定変更を行うことも可能です。


 例えば「性別を変える」、「体型や身長を変える」なども可能です。このあたりは前回不具合が生じておりましたが、修理しておりますので、勝手にどうとかいうことはないと思います。ええ、多分。


 そして、最後はハッピーエンドになるのか、それとも、やはりバッドエンドなのか……

 それに関しては、みなさんの意見を募りたいと思います。

 アクション文中に、

「すべての物語がハッピーエンドで終わるとは限らない」

 という一文に対し、コメントしていただきたく思います。

 そのコメントによって、この物語の結末は、変わっていくことでしょう。

 コメントは絶対ではありませんので、アクションに文字数的な余裕がない、特にコメントがないなどの方はなくても結構です。



 ※こちらのリアクションは、下記の公開予定日より1週間後の公開となります。ご了承ください。

▼サンプルアクション

・ハッピーエンドを目指す

・どっちでもいい

・バグの掃討

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年08月19日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年08月20日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年08月24日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年09月10日


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