空京大学

「春は出逢いの季節よ、こういったイベントに参加するのは当然じゃない」
　と、愛用のデジタルカメラを構える松田ヤチェル（まつだ・やちぇる）。
　パートナーの由良叶月（ゆら・かなづき）は呆れた様子で息をつきました。
「目的、間違えてないか？　飯ごう炊さんだぞ？」
「大丈夫、料理は得意だもの」
　と、ヤチェルは自信たっぷりに返しました。

　二人が参加しているのは、サルヴィン川近くで行われる体験教室でした。
　各学校から募集した参加者を六人程度の班に分け、飯ごう炊さんでカレーライスを作るのが目的です。
　出来上がったカレーは引率の教師たちが一口ずつ試食して、一番よくできた班を決めます。そのため、どの班も気合いが入っていました。
「じゃあ、あたしたちが準備してるから、薪の方、よろしくね」
　と、ヤチェルたちは与えられた場所で食材を切り始めます。
　叶月たちは言われたとおり、薪を探しに行きました。
　――確かに春は出逢いの季節。
　こういった学校の枠を越えたイベントを通して結ばれる友情もあるでしょう。
　しかし、薪を拾いに行った叶月の出逢いは最悪なものでした。

「オラオラー、邪魔だ！　そこをどけぇ！！」
　振り返った叶月は驚きました。
　前方から騒音を響かせながら、パラ実生と思しき不良たちがバイクで走ってくるのです。
　キマクにほど近い場所だからでしょうか。彼らはあっという間に、その場から走り去っていきました。
「……うざいな」
　呟く叶月ですが、すぐに女の子たちの悲鳴が聞こえてはっとします。
　抱えた薪を落とし、慌ててそちらへ向かう叶月。
　そして見えてきたのは、先ほどの不良と思しき男子生徒が女の子たちに絡んでいる光景です！
「可愛いじゃねぇか、嬢ちゃんよぉ」
「ちょっと、やめてください」
　これはさすがに困りました。
　幸いなことにヤチェルはまだ不良たちに絡まれていませんが、このまま放っておくと飯ごう炊さんが台無しになってしまいます。
　叶月が彼女たちを助けようと踏み出した直後、再びあの騒音が背後を駆けていきました。
「……マジでうぜぇ」
　あまり自分から喧嘩は売らない叶月でしたが、今回ばかりは許せませんでした。
　――次に騒音が鳴り響いた時、彼は不良たちの行く手を阻みました。
　ただでさえ目つきの悪い叶月を前に、不良たちは次々とバイクを降り始めました。――喧嘩の始まりです！

　一方その頃、ヤチェルは班の仲間と一緒に楽しく料理をしている最中でした。
　ですが、薪がないので火が使えません。いっそのこと、火術を使っても良いのですが、それでは飯ごう炊さんと呼べません。
「遅いわねぇ、カナ君」
　何も知らないヤチェルは、ただ愚痴るだけでした。
　このまましばらく帰ってこないのであれば、カメラを片手にショートカットの女の子を探しに行くのですが……早く自由時間にならないかなと、ヤチェルはわくわくしました。

料理が致命的に苦手なので、飯ごう炊さんでは雑用ばかりしてました。
どうも、瀬海緒つなぐです。

今回は、どう考えても楽しくない飯ごう炊さんのお話です。
不良たちと喧嘩するも良し、不良に味方しても良し。
構わずにカレーライスで一番を目指すも良いし、自由時間に気になるあの子と遊ぶのも良いでしょう。
大人の方の参加も可能となっておりますので、どうぞ生徒たちを引率してあげて下さい。
出来れば喧嘩を止めたいところですが……季節は春ですし、思いっきり身体を動かすのもよろしいかと。

【喧嘩について】
何でもありの喧嘩になると思われますので、スキル発動可とします。
ただし、やりすぎると被害が拡大する恐れがありますので、お気を付け下さい。
飽くまでも、飯ごう炊さんを無事に終わらせるための喧嘩です。

【班について】
組みたい相手がいない場合は、こちらでランダムに組み合わせます。
もちろん、友達同士で班を組んでいただいても大丈夫です。
基本が六人というだけですので、五人でも七人でも班として認めさせていただきます。
もちろん、ヤチェルと叶月の班に入って下さっても構いません。

それでは、飯ごう炊さんをお楽しみ下さい。

・叶月と一緒に喧嘩する

・むしろ不良に加勢

・料理をがんばる！

・自由時間に遊ぶ