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乙女の聖域 ―ラナロック・サンクチュアリ―

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シナリオガイド

誰か! 彼女を……彼女を止めてください!
シナリオ名:乙女の聖域 ―ラナロック・サンクチュアリ― / 担当マスター: 藤乃 葉名

  蒼空学園付近の住宅地――ラナロック・ランドロックはパートナーであるウォウル・クラウンの家に向かっている最中でした。

「ウォウルさん……今日学校に来なかったけれど、大丈夫かしら……」

 不安そうな面持ちで彼女は一人呟きながら、持っているバッグから合鍵を取り出して鍵穴に差し込みます。ノブを捻り、数回ウォウルの名を呼んでみますが彼からの返事はありません。

「留守……?ウォウルさん……お邪魔しますわよ」

 更に不安そうな表情になりながら、彼女は恐る恐る靴を脱いで、彼の家に上がります。が、そこは蛻の殻。辺りをきょろきょろと見回しながら、しかしラナロックは懸命に声を掛け続けました。

「ウォウルさぁん、いらっしゃるなら返事をしていただけますかぁ」

 勿論、誰からも返事は帰ってきません。彼女はトイレ、風呂場、寝室等、彼の家の至る所を探しましたが、とうとうウォウルの姿を見つける事は出来ませんでした。
ふとリビングに戻ってきた彼女は、そこで何かを見つけます。

「あら――? 何かしら、これ」

 彼女が見つけたのは、一枚の書置き。それはひっそりとリビングにあるテーブルの上に置いてありました。ラナロックはそれを手に取り、眉を顰めながら綴られた文字を読み始めます。

「何々……? 『この家の主、ウォウル・クラウンは預かった。返して欲しければ我々を探し出してみるがいい――アンノウン8』……」

 読み終わった彼女は暫く首を傾げて、手紙の内容を理解しようと努めます。そして暫く腕を組み、天井を仰ぐ様な動作で持って沈黙――。と、漸く彼女は、今この部屋の主に起こっている出来事を理解しました。理解したのですが――なんと彼女、こんな街中に白昼堂々、腰に下げている拳銃を引き抜くや机に戻した脅迫文に銃口を向け、発砲し始めます。
両手に握られているそれが物騒な音色を奏でると、恐ろしい剣幕のラナロックがゆっくりと扉の方へと向かって行きました。

「ウォウルさんが、誘拐……許しませんわよ、ふふ、ふふふふふ……今すぐ犯人を見つけ出して、あんな事やこんな事をして遊んでやりますわ、あは、あはははははは」

 どうやら彼女、パートナーのウォウルが何者かによって誘拐された事に対し、相当鶏冠に来ている様です。怒り心頭、まさしく鬼の形相です。
彼女は部屋の扉を足で蹴り開けると、銃を持ったままゆっくりと外へでてしまいました。
 と、丁度そこに、授業を終えて帰宅しようとしていた雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)が通りかかります。かなりご立腹のラナロックと鉢合わせする形になった彼女は、笑顔でラナロックに挨拶をします。当然――事情など知らないままに。

「あ、ラナロック先輩。こんばんは」
「あら? あなたは雅羅ちゃん、だったわね。ええ、御機嫌よう」

 返事を返したラナロックですが、しかしその表情、そしてその状態を見た雅羅は思わず動きを止めます。彼女が初めて見る、鬼のような形相。そして両手には物騒な二挺の拳銃。故に彼女は――思わず聞かなくても良い事をラナロックに尋ねてしまいました。

「あの……先輩、一体何が……?」
「あのねぇ、くっふふっ! ウォウルさんがねぇ、誘拐されたのよぉ! あっはははは」

 とても正気の沙汰とは思えない返答でしたが、どうやら雅羅としてはウォウルが誘拐された方が驚きだった様です。

「あの先輩が!? 誘拐されたんですかっ!? な、なんて物好きなのかしら……」
「そうよねぇ、私の大事なパートナーを奪っちゃうなんて物好き、懲らしめてあげないといけないわよねぇ……」
「あ、あの……そういうのって……」
「よりによって私の誕生日だってのに。全く最高の誕生日プレゼントだわっ!」

 不気味な笑みが、彼女の口元に浮かんでいました。

担当マスターより

▼担当マスター

藤乃 葉名

▼マスターコメント

  お世話になっております。藤乃 葉名です。今回は、少しだけ長くなると思いますが、ご参加いただけると幸いです。

  さて、今回のシナリオですが、この日学校を欠席したウォウルを心配したラナロックが、彼の家を訪れた際、彼が誘拐されていると知りウォウルを探しに行く。と言うシナリオになります。
 簡単な概要としましては、ウォウルを連れ去った犯人である『アンノウン8』を見つけ出し、ウォウルを救出する、と言うのが目的となっております。
 ガイド内に書いてあります、アンノウン8の脅迫文によれば『我々』と述べている事から複数犯の可能性がありますので、手分けをして探す、等を必要とするかもしれません。
 また、ウォウルを連れ去られた事にご立腹のラナロックは、恐らく犯人を見つけると、周囲に誰がいようが誰彼かまわず射殺する勢いなので、彼女よりも先に犯人を見つける事が重要となります。
 更にアンノウン8は、レッサードラゴンを一体、ゴーレムを三体所持している可能性があるので、彼等だけではなく、ドラゴンやゴーレムにも、気を払い、倒さなくてはならないと言う事態もありえます。
 なので戦闘が発生しますが、今回も残念ながらイコンによる戦闘は不可となっております。ご了承ください。

  今回のNPCは以下の行動を行います。
 ●雅羅・サンダース三世
  暴走するラナロックを何とか止めるべく、参加者様に彼女を託し、自分はラナロックより先に犯人を見つけだし、説得をしてラナロックに謝罪させようと考えている様です。
 しかし如何せん新入生の彼女なので、やはり誰かの手助けが必要ではないでしょうか。
 
 ●ラナロック・ランドロック
  完全に暴走しています。犯人、もしくは疑わしい人物は全て発砲してみる、と、何ともざっくりな行動理念で動いています。
 なので参加者様が彼女を止める、なだめる必要性があります。また、この日は彼女の誕生日です。プレゼントを持っていくと、もしかしたら少し機嫌を直すかもしれません。

 ●ウォウル・クラウン
  誘拐されています。特に何、と言う動きは今回は殆どありません。


  なお、アクションによってはウォウルに会いに行く事が出来ますが、その場合はウォウルを助ける、と言った行動はとれませんので、会話をする事などで終わってしまう可能性が高いです。
 また、毎度ながら『偶然に通りかかった』『声を掛けられた』『突然NPCから連絡が来た』等の理由で参加いただければ結構です。また、とんでもないもの以外でしたら、参加のきっかけは自由になります。
 
 今回は犯人を名乗るアンノウン8の味方をしてウォウル救出を阻止する。と言うアクションも可能となっております。

  皆様のご参加をお待ちし、更にご参加なされた皆様が納得するようなバトルものを掛ける様、頑張りたいと思います。
 それでは、皆様からの素敵なアクションをお待ちしております。

 



▼サンプルアクション

・大勢の人たちが被害を蒙らない様に話を解決させたいから

・これを機に、ラナロックさんとお近づきに……

・最近なんだか面倒事がたくさんみたいで可愛そうだったら、彼女にプレゼントを上げて元気づける

・普段からなんかいろいろ気に食わない二人だから

・歩いていたら、彼らの話声が聞こえて、興味を持ったから彼等に加担

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年07月02日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月03日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年07月07日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年07月22日


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