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【ザナドゥ魔戦記】アガデ会談(第2回/全2回)

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【ザナドゥ魔戦記】アガデ会談(第2回/全2回)

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シナリオガイド

すべてが終わったとき、最後に残るものは抑えがたき憎悪か、それとも……?
シナリオ名:【ザナドゥ魔戦記】アガデ会談(第2回/全2回) / 担当マスター: 寺岡 志乃


このシナリオを含む、8月26日公開の【ザナドゥ魔戦記】へのシナリオ参加は、

『【ザナドゥ魔戦記】全体で、
1ユーザー様につき最大2PCまでの参加』
『マスターシナリオ1つにつき1ユーザー様1PCまでの参加』
『同キャラクターの複数シナリオへの参加の禁止』

をお願い致します。

1PCが2本のシナリオへの参加決定、また1ユーザーが所有するPCのうち、3PC以上の参加決定が確認できた時点で、参加した全てのシナリオにおいて白紙扱いとなります、ご了承ください。
※ただし、第1回と第2回をそれぞれ別のシナリオに参加しようとすることは可能とします。(活躍できるかどうかは別となります)。




 アガデが燃えていました。
 数百年の間、何者にも侵されたことのない都。輝く白壁と赤屋根、美しい曲線を描く街路――東カナン随一の、比類なき優美な都と称されてきたアガデの都は今、燃え盛る炎に蹂躙され、その全てを瓦礫の中に失おうとしていました。


●イナンナの大聖堂~臨時避難所

「セテ坊!! おいコラ!! 目ェ覚ませ! いつまでもグースカ寝てんじゃねーぞ、てめー!!」
「オズ様、そんな乱暴な……」
「ウルセー! この大事にオレら年寄り頑張らせて、てめーだけ寝てようなんて、いい度胸だ!!」

 制止する騎士を突き飛ばし、東カナン12騎士の1家、イスキア家の騎士オズトゥルク・イスキアは、仰向けに寝かされたセテカ・タイフォン(せてか・たいふぉん)を揺すり、頬をはたき続けます。その横で、臨時避難所となっていた大聖堂は大音響とともに完全に屋根を崩落させました。
 ごうと一気に吹き上がった赤や金の火の粉が風にあおられ、街中に散っていきます。ザナドゥ側の者によって行われた無差別爆破とそれによる延焼で、この近辺は今、火の海と化していました。
 魔族から逃げ惑う人々を保護するため、騎士たちは都中を走り回っています。消火に人員を割く余裕はありません。
 魔族と大火――アガデはかつてない危機に陥っているのでした。

「……オズ……」
「気付いたか!? セテ坊!」
「……外壁……を……破壊……民を、外へ……」
「分かった。それはオレがやる。おまえは息することに集中してろ!」

 オズはぺちりとセテカの額を叩いて立ち上がりました。地面に突き刺していたクレセントアックスを持ち上げます。
 そんな彼を見て、イスキア家に仕える騎士たちがおろおろと首を振りました。

「で、ですがオズ様……あそこは魔族たちがあふれていて、近づけませんよ?」
「うっせー! やるったらやるんだよ! エシムとリヒトとカインが居城、ネイトが迎賓館、イェサリは死んじまってほかの6人は都中に散っちまってるとなりゃ、あとはオレしかいねーだろ!
 おい、おまえ! 絶対その小僧を死なせるんじゃねーぞ! 分かったな!」

 セテカの負った傷は深く、押しつける先から布を染めて流れる血に、このままではおそらくもってあと数分に思えましたが、騎士はとにかく頷いて見せました。日ごろからセテカを弟のようにかわいがっているオズのために……。



●迎賓館~会談会議室

「姐さん、駄目だ……!!」

 トライブ・ロックスター(とらいぶ・ろっくすたー)の叫びもむなしく、アナト=ユテ・アーンセトは最後の息を吐き出しました。がくりと頭を垂れた体は重く、その死を悟ったトライブの心を引き裂きます。

「――講和に応じてその隙に裏で攻撃するのが、魔族のやり口ってわけ?」

 哄笑する魔神 バルバトス(まじん・ばるばとす)には目もくれず、ルカルカ・ルー(るかるか・るー)魔神 ロノウェ(まじん・ろのうぇ)をひたと見据えて言いました。

「私はあなたを『誇り高い戦士』と思ってた。こんな卑怯な手段は使わないと。とんだ買いかぶりだったのね。魔族に誇りなんか、あるわけなかったんだわ」

 その言葉に、初めてロノウェの顔に苦痛に耐えるような表情が浮かびます。
 そして、哄笑をやめたバルバトスの目がアナトの方を向いたのを見るや、先んじてそちらへ歩み寄りました。

「どきなさい」

 彼女の手のひと振りでトライブは壁まで吹き飛び、叩きつけられました。
 アナトの血まみれの胸に、ロノウェの五指が触れます。そこで彼女は何かを引きちぎるような動作をしました。引き戻されたその手には、弱々しくも白い光が……。それを、ロノウェはヨミの掲げ持つ壺の中へ入れました。

「あら~、先こされちゃったわぁ。私がもらおうと思ってたのに~」
「……早いもの勝ちよ。文句ある?」

 ロノウェの初めて見せる真顔での反抗的な態度に、バルバトスは「おや?」と片眉を上げたものの、笑みはわずかも揺るぎません。

「あらあら。ロノウェちゃんったら、もしかして反抗期~?」

 くすくす笑いながらあごにかかった指を、ロノウェはふいとそっぽを向いてはずしました。
 一瞬、苛立ちのような危うい光が眇められたバルバトスの目の奥を走ります。が、すぐにバルバトスは笑顔を取り戻し、足下のアナトへ視線を向けました。

「さあ立ちなさい、アナト=ユテ。命令よぉ」
「……は……い……」

 死したはずのアナトの目が開き、立ち上がります。アナトはバルバトスとロノウェに向かい、恭しく頭を垂れました。

「バルバトス様……なんなりと、ご命令をお与えください……」
「んふっ。かわいいコ。あんまりかわいいからプレゼントあげちゃおうかしら~」

 バルバトスが空中から半月型の双剣を取り出します。

「あなたの役目は彼らを食い止めること。腕を失おうと足を折られようと、動ける限り彼らを殺し続けなさい。どうしようもなくなったら、自分の首をはねるのを許してあげる~」
「おおせのままに……」

 一礼し、アナトは剣を両手に、婚約者であるバァル・ハダド(ばぁる・はだど)や友人たちの前に立ちふさがったのでした。
 彼女の後ろには、ザナドゥ側についたコントラクターたちの姿が。
 そこに、バンッ! と扉を蹴り開けて夏侯 淵(かこう・えん)が飛び込んできました。

「みんな受け取れ!!」抱え持っていた武器を投げ出します。「死して魔族に仕える気は無いゆえ容赦はせぬぞ! 死にたい者は掛かって来い!」

 振り切られた腕から我は射す光の閃刃がロノウェに向かって飛びます。しかしそれは、数々のスキルで防御を固めたドゥムカ・ウェムカ(どぅむか・うぇむか)に軽く散らされてしまいました。

「バルバトス様のご命令に従い、あなた方を排除します」
「アナト、やめて! ルカよ!!」

 アナトの振り下ろす剣が、続けざまにルカルカを襲いました。アナトは騎士の家の生まれ。生来の才もあり、その剣技は並以上です。いつまでもしのぎ続けることは難しい――けれど、ルカルカはどうしても技を返すことができませんでした。
 何の感情も映していないアナトの面を伝い落ちるのは滂沱たる涙。
 まるで、唯一自分の自由になるのはそれだけというように、アナトは涙を流し続けていたのでした……。


 バルバトスの放った魔弾が、後方の壁一面を砕きます。

「さあ行きましょ~。もうこんな所、用はないわぁ」
「――領主バァル。さっきあなたはカナン全土における紛争の即時停止を講和の絶対的必要条件と言ったわね。こちらの絶対的必要条件はイナンナを引き渡すことよ。それ以外は認められないわ」

 そう言い置いて、彼らは街で最も高い時計塔へと飛び去っていきました。



●東カナン~アガデの都付近・西の方角

(あそこね!)

 飛び続けること数時間。フリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)は、煌々と光を放つ場所を地平に見つけました。
 さっそくイナンナ・ワルプルギス(いなんな・わるぷるぎす)に携帯で連絡をとります。

『内部ですさまじい魔の気配がするのよ。結界は破られていないのに……。だけどカナン軍がその地へ到着するには時間がかかりすぎる。
 一番近くにいたのはあなただったの。お願いよ、アガデの者たちを守って』
「もちろんよ。任せてちょうだい」

 フリューネの指示に従い、ペガサスがさらに飛速を増します。
 向かい風を切り、白矢のごとく空を駆ける彼女の脳裏を次々とよぎるのは、あの地にいて、魔族と戦っているに違いない友人たちの姿……。

「待ってて、みんな。今行くから!」

担当マスターより

▼担当マスター

寺岡 志乃

▼マスターコメント

 こんにちは、または初めまして、寺岡 志乃といいます。
 こちらは【ザナドゥ魔戦記】東カナンパートとなります。全2話構成の第2話目となっております。この回からの参加も可能ですので、よろしくお願いいたします。


 ●アガデの都について
  東カナンの首都です。女神イナンナの守護の力がドーム状に覆っており、通常の方法では低レベルの魔族は近寄ることもできません。
  街には小路地が走っており、その出口には必ず小門があって、ゲリラ戦に適したつくりとなっています。
  領主の居城は小高い岩山の上にあります。そこに至る道はゆるやかな上りの坂道で、一部林の中にもあります。
  現在クリフォトの樹が外壁に沿って植えられており、この樹をゲートとして魔族が都の内部へ侵入しています。
  臨時避難所は火災により焼失しました。
  現在街は大火にみまわれています。民や騎士で消火している者も若干いますが、追いつかない状態です。

 ●魔族について
  クリフォトの樹は外壁に沿って360度植えられていますので、敵は全方位から進んでいます。
  地上にいるのはロノウェ軍です。隊列を組み、大道を行きつつ周囲を破壊しています。簡易な鎧をまとって剣や槍を持ち、魔弾を撃ちます。
  雷撃に耐性があります。今回ゲートを通れないためゴーレムタイプの巨大な魔族は来ていません。
  また、初めのうちはロノウェの指揮がないので進みは緩慢で統率も乱れています。頭のない手足状態ですからつけこむ隙はいくらもあります。
  しかしいったんロノウェが指揮をとり始めれば、攻守に優れた軍隊として一気に攻勢をかけます。
  上空に展開しているのはバルバトス軍です。天使のような翼を持ち、槍で攻撃あるいは槍の先から魔弾を撃ちます。
  こちらはさほど統率のとれていない兵で、各自バラバラに攻撃をしかけてきます。
  バルバトス軍は数百、ロノウェ軍は数千の大軍勢です。クリフォトの樹をどうにかしない限り増え続けます。
  クリフォトの樹はイナンナの勢力域に植えられたため本来の力はなく、高さは3〜4メートル、強度も普通の大木程度しかありません。

 ●位置関係について
  バァルは当初迎賓館の会談会議室にいますが、魔族と戦うため街へ出て居城へ向かいます。
  アナトは迎賓館の会談会議室でザナドゥ側として戦っています。
  セテカは臨時避難所近くで瀕死状態です。
  バルバトス、ロノウェ、ヨミは街へ出ていますが、指揮のためバラバラになりますのでそれぞれと接触することが可能です。
  東カナン12騎士(今回登場する5名)
   エシム・アーンセト、アラム・リヒト、カイン・イズー・サディク ―― 居城で侵入者の撃退にあたっています。長剣や短剣の使い手です。
   オズトゥルク・イスキア ―― 外壁を砕いて退路を作ろうとしていますが、外壁には魔族がいます。手助けが必要です。
   ネイト・タイフォン ―― セテカの父で12騎士の長です。迎賓館の警備についていましたが、セテカが死にかけていると聞いて向かいます。
  臨時避難所が破壊され、さらに居城も襲撃を受けたため、人々はパニックを起こして街へ飛び出しています。
  フリューネは上空のバルバトス軍と戦います。
  東カナン軍は外壁の外にいて、内側に入れないでいます。

  ※第1回にご参加いただきました方々は、それぞれの位置からスタートしてください。
   第2回よりご参加いただける方は、好きな位置からスタートできます。フリューネと一緒に来た、とすることもできます。


 ザナドゥ側についた者への対処、魔族との戦い、消火活動、クリフォトの樹の倒木、外壁の破壊、民の避難誘導――今回はする事がたくさんあります。どれが欠けても大惨事必至です。話し合って、全部をカバーできるように分散されることをおすすめします。



  以下は、【ザナドゥ魔戦記】に関係する記述です。

  『悪魔LCの立場』『魔鎧LCの立場』『死亡描写につきまして』『ザナドゥ側に付く場合』につきましては、
  【ザナドゥ魔戦記】特設ページに記載がありますので、そちらをご確認ください。

  『魂を奪われた、もしくは捧げたPCについて』
  普通の生活を送る分には、他の人と変わり無く過ごすことが出来ます。
  但し、魔族に反逆する意思が見られた時点で身体の自由が利かなくなり、意思と行動の自由を奪われます。
  シナリオ終了時には元に戻ります。(奪われるかどうかは、皆様の送っていただいたアクションを元に、マスターが判定します)

  また、以上のPCが行動する場合、魔族の力の一部を与えられているとし、身体能力が一箇所強化されています。
  どこが強化されているかは、アクションで指定することが出来ます。(例:目がとても良くなった、速く走れるようになった等々)


  (以下は新規に追加されたものです)

   今回よりザナドゥ側についたPCについては、

   ・シャンバラ、カナンの敵対勢力とみなされ放校処分

  となります。システム的にはパラ実に転校となり他校に転校が出来なくなり、ロイヤルガードや教導団の階級などの地位も
  失われます。
  ※称号は残る場合もありますが、無効となります。

  これはパートナーも同様です。
  放校はキャラクターレベルでどんな事情があろうと、ザナドゥ側についたことが判明した時点での処理となります。

  放校されるとマスターシナリオや、その他のコンテンツの参加や行動に制限が出る場合があります。
  放校はシナリオ状況やアクションによっては解除される可能性がございます。
  今回ザナドゥ側についてないとしても、過去の本シリーズにおいて同様の行為をしていた事が発覚した場合も同様の処理となる
  場合もございます。

  また、放校されたからといってどんな悪事も許される訳ではありません。
  シナリオと関係のない悪事、あるいはシナリオや他PCに対する害意しかうかがえないと判断した場合は、アクション不採用と
  させて頂く場合もございますのでご了承ください。
  ※もちろんザナドゥ側として戦うなどは問題ありません。

  近日中に放校PCについては、運営チームのマスターページで一覧が掲載される予定です。




  それでは、皆さんの個性あふれるアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・街で戦う

・居城で戦う

・消火作業にあたる

・外壁を破壊する

・クリフォトの樹を倒木する

・アガデの都を破壊する

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年08月27日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年08月28日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年09月01日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年09月24日


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