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砂上楼閣 第二部 【後編】

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砂上楼閣 第二部 【後編】

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シナリオガイド

闇に閉ざされし霧深き都に、再び蒼き薔薇は咲くのか
シナリオ名:砂上楼閣 第二部 【後編】 / 担当マスター: 森水鷲葉

 「何を考えている?」
 ラドゥ・イシュトヴァーン(らどぅ・いしゅとう゛ぁーん)は、
 ジェイダス・観世院(じぇいだす・かんぜいん)の自室で詰め寄りました。
 ジェイダスは、平然として、美少年をはべらせながら、コーヒーを飲んでいます。

 「ラドゥ、何をそんなに驚いているのかね?
  新しいイエニチェリが気に入らなかったかな。
  それとも、タシガン駐留武官のことかね。
  獅子は薔薇の学舎の校章にも描かれているし、
  タシガンにいてもらうにふさわしいと思うがね」
 
 ジェイダスは、
 剣の花嫁の替え玉作戦で、
 自ら囮を買って出て、
 文化祭の被害を最小限に抑えたことを高く評価し、
 黒崎 天音(くろさき・あまね)をイエニチェリに任命しました。

 また、シャンバラ教導団団長金 鋭峰(じん・るいふぉん)と直接交渉した結果、
 第六天魔衆で潜入調査を行っていた
 レオンハルト・ルーヴェンドルフ(れおんはると・るーべんどるふ)を、
 タシガン駐留武官として迎えたのです。 
 
 「貴様の趣味に、とやかく口出しするつもりはない。
  それより、なぜ空賊などと学生を共闘させるのだ。
  アーダルヴェルト卿を救出できなければ、
  いくら私の力を持っても……!」

 タシガン領主アーダルヴェルト・タシガンは、
 鏖殺寺院のジャルディニエ――<庭師>――を名乗る男にさらわれました。
 
 アーダルヴェルトを救出するため、
 イエニチェリの黒崎 天音(くろさき・あまね)が率いる薔薇学生、
 タシガン駐留武官レオンハルト・ルーヴェンドルフ(れおんはると・るーべんどるふ)
 そして、織田 信長(おだ・のぶなが)を頭とする天魔衆の三者に共闘させることを、
 ジェイダスは提案したのでした。

 「過去の遺恨にこだわり続けるのは美しくないよ。
  それに、タシガンの地球人排斥派からすれば、
  薔薇の学舎も天魔衆も結局は同じ穴の狢(むじな)に見えるはず。
  ……タシガンに災いをもたらし、
  アーダルヴェルト卿の拉致を招いてしまった、と」

 実際、アーダルヴェルトがさらわれたのは、
 女王の寝所であった遺跡で発見された剣の花嫁を連れてきて、
 薔薇学で文化祭など行ったからだと、
 アーダルヴェルト臣下の地球人排斥派に激しく糾弾されていました。

 一方で、文化交流を行った結果、
 瑞江 響(みずえ・ひびき)をはじめとする、
 薔薇学生達の丁寧なもてなしや、
 サトゥルヌス・ルーンティア(さとぅぬるす・るーんてぃあ)佐々木 弥十郎(ささき・やじゅうろう)の出店の料理、
 そして、襲撃の際のクライス・クリンプト(くらいす・くりんぷと)らの献身的な護衛に感銘を受け、
 若者を中心として、薔薇学生と友好を結びたいという声が上がり、
 タシガンの民に地球人との融和派の動きも広がりつつありました。

 また、アーダルヴェルト臣下の穏健派は、
 アーダルヴェルトとジャルディニエが密約し、
 天魔衆の襲撃を手引きしていたことが問題になることを恐れていました。
 女王の忠実な家臣であるはずのタシガン領主が、
 鏖殺寺院と裏取引をしたなどと、あってはならないことです。

 アーダルヴェルトは、領民にも慕われる有能な領主でしたが、
 神子の血族の粛清を密かに行うなど、
 神子についてだけは異常な執着を持っていることを、
 一部の家臣達は把握していました。
 
 穏健派の家臣達は、
 アーダルヴェルトを契約者である薔薇学生の手で救出することで、
 薔薇学をタシガンの「身内」としてきちんと迎えることが可能であると、
 ラドゥに提案してきたのでした。

 しかし、もし、アーダルヴェルトが命を落とすようなことがあれば、
 薔薇の学舎はタシガンを追われ、
 絶対的な権力を持っていた領主を失ったタシガンは混乱を極めるでしょう。 

 「天魔衆なる者達が、
  アーダルヴェルト卿の救出に手を貸してくれると本気で思うのか。
  第一、彼らが我々に協力する理由がないではないか」

 「信長殿は、パラミタの民を救うという大義のために、
  第六天魔衆を率いていると聞いているよ。
  民には善政を敷く領主なら救ってくれるはずだと、私は思うがね」

 ラドゥに、ジェイダスは底の知れない微笑を浮かべました。

 「それに、おまえが言っていたとおりなら、
  アーダルヴェルト卿は神子を見出す者なのだろう?
  シャンバラを救うために、
  私達、契約者は、立場を超えて協力しなければなるまい」

 闇の帝王、ラドゥは、その独自の情報網で、
 古王国時代の伝承をつきとめていました。
 かつて、タシガン家の始祖が、一人の少年に、
 神子を見出す使命を託したと。
 そのため、少年は、「純粋な者」でいつづけるため、今も当時の姿でいるのだと。

 「ただの空賊や独断専行の軍人を買いかぶりすぎではないのか」

 「なんだ、妬いているのか?」

 「……戯言を!」





 ジェイダスにより、アーダルヴェルト卿救出のため、
 タシガン北西部の島に向かうための飛空挺が用意されました。
 レオンハルトがいるツァンダや、
 天魔衆の居城となっている女王の寝所の遺跡にも、すでに迎えが出されています。
 時間差なく合流して、救出に向かうことが可能なはずです。

 上杉 謙信も、アーダルヴェルトの家臣として、
 同行が求められました。
 また、イエニチェリのルドルフ・メンデルスゾーン(るどるふ・めんでるすぞーん)も救出に参加します。
 薔薇学生および、全体の指揮は黒崎 天音(くろさき・あまね)に任せられます。

 梶原 大河も、
 「俺はもう契約者になったし、皆と一緒に戦えるはずだ」と、
 嫌がる剣の花嫁のアディーンを引きずって同行します。 

 エメ・シェンノート(えめ・しぇんのーと)によって目覚めさせられた、
 金髪の剣の花嫁と、
 清泉 北都(いずみ・ほくと)によって目覚めさせられた、
 黒髪の剣の花嫁・リオンも、
 女王復活のため、同行を申し出ました。

 ディヤーブ・マフムード(でぃやーぶ・まふむーど)と、
 中村 雪之丞(なかむら・ゆきのじょう)
 雪之丞のパートナーのブルーノ・ベリュゲングリューン(ぶるーの・べりゅげんぐりゅーん)は、
 タシガンの不穏な情勢を鑑みて、
 ジェイダスの護衛のため、薔薇の学舎に残ります。
 




 ジャルディニエは、打ち捨てられた貴族の別荘で、
 アーダルヴェルトから血を抜き取り、
 適当な者に輸血することで、人工の神子を作り出そうとしています。

 「人工神子の実験体は、自分達からやってくるはず。
  せいぜい退屈させないでもらうとしよう」

 ジャルディニエは、血を抜き取る実験をした後に
 被害者の身体を使って、
 等身大ドールのような「人形」と、
 魂を使って、「薔薇の幽鬼」と呼ぶゴーストの配下達を作っていました。

 数十体の「人形」と「薔薇の幽鬼」の顔を見て、
 アーダルヴェルトは戦慄します。
 かつて、自分が粛清した神子の血族の者達だったからです。

 「おまえも、実験の後には同じようにしてやろう。
  その前に、楽しませてもらうとするがな」

 ジャルディニエは、学生達を迎え撃った後は、
 アーダルヴェルトを慰み者にするつもりです……。
 




担当マスターより

▼担当マスター

森水鷲葉

▼マスターコメント

 薔薇学キャンペーンシナリオ「砂上楼閣」シリーズ最終回です。

 抽選では、薔薇の学舎が有利となります。

 「青春もの」「少年達の成長物語」にふさわしいラストを、
 皆さんのアクションによって迎えてください。
 
 何卒よろしくお願いいたします。 

▼サンプルアクション

・ジャルディニエと戦う

・ジャルディニエの配下の「薔薇の幽鬼」と戦う

・アーダルヴェルトを救出する

・ジャルディニエに襲われる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2010年05月29日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年05月30日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年06月03日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年06月21日


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