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インベーダー・フロム・XXX(第3回/全3回)

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シナリオガイド【イコン参加可】

太平洋に消える海上都市! 海京崩壊の未来を覆せ!!
シナリオ名:インベーダー・フロム・XXX(第3回/全3回) / 担当マスター: 梅村象山

 長く続く暗闇の向こうにかすかな光が見えました。
 逃走したグランツ教の司教”メルキオール”を追って、アイリ・ファンブロウ(あいり・ふぁんぶろう)こと魔法少女アウストラリスは、蜘蛛の巣のように張り巡らされた下水道を走っていました。
 用水路に突き当たり、地上に出たアウストラリスは空を覆う無数の影に息を飲みました。
「……これはガーディアン!?」
 天使を思わせる翼を持った巨人は、神々しい姿とは裏腹に邪悪な本性を剥き出しにして、海京都市に攻撃を加えていました。
 崩れた高層建築の残骸が降り注ぎ、通りはパニックになった人々で溢れ返っています。
 その時、メルキオールを追って別行動をとっていた海京警察のサーファー刑事から連絡が入りました。
『教会を張ってた部下から報告があった。教会にいた神官と信者が、大型飛空艇に乗って、どこかに消えたようだ』
「!?」
 飛び交うガーディアンの群れの奥、都市部の真ん中に黄金の大型飛空艇が見えます。
「……あれがそのようですね」
 アウストラリスが目を細めたその直後、飛空艇の真横から巨大な影が現れました。
 ガーディアンのようですが、今まで見た第一段階や第二段階とは違うようです。通常のガーディアンより遥かに巨大、背中に四枚の翼、下半身には人間の脚の代わりに、蛸のような八本の脚が蠢いていました。
 異形の怪物は頭上を通り過ぎると、凄まじい速さで海に飛び込みました。
「まさか、あれがラボの研究資料にあった”ガーディアン第三段階”……!」
『なんだかわからねぇが、事態は深刻なようだな……。とにかく市民の避難が優先だ。手ぇ貸してくれ』
「は、はい。わかりまし……」
 ところが次の瞬間、”シャドウレイヤー”がアウストラリスの身体を通り抜けて行きました。
 発生源は前方に見える黄金の大型飛空艇ようです。瞬く間に、灰色の世界は海京全域を飲み込んでしまいました。
「……はっ! 刑事!」
『………………』
 非契約者である刑事は空間に適応出来ません。市民と同じように静止したまま、電話の向こうで行動不能に陥っているようです。
「どうしたら……!」

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 ・
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「……シャドウレイヤー!?」
 灰色の世界は天御柱学院普通科校舎、直下にある地球防衛の要”グランガクイン司令部”にも押し寄せました。
 遠藤 寿子(えんどう・ひさこ)はアイリから貰っていた魔法少女仮契約書を、大文字勇作(だいもんじ・ゆうさく)博士に突き付けます。
「大文字先生、これにサインを!」
「なんだこれは?」
「はうー、いいから早くコレにサインして!」
「なんだか知らんが連帯保証人になったりせんだろうな……?」
 気迫に負けサインをすると、ぼふんと煙に巻かれて、大文字はフリフリドレスの魔法少女に変身しました。
「な、なんじゃこりゃー!」
 40男の魔法少女には無惨さ以外なにもありませんが、間一髪、司令部がシャドウレイヤーに飲まれるのに間に合いました。
 それから寿子は先生にこれまでの経緯を説明しました。
「なるほど。教団の連中の狙いが、グランガクインだったとはな……。これまでの事件も奴らの仕業だったのか……!」
「……先生、グランガクインで、あのガーディアンたちを迎撃出来ないの?」
「言っただろう、動力がない。まだ指一本動かせん状態だ。迎撃など到底……ぬおおおおおおーーっ!!」
 突然、大文字が叫びました。
「ど、どうしたんですか、先生?」
「あ、あの飛空艇の下部に取り付けられてる爆弾……あれは、私が考案した”時空断裂弾””ビッグバン・ボム”ではないか!?」
「え、ええええーーーっ!!?」
 司令部の立体モニターに映った黄金の大型飛空艇を、大文字は指差しました。
 時空断裂弾とは空間そのものにダメージを与える破壊兵器です。
 ハンブシツとかブラックホールだとか、ヤバげな原理の元設計された兵器で、爆発するととにかく大変なことになります。
 そしてもうひとつ、ビッグバン・ボム。こちらは威力のみを追求した究極の殲滅兵器です。
 爆発すると時空断裂弾以上に厄介なことになり、おそらく海京は消滅してしまうでしょう。
「い、いやオカシイぞ。何故奴らがあれを……。まだ試作品もろくに出来ておらんと言うのに……」
「……そ、そうか!」
 寿子は気が付きました。
「あの人たち未来から来たって言ってたから、先生が完成させたものを未来から持って来たんだよ!」
「なんと言うことだ………………ぃよしっ!」
 わなわなと震えていた大文字は、いきなりガッツポーズをしました。
「やはり私の理論は間違っていなかったのだ! 見たか、私を馬鹿にした学会の青びょうたんどもめ!」
「そんな事言ってる場合じゃないよ、先生!」
「え、何が?」
「そのとんでもない兵器を向こうが持ってるんだよー!!」
「……ああっ!!」
「先生のばかばか! どーしてあんなオーバーキルな兵器作っちゃったんですかー!!」
 寿子はポカポカと大文字を叩きました。
「だ、だってカッコイイから……」
「……とにかく厄介な事になったようだな」
 司令部の入口が開き、天御柱学院生徒会長山葉 聡(やまは・さとし)と風紀委員の鈴木がやってきました。
 二人ともシャドウレイヤーに適応出来ていません。重くのしかかる重圧に耐え、辛そうに壁にもたれました。
「はわわわ……、だ、大丈夫?」
「俺の心配はいい。問題はあれだ」
 聡は震える指で飛空艇を指しました。
「やばいぜ。これで、イコンで迂闊にあの飛空艇に手出し出来なくなっちまった」
「ええ、撃墜でもしようものなら大変なことになります……」
 鈴木も同意します。
「遠藤……いや、魔法少女ポラリス」
「?」
「お前に頼みがある。アウトラリスと合流して、あの飛空艇に乗り込んでくれないか。撃墜する事が出来ない以上、中からシャドウレイヤー発生装置を止めるしかねぇ」
「身動きの取れない市民を救出するにはまず、シャドウレイヤー発生装置を停止させなくてはならないのです」
「危険な仕事だってのは承知しちゃいるが、この海京でお前ら魔法少女以外にまともに活動出来る奴はいねぇんだ」
「……わ、わかったよ! こっちは私たちに任せて。でも、会長はどうするの?」
「俺は……」
 その瞬間、激しく建物が……いえ、海京全体が揺さぶられました。
 モニターに表示された海京の全体図、その最下層にある海京を海底に固定する部分が、赤く点滅しています。
「俺はサクラとコームラントで出撃する。海京を沈めようとしてる海底の化け物をなんとかしないとな。すーさんはここに残って、先生と一緒に俺やポラリスのバックアップを頼む」
「了解です」
 踵を返した聡……ですが、また寿子のほうに振り返りました。
「悪いけど、その……魔法少女の仮契約書ってやつ、貰えるか?」

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 海京上空を飛行する黄金の大型飛空艇『ゴールドノア』
 飛空艇内の大きな部屋に集められたグランツ教の神官や信者は一様に不安な表情を覗かせていました。
「ううう、破滅だ。破滅の時がやってきたんだ! なんなんだ、あの化け物の群れは! もうダメだ! もうおしまいだ!!」
「世界が灰色に……。見て下さい。あの地上の人たちを。石のように固まったまま動きません……死んでしまったのでしょうか……?」
「だ、誰か、誰か助けてくれ!」
 同じグランツ教徒と言えど、全てが全て同じとは限りません。位の低い彼らはメルキオールの本当の目的など知らされていないのでしょう。
「何も恐れることはありマセン」
 メルキオールは彼らの前に立ち、言いました。
「ワタシ達には超国家神サマのご加護がありマス。現にあの怪物タチはこの船に攻撃をして来ないデショウ?」
「そ、そう言えば確かに……」
「それに、グランツ教の洗礼を受けた皆サンは、この空間にいてもなんともないはずデス。これも超国家神サマのお力デス」
 神官や信者たちは超国家神へ祈りを捧げ始めました。
「直、この空域から離脱シマス。それまで皆サンはこの部屋から出ないようお願いシマスネ」
 部屋の外には、たくさんのクルセイダー達がいました。メルキオールを前に、うやうやしく跪きます。
「マグス。予定通り第三形態のガーディアンを海底に向かわせました。海京が沈没するのも時間の問題かと思われます」
「宜しい。しばらくここに留まり、シャドウレイヤーを維持してクダサイ」
「はっ!」
 メルキオールは不敵に微笑みます。
「海京は多くの市民とともに太平洋に沈み、グランツ教の信者だけが神の奇跡により救われる。これでより教団の威光が増し、パラミタでの地位を確固たるものに出来るデショウ。ワタシ達の知っている歴史通りに……!」

担当マスターより

▼担当マスター

梅村象山

▼マスターコメント

マスターの梅村象山です。
いよいよ本シリーズも最終回となります。前回参加された人も、今回から参加される人も、どうぞよろしくおねがいします。


【今回のシナリオについて】


海京の地下は物資の倉庫のほか、空京とを繋ぐ軌道エレベーター『天沼矛(あめのぬぼこ)』の制御施設になっています。
海京は天沼矛を主柱とし、その周りに施設ブロックが建造されています。
この施設ブロックは桟橋状になっており、波に対し耐えるのではなく、受け流す構造になっています。
この桟橋構造を支え、海底に固定するため、メガフロート直下には無数の柱があります。
敵の目標はこの柱です。
この柱の大多数を破壊されてしまえば、海京崩壊はまぬがれないでしょう。

本シナリオにおける水中戦闘のルールを説明します。
移動タイプに『水中』がある機体は、能力を100%発揮できます。
移動タイプに『水中』のない機体は、能力を50%しか発揮できません。
また、ビーム兵器は水中では減退してしまうので使用できません。
実弾兵器のみ使用可能です。魚雷など、水中用の武器は効果的となります。
ただし、ガーディアンの使用する熱線砲『メギドファイア』は水中でも減退はほとんどないのでご注意ください。

クルセイダーの使う謎空間『シャドウレイヤー』では魔法少女以外は大幅に能力が減退してしまいます。
そのため、アイリは協力してくれるPCで、クラスが魔法少女ではない場合、
未来道具『魔法少女仮契約書』で一時的に魔法少女、もしくは魔法少女のマスコットにしてくれます。
仮契約書は簡易的に魔法少女やマスコットとなれますが、効果は一日しか持ちません。
また、契約書にサインすると強制的に魔法少女っぽい衣装になってしまうので、
恥ずかしい人はマスコットになることをお勧めします。
契約希望の方はアクション欄に【魔法少女になるよ!】【マスコットになるよ!】と書いて下さい。

また、風紀委員での実績のあるPCには【2022年度天御柱学院風紀委員】の称号が付与されています。
風紀委員として活動したい場合、称号を付けるようにお願いします。


【本シナリオにおける注意点です】

ダブルアクションについて、改めて説明します。
MCとLCの目的が別のアクション、目的が複数あるアクション。
これらはダブルアクションになります。この場合、アクションが一部しか採用されませんので、ご注意ください。

またシーンを複数に跨ぐようなアクションも限りなく透明な……じゃない、ブラックに近いグレーです。
ダブルアクション気味になってしまうので、ワンシーンで魅せるようなアクションにして貰えると助かります。

上記のシーン跨ぎ問題があるので、原則MCとLCの別行動を禁止とさせていただきます。

▼サンプルアクション

・海底にいるガーディアン第三形態と戦う

・飛空艇『ゴールドノア』に乗り込む・その1

・飛空艇『ゴールドノア』に乗り込む・その2

・海京から逃げる

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2012年11月13日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年11月14日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年11月18日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年12月20日


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