シナリオガイド
織姫にされてしまった女子生徒を助けるため、彦星達男子生徒よ、サルヴィン川を渡れ!!
シナリオ名:【2020年七夕】サルヴィン川を渡れ!? / 担当マスター:
みかん箱
――サルヴィン川流域。
七夕当日、シャンバラ地方で最も大きいこの川の流域に、七夕の物語を知る地球人とシャンバラ人が集まっていました。
シャンバラ地方に地球の文化が伝わって十年が経っており、シャンバラ人の中にも七夕やクリスマス、バレンタインといったイベントを楽しむ風習が広まりつつあります。
――もっとも。
英霊の彦星と織姫達夫婦はサルヴィン川を越えて再会し、熱く抱擁しあいながら一年ぶりの逢瀬を喜び合っています。
彼らだけではありません。聖ニコラウスの孫娘に聖ワレンティヌスなど、イベントを司る英霊達が存在しているため、シャンバラ人はこういったイベントを受け入れやすいとも言えます。
「彦星さんと織姫さん、会えて良かったね。あんなに嬉しそうで……」
2人の再会を見守る生徒の中に、小谷 愛美(こたに・まなみ)の姿もありました。
「織姫さんにとって彦星さんが『運命の人』なのよね。今年も七夕の短冊に『運命の人』と出会えるように書かないと。あ〜あ、マナミンにも早く『運命の人』が現れないかな〜」
「な〜にが運命の人よ。よくも余計なことをしてくださいましたわね!!」
愛美は胸の前で手を組み、「ほぅ」っと艶めかしい溜息を付きました。どうやら彦星と織姫の逢瀬にあてられてしまったようです。
そんな彼女の耳に、怒気を含んだ声が聞こえました。
振り返るとそこには、グラマラスな女性が腕を組んで立っており、彦星と織姫が去っていった後を憎々しく睨め付けています。
同性のマナミンですら目を見張る、「ボンキュッボン」という音が今にも聞こえてきそうなスタイルをした妖艶な美女です。特にその豊満な胸は圧巻の一言に付きます。
「彦星様があの女とお会いできなければ、彦星様の寵愛は全てわたくしのものなのに! 今年はサルヴィン川に住む魔物に逢瀬を邪魔させたというのに!」
「どうして、そんな『運命の人』を引き裂くようなことするの!?」
流石の愛美も、女性の所業を聞いて思わず声を荒くしました。
「どうして、ですか? それはわたくし、アルタイルが彦星様を愛しているからですわ」
「アルタイルさん?」
「わたくしは、彦星様にお仕えしている雌牛ですわ」
彦星は牽牛郎とも呼ばれ、牛飼いを生業としています。この美女アルタイルは彦星に飼われている雌牛の獣人のようです。
アルタイルはわし座のα星で彦星と呼ばれています。自分の星の名前を付けるくらい、彦星はアルタイルを大切にしていることが伺えます。
「彦星さんのことがとっても好きなら、今日くらいは織姫さんとの再会を邪魔しないであげようよ?」
「何を仰いますの!? 彦星様はあの女と結婚してから働かなくなったのですわよ!? ですから天帝様も天の川で隔てて引き離したのではありませんか!」
愛美の言葉にアルタイルは聞く耳を持ちません。
織姫のことを「あの女」と名前で呼ばないところを見ると、相当嫉妬しているようです。
「そういえば、彦星様とあの女を逢わせたのはあなた達でしたわね。ならあなた達もあの女のようにして差し上げますわ!!」
「え!?」
アルタイルが手をかざすと、愛美の身体を不気味な光が包み込みました。
「マナ!? マナ!? どこに行ったの!?」
しばらくして、パートナーのマリエル・デカトリース(まりえる・でかとりーす)は愛美の姿がないことに気付き、電話を掛けましたが繋がりません。
パートナー同士は電波に関係なく携帯での通話が可能なので、電話に出ないということは何か遭ったと考えられます。
サルヴィン川の岸に集まった生徒達の中を探しますが、一向に見つかりません。
その時、生徒達がざわつき始めました。何でもサルヴィン川の水かさが増しているというのです。
それだけではありません。彦星と織姫の逢瀬を見に来た女子生徒が、愛美同様消えているというのです。
「マナ達どこに行っちゃったんだろう?」
「あの女をお捜しかしら?」
繋がらない携帯電話を握り締めながら途方に暮れるマリエルに、アルタイルが声を掛けました。
「マナがどこにいるか知ってるの!?」
「ええ、もちろん。あの女は上流で機(はた)を織っていますわ」
「機?」
「あの女……いいえ、織姫に肩入れする女は全て織姫にして差し上げましたの。来年の七夕まで機を織り続けると良いですわ!!」
「そんな……嗚呼、マナ……」
アルタイルが指す方には、サルヴィン川の中州がありました。
そこには数十台の機織り機が置かれ、愛美を始め、女子生徒達が虚ろな表情で涙を流しながら機を織っています。
サルヴィン川の水かさが増したのは、愛美達織姫に変えられた女子生徒の流す涙が催涙雨のようにサルヴィン川に流れているからのようです。
それだけではありません。マリエルのいる場所から中州に行くには、どこからともなく大量な流れてきている笹飾りの合間を縫って川を渡り、中州の周りに現れた浮島の上を渡っていくしかないようです。
マリエルが守護天使の光の翼を発生させて飛ぼうとすると、いつの間にか多くのカササギがサルヴィン川の上空を飛んでおり、飛行の邪魔をしています。
「そうそう。中州に辿り着いただけではダメですわよ。織姫達を元に戻すのは彦星様の想いだけですから」
アルタイルは愉しそうにマリエルにそう告げました。
担当マスターより
▼担当マスター
みかん箱
▼マスターコメント
初めまして、この度『蒼空のフロンティア』のゲームマスターになりましたみかん箱です。
皆さんに楽しいシナリオやリアクションをお届けできるよう頑張ります。
よろしくお願いします。
このシナリオはキャラクタークエスト「恋人達の再会大作戦!」の後日談に当たります。
もちろん、「恋人達の再会大作戦!」を未プレイでも、学校に関係なく参加できますので、初めての方や初心者の方もお気軽にご参加下さい。
また、経験者の方は、初めての方や初心者の方が参加されましたら、アドバイスなどをしていただけますと幸いです。
このシナリオでは、彦星が飼っている雌牛アルタイルによって、織姫に変えられてしまった愛美達女子生徒を助けるのが目的です。
織姫に変えられてしまった女子生徒になるのは、「外見性別が女性」であることと「恋人達の再会大作戦!」で手に入れられるアイテムを1つ武装に装備することが条件になります。
外見性別が男性の方や、「恋人達の再会大作戦!」で手に入れられるアイテムをお持ちでない方は、申し訳ありませんが彦星の方にお回り下さい。
織姫達を助けるにはいくつかの難関があります。
・笹飾りの流れる川を渡る
・中州の周りの浮島を渡る
・織姫に想いを伝える
サルヴィン川は織姫達の催涙雨によって水かさが増しているので、泳ぎが得意でない方は元より、普通に泳げる方も注意が必要です。
また、浮島は川底に固定されているものと、単に浮いているものがありますのでご注意下さい。
なお、飛行能力をお持ちの種族の方は、飛んでいこうとするとカササギの集団にフルボッコにされます。
無事に中州に着いたら、元に戻したい織姫に想いを伝えてください。
この場合の想いは、恋人だけではなく友達などの友情でもOKです。
事件が無事に解決すれば、サルヴィン川の岸辺で七夕を祝えますが、その前にアルタイルもどうにかしないといけませんね。
なお、使いたいアイテムやスキルがある場合、「武装」に装備してください。
リアクションで使用できるアイテムやスキルは、「アクション投稿時」に「武装」や「スキル」に装備しているものです。
「服装」のアイテムは反映されませんので装備の間違いと装備箇所にご注意ください。
▼サンプルアクション
・彦星役になってサルヴィン川を渡る
・織姫役になって救出されるのを待つ
・アルタイルに協力する
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2010年07月08日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2010年07月09日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2010年07月13日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2010年07月27日