朝の光を受けて、つやつやと大粒の苺が輝いています。
今年もポージィおばさんの苺畑は大豊作。瑞々しく熟れた苺は甘い香りを放ち、今が食べ頃だと呼びかけてきます。
「こんにちは。今年も寄せていただきましたわ」
この季節、いちご大福を作るのが習慣の白鞘 琴子(しらさや・ことこ)は、小さな籠を腕にかけてポージィさんを訪れました。
去年訪問した時には、ポージィさんはうかない顔をしていました。
持病の腰痛がひどくなって、苺の出荷が出来ないことを気に病んでいたのです。
今年はどうなのだろうと心配してやって来たのですけれど、それを迎えてくれたポージィさんの顔はとても明るいものでした。
腰の調子も良く、苺は豊作。
毎日、生き生きと働いているとの話に琴子もほっと胸をなで下ろしました。
「それなら今年は心配ありませんわね」
「ええ。けど、去年があんまり楽しかったから、今年も苺狩りと、それからスイーツフェスタにも出店してみたいと思うの。また生徒さんたちにお手伝いを頼めるかしら?」
手伝ってくれた人には苺摘み放題のお土産つきで、とポージィは琴子に頼むのでした。
そしてまた今年も、琴子によって蒼空学園に2枚の張り紙がされました。
―――苺狩りのおしらせ―――
今年もポージィおばさんの苺畑にて、苺狩りを開催いたします。
甘くて大粒の苺が食べ放題。
食べきれなかった分は、別料金でお持ち帰りも出来ますわ。
ぜひ、ご参加下さいましね。
―――スイーツフェスタのお手伝いをしてくれる方募集―――
スイーツフェスタに出す為の、苺を使用したお菓子を作ってくださる方、
あるいは、スイーツフェスタで苺のお菓子の販売を手伝ってくださる方を募集しています。
お菓子作りが得意な方、販売が好きな方、ぜひお手伝い下さいませ。
お手伝いの御礼に、新鮮な苺を摘んでお持ち帰りいただけますわ。
ただ、販売される方につきましては、スイーツフェスタ指定の制服を着ていただくことに
なりますので、ご了承くださいましね。
今年はピンクのワンピースに白のエプロンドレスですわ。……サイズは各種取りそろえて
あるそうですけれど……制服はこの1種類のみだそうですの。
興味をもたれた方は、
蒼空学園 白鞘琴子 まで――