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【ぷりかる】出会いこそが願い?

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シナリオガイド

石と人と迷い歩くモノ
シナリオ名:【ぷりかる】出会いこそが願い? / 担当マスター: 夜月天音

 イルミンスールの街角、石専門店『ストッツ』、只今閉店中。

「あ、おばちゃん。お帰り!」
 エプロンを付けたシャンバラ人の5歳の少女が入って来た25歳ぐらいの同じくシャンバラ人の女性を迎えました。
「ただいま、キーアちゃん」
 キーアの母親の妹でこの店の経営者であるホシカが笑顔で言いました。よく見れば両腕包帯だらけです。
「そのお姉ちゃんは?」
 キーアはホシカの後ろにいるグィネヴィア・フェリシカの姿を発見しました。
「お客さんのグィネヴィア・フェリシカちゃんよ。この子は私の姪のキーアよ。今日は店に遊びに来ているんだけど」
 ホシカは、二人の自己紹介を済ませました。
「……お客さんって石を買いに来たの?」
「そうですわ」
 グィネヴィアはキーアの言葉に淑やかにうなずきました。
「……絶対に叶う訳じゃないと説明はしたのだけど。学院で叶った人の話を聞いて真に受けたみたいで。冗談も入っていただろうに」
 ホシカが困った顔をしていました。
「……皆様に勧められまして」
 グィネヴィアは学院で聞いた話題を思い出していました。皆楽しそうに話し、グィネヴィアも手に入れたらと勧められたのです。
 手に入れたいと思った時に実験用の特殊な石を届けに来たホシカに出会ったのです。
「……私、用事があって人に会わなくちゃいけないから悪いのだけの少しだけ待っててくれる? すぐに戻って来るから。石を片付けに人が来たらレジ横にあるから。それ以外はドアを開けなくていいから」
 ホシカは二人に言いました。彼女は数週間前に持病と過労で死去した同業者が作製した商品を片付けていたのです。職人の親族に頼まれたためです。その職人とは意見が合わず、それほど親しくはなかったのですが、なぜだか手伝う事になったのです。
「分かった」
 キーアは力強くうなずきました。
「石には触らないようにね。何が起きるか分からないから」
 ホシカは注意をしてから店を出て行きました。ちなみに彼女の包帯は石片付け時に受けたものです。

 ホシカを見送ってから
「……お姉ちゃん、幼稚園で読んだ絵本に出てたお姫様みたい」
 キーアはじっとグィネヴィアを見ながら楽しそうに言いました。
「……ありがとうですわ」
 グィネヴィアは笑顔で礼を言いました。
「お姫様のお姉ちゃんにアタシのコレクション見せてあげる」
 キーアはそう言って床に置いてあるリュックから四角い缶を取り出しました。
「……?」
「じゃーん!! 冒険で手に入れた物だよ!」
 グィネヴィアが見守る中、キーアが缶のふたを開けました。中にはキーアが冒険と称して様々な場所を歩き回った先で見つけた石や押し花やガラス玉などが入っていました。
「冒険? キーア様は冒険家様ですか」
「そうだよ! そう言えば、おばちゃんが、素敵な石を手に入れてたのを思い出したよ。持って来てあげるね」
 グィネヴィアの言葉に嬉しくなったキーアは叔母が最近仕入れた商品を思い出し、缶をリュックに片付けてから店の奥に行ってしまいました。

 グィネヴィアが取り残された時、ノック音が響きました。
「……? ホシカ様に頼まれた方でしょうか」
 グィネヴィアが近付くとドアの向こうから青年の声がしました。
「……ここに数週間前に亡くなった職人の石があると聞いた。私は知り合いだ。処分はやめようと思って来たんだ。開けてくれ!」
 必死な青年の声がし、ノック音が激しくなります。
「……そうでいらっしゃいますか」
 知り合いと聞いて警戒を解いたグィネヴィアはドアを開けてしまいました。

 グィネヴィアがドアを開けた途端、
「貴方は何かしら願いや果たしたい目的があると見える。どうだろう、叶えてあげようか」
 青年はじっとグィネヴィアの目を探るように見ました。
「……」
 グィネヴィアは青年の誘いに乗るのかどうか決めきれないでいました。
「……この店の主にも頼まれた事だ」
 グィネヴィアのなかなか決めない様子に業を煮やした青年は明らかに嘘事を口にしました。
「そうでいらっしゃいましたか」
 人を疑わないグィネヴィアは安心した表情となり、そのまま青年について行ってしまいました。

「……お姉ちゃん、これだよ。お姉ちゃん、どこに行くの? ダメだよ」
 店の奥から石の入った箱を持ってキーアが現れました。店を出て行くグィネヴィアに慌てて箱をレジに置いて店を出てしまいます。

 通り。

「お姉ちゃん! お姉ちゃん! どうしよう。分からなくなったよ」
 キーアは必死に追いかけますが、途中で見失って立ち止まり、きょろりと周辺を見ます。
「……あ、石だ。わぁ、お姫様のお姉ちゃんの目の色と同じだー」
 周囲を見回し終わったキーアはふと地面に落ちている美しい水色の石を拾い、かざしました。
 途端、キーアは目に違和感を感じたのか手の甲でこすり始めました。
「……何か目がチカチカするよ」
 こする動作は次第に緩慢になり、そしてその場に倒れしまいました。

 石専門店『ストッツ』。

「ただいま。あれ、キーアちゃん! グィネヴィアちゃん!」
 何も知らないホシカは空っぽの店に戻るなり驚き、声を上げながら店内を捜し回りました。

 捜し回った後、
「……いない。リュックがあるって事はキーアちゃんは冒険には行っていないし、グィネヴィアちゃんが勝手に帰ったとは思えない。どこに行ったんだろう。何か嫌な予感がする」
 ホシカは、床に置いてあるキーアが冒険の度に持って行くリュックが残されている事に気付きます。表情はとても険しくなっています。
「石も失敗作数点と死に際まで作っていた石も無くて身内も知らないみたいだし」
 ホシカは思わずつぶやいていました。今日の用事とは処分を引き受けた石についてで死去した同業者の親族と会って足りない石について話していたのです。

「……全ての人の願いを叶える石を作れば、世の中平和になる、か」
 ホシカは故人となった同業者とした数度の口論を思い出していました。故人は、失敗作を捨てずに残し、それらをリスト化するほどの研究熱心な青年だったのです。
「そんな訳あるはずがないし、人が作るには手に余る事なのに。もし、最後の石が成功していたら。そんな事よりも少ししたら人も来るし、二人を捜すのも手伝って貰うしか」
 ホシカは、来るだろう人を今かと待っていました。

 故人となった職人の店、居間。

「……願いとは何かどうしてその願いを持ったのか。私は何をすればいいのか。どんな願いもすぐに叶える存在になるにはどうすれば……」
 ソファーに座った青年は向かいに座るグィネヴィアに訊ねました。グィネヴィアの願いや目的を果たすつもりは全く無い様子で。
「……どうかされましたか」
 グィネヴィアは小首を傾げながら青年に訊ねていました。

担当マスターより

▼担当マスター

夜月天音

▼マスターコメント

 はじめまして、またはこんにちは【ぷりかる】グィネヴィアのシナリオを担当させて頂く夜月天音です。
 今回は、亡き石屋の残した物が騒ぎを起こす事となりました。通りで倒れているキーアを助けたり石の処分を手伝ったりグィネヴィアや足りない石の行方を追って下さい。
 手伝いへの経緯は、ホシカの依頼を受けたというだけではなく、たまたま通りで見かけたり買い物をしに来て閉店に驚き、不審に思ってでも構いませんので何とか事件を解決して下さい。

【石について】
・気絶したり大火傷や幻覚、危険な煙や獣が出たりなど考えられるだけの異常を処理する相手に起こさせます。
 願いを叶える石の失敗作であるため何かしらの願いや目的を抱いているとそれに反応し、真っ先にやられます。そのようなものがなければただ
 の石です。対策を立てていれば問題は無いはずです。

・キーアが拾った石も探し物の一つです。その他にも街に転がっている可能性があります。

【青年について】
・グィネヴィアに危害を加える事は考えていません。ただ、悩みを話すだけです。彼自身が職人が最期に作り上げた石であり、職人のどんな願いも
 すぐに叶える石を作りたいという願いを叶えようと形を得たものです。そのために人の心を知ろうとしているだけです。

・外見は、亡くなった職人の姿です。

▼サンプルアクション

・キーア捜索

・グィネヴィアの捜索

・石探しと処理

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年08月20日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年08月21日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年08月25日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年09月05日


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