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リアクション
☆10・最後の戦い☆
ここからは総力戦だ。
西
御剣 紫音(みつるぎ・しおん)
アルス・ノトリア(あるす・のとりあ)
ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)
シルヴィア・セレーネ・マキャヴェリ(しるう゛ぃあせれーね・まきゃう゛ぇり) しゃち
グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)
コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)
戦部 小次郎
影野 陽太
ケーニッヒ・ファウスト
そして、団長
東
四方天 唯乃(しほうてん・ゆいの)
ソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)
如月 玲奈(きさらぎ・れいな)
牛皮消 アルコリア(いけま・あるこりあ)
シーマ・スプレイグ(しーま・すぷれいぐ)
ナコト・オールドワン(なこと・おーるどわん)
セシリア・ライト
両山葉は既に力尽き、応援に回っている。
応援席では最後の応援に熱が入っている。
☆東チーム
「イーシャン、ファイトだぜーっ!」
「ゴーゴーイーシャン! 頑張れ頑張れイーシャン!」
声を張り上げているのは、応援に回った雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)だ。ベアはベンチにいたミツエを引っ張り出す。
「最後の応援だ、みんな声を合わせていくぜ」
「イーシャン、ファイトだぜーっ!」
「ゴーゴーイーシャン! 頑張れ頑張れイーシャン!」
ベアは、先ほどから交代やタイムアウトで戻ってきた選手にタオルや飲み物を渡したりしている。
ご主人のノアがいつになっても戻ってこないのを気にしていた。
「それにしても、試合終了間際の同点で出場なんて、ご主人、大丈夫かぁ」
ベアは心配を紛らわすかのように、大声を上げる。
ベアの必殺サポートは、「絶妙に息の合った応援で味方全体の士気を大きく上げる」というもの。
しかし、既に、応援席を含め、皆の心は一つになっている。
☆西チーム
天御柱学院の綾小路 風花(あやのこうじ・ふうか)は、神矢美悠が演奏する応援歌を聞きながら心配そうだ。
「紫音、アルス…大丈夫どすかなぁ」
最後に温存された戦力だけあって、最終メンバーはみな強者が揃っている、ように風花には見える。
「紫音、油断したらあかんどす」
精神感応で、風花は紫音に語りかける。
応援歌の声は次第に大きくなる。風花は紫音の心を聞き逃さないよう、そっと目を閉じた。
ボールは、セシリアが持っている。そのセシリアを追うのはケーニッヒ・ファウストだ。先ほどゴールキーパーを務めたが、すぐに鷹村 真一郎と交代したため、疲労が少ない。
「選手交代のタイミングは重要だ。オレが必要とされる時までベンチで待機しておこう」とケーニッヒはベンチで傷ついた選手のサポートを中心に動いていた。
今の役割も同じだ。金団長からの支持は、「メイベルの体力を奪え!」だ。東チームは戦力が少ない。余力のある選手をつぶすことがケーニッヒに課せられた任務だ。
「やっぱり体力勝負か」
セシリアはケーニッヒを避けるために、水中に潜ったり左右にぶれたり体力を消耗しつつある。
同じ東チームの四方天 唯乃がメイベルを追いかけてきて、ケーニッヒを抜きさる。
その瞬間、唯乃は恐れの歌を歌っている。ケーニッヒが怯んだ瞬間を狙って、唯乃はメイベルの後方へ回った。
「援護するね」
唯乃は、水流に乗せて吹き矢の針を飛ばす。ケーニッヒはプールの側面を利用して針をさけ、まだも追ってくる。
メイベルは水中に潜った。目の前にはソア・ウェンボリスを見る。なにやら合図をしている。スライダーの入り口だ。ソアは浮上するとそのままスライダーに入っていく。
メイベルとケーニッヒ、お互いを牽制しながら、スライダー入り口までやってきた。
その瞬間、メイベルがボールを唯乃に渡す。唯乃がスライダーに吸い込まれる。
メイベルは、入り口をふさぐように、水の流れに逆らって仁王立ちした。
「鬼ごっこは終わりにしようよ」
メイベルが、振り向いたとき、ケーニッヒの姿はなかった。
ソアは、小さな身体を活かし、スライダー内の曲線に留まっていた。必殺技の発動である。唯乃はスライダー内でソアにボールを渡し、先にスライダーから飛び出した。
ソアも水の流れに乗って全力で加速する。
勢い良く、スライダーから飛び出すソア。
そのソアの上にはギャザリングへクスで強化した氷術でサーフボード状の氷に乗って、スライダーの上を滑り降りてきた玲奈がいる。
先に出た唯乃を盾にして、ソアと玲奈は、共に、真一郎が守るゴールへと向かう。
どちらがボールを持っているのか。
瞬時のパスでボールを受け取った玲奈がゴールへ放つ。
ボールはゴールへと向かう手前で、急に向きをかえる。
ボールを手にしたのは、コハク・ソーロッドだ。飛んできたボールを、サイコキネシスで自分の手元に誘導したのだ。
コハクはボールを、団長に、渡した。
「まずは肩慣らしだ」
金団長は、ボールを抱えると見事な泳ぎで水流に乗る。
「団長!」
団長とボール守るように戦部と陽太がスピードを上げて前後を泳ぐ。
ゴールを目指し一列に泳ぐ三人はスライダーに突入する。突然、刀が襲いかかる。待っていたのは、牛皮消 アルコリアだ。
「二本の細腕しか付いてませんが、懸命に相手させて貰いますね」
「相手が違うわよ」
アルコリアの足を誰かが引っ張った。
そのまま、スライダー出口まで引き出される。相手は、ローザマリア・クライツァールだ。
続いて団長が降りてきた。
ここは、東チームゴール前だ。
美央は、無表情だが青ざめた顔でゴールを守っている。
「ごめんね、負ける気はしないわ。我等が星条旗が其処に翻っている限り、ね」」
ローザマリアはプールサイドに自ら取り付けた星条旗をみやる。
金団長が、その鋭い瞳を、ローザマリアに向ける。
「これって、相手全員を打ち倒してからゴールを何点分入れられるかって競技ですよね?勝負の行方はここで決まりそうですね、頑張ります」
アルコリアは、シーマとナコトを呼び寄せる。
ローザマリアの背後には、グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダーがいる。
ゴールの前には、アルコリアら。
その右に金団長、左にローザマリア。三竦みの状態だ。
ボールは団長が持っている。残り時間は後1分。ゴールを割れば終了。割らなければ延長戦だ。
シルヴィア・セレーネ・マキャヴェリは、シャチの姿に変わってプール内を泳いでいた。スライダーはさすがに通れない。
御剣 紫音は、援席の風花から精神感応で、シャチが自分達に近づいていることを知らされる。
「アリス…」
紫音は、共に泳ぐアリスに耳打ちする。
「…じゃのう、力を合わせてみるかのう」
紫音は、天御柱学院に通う超能力者だ。
ゴール頭上、10メートルの高さからシャチが落ちてきた。
その上には、紫音が乗っている。
金 鋭峰、大いに笑う。
その笑い声に皆が驚いたとき、金団長はボールを高らかに投げた。
サイコキネシスを使って紫音はそのボールを引き寄せる。
シャチであるシルヴィアは、その口でボールを受け止めた。紫音と共にゴールに飛び込むシルヴィア。その水圧に皆が飛ばされる。もうサイコキネシスは必要なかった。ゴールに入ったシルヴィからボールが落ちる。もちろん、ゴールである。
試合終了の笛が鳴り響く。
4対3。
西シャンバラチームの辛勝である。
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