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地球に帰らせていただきますっ!

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地球に帰らせていただきますっ!
地球に帰らせていただきますっ! 地球に帰らせていただきますっ!

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 休日ショッピング 
 
 
 これがパラミタに行って以来はじめての帰省。そしてはじめてパートナーを同伴する、地上への旅。
 感慨深く地球に降り立ったネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)は、パートナーの御神楽ヶ浜 のえる(みかぐらがはま・のえる)を伴って横浜にある高級住宅地にある屋敷へと向かった。
 せっかくだから水無月 瑠璃羽(みなづき・るりは)も一緒に、と誘ったのだけれど、瑠璃羽も瑠璃羽でこの期間は自宅に戻るのだということで、今回地球にはネージュとのえるの2人でやってきた。
「ここが地球? ボク、パラミタから下界に降りるの、はじめてだよ」
 パラミタとは違う町並みに、のえるは目を輝かせっぱなしだ。
 自分もはじめてパラミタに行った時には、見るものすべてが物珍しくて、目が回りそうだった。のえるもきっとそんな気分を味わっているのだろうと、ネージュは微笑ましく見守る。
「あとでお買い物に行こうね」
 パラミタにもいろいろなものがあるけれど、地球のお店だって負けていない。のえるに地球でいろいろなものを見せてあげよう、瑠璃羽にはお土産を買っていってあげようと、ネージュは思うのだった。
 
 
「お帰りなさいませ、お嬢様。お空の大陸はいかがでしたか?」
 屋敷に帰ると、フラン・プリムローゼがにっこりと笑顔で迎えてくれた。クリーム色のショートヘアはセンターパート。後頭部に大きな瑠璃色のリボンをつけているのがぱっと目を惹くアクセントになっている。
 フランはネージュが日本に来る際、一緒に来日したネージュのお世話係だ。フランの両親もフロゥ家に仕えており、その為、ネージュとは小さな頃から一緒に過ごすことが多く、姉妹のような間柄だ。
「ただいま。フランさんは会うのははじめてだよね。パラミタでのあたしのパートナーののえるだよ」
 ネージュが紹介すると、フランはのえるに丁寧に挨拶した。
「いらっしゃいませ、のえる様。お待ちしておりましたの」
「よろしくね。ボク、いっぱいいっぱいネーマスターのことを知りたいんだ。フランもネーマスターのこと、いっぱい教えてね」
「はい。お嬢様のことは小さい頃から知っていますもの。何でもお教えしますの」
「何でも、はちょっと困るかな」
 2人のやり取りにネージュは笑うと、フランに尋ねる。
「お父様とお母様は?」
「旦那様はお仕事が忙しくて、帰省中に会うのは難しいとのことですの。奥様は夜には帰っていらっしゃるそうですの」
「そうなんだ……お父様もお母様も忙しい人だもんね」
 それでも母親には挨拶できそうで良かった。今夜は母にのえるを紹介して、パラミタでの話をたくさんしよう。そんな風に思っているネージュの手から、フランは帰省の荷物を受け取り部屋へと運び出す。
「お嬢様、お荷物お運びいたしますの。お部屋で少し休憩したら、お買い物に出かけてはいかがかと思いますの」
「うん。あたしも買い物に行こうと思ってたんだ」
「旦那様と奥様からお嬢様宛のお小遣いをお預かりしていますの」
「ほんと? 嬉しいなっ」
 久しぶりに大好きなブランドショップに行って、新作の服が見てみたい。
 休憩もそこそこに、ネージュはのえるとフランと共に買い物に出かけた。
 
 道中、のえるに街にあるものを説明しながら店に行くと、ネージュはさっそく服を見始めた。
 店の中を埋め尽くすレースとフリル。
 ロリータファッションのブランドショップは、ネージュのお気に入りだ。
「いいな。これ買っちゃおうかな」
「お嬢様、こちらの限定品も素敵ですの」
「限定品? これも試着してみようかな」
 どれもこれも好みの服ばかりで、ネージュは次から次へと試着しては、買うと決めた服をフランに持って貰う。
「うわぁ可愛い。見て見て、こういうののえるに似合うんじゃないかな」
「こういうの、破っちゃいそうだからボクはいいよ」
 元気っ子ののえるにとっては、ひらひらした服は汚しそうで怖い。
「こういうのも着てみるのもいい経験になると思うよ。いいからちょっとだけ試着してみて」
「ネーマスターがそう言うなら……」
 同年代の女の子でするショッピングは楽しい。
 あれも可愛い、これも素敵。
 買い物の戦利品はどんどんと増え続けるのだった。