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【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編

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 第5章 そして変わる未来

■□■1■□■ ラズィーヤとの交渉

沼地近くの高台にて。

現在・橘 舞(たちばな・まい)は、
ラズィーヤにレジスタンスとの交渉に応じてくれるよう依頼し、使者に志願していた。
「武装蜂起が起きてしまいましたけど、いつまでも争っているのはよくないです。
レジスタンスの人たちも、平和的な解決を望まれてますから。
小ラズィーヤちゃんの未来の為にもお願いします。
国の為に、民の為に何かをしたいって思っている人はたくさんいますよ。
その人たちと力をあわせれば、きっとよくなります。
そういえば、確かヴァイシャリーって二院制ですよね。
上院はヴァイシャリー家を含めた貴族、
下院は選挙で選ばれた市民の方達で構成されてるんですよね。
最終決定権はヴァイシャリー家にあるみたいですけど、
解散総選挙でもすればいいですよ。
皆仲良くですよ」
「ええ、よろしいですわ。
わたくしも、いつまでもこの状況が続いていても面白くありませんもの。
これから、もっと面白いことを考えますわ☆」
ラズィーヤは、笑みを浮かべた。
「わかってくださったんですね、よかった」
現在・舞は、ラズィーヤの発言の黒い部分には気づかず言うのであった。

★☆★

一方、未来・舞も、レジスタンスとの交渉の場に赴こうとしていた。
「レジスタンスは交渉を望んできました。
静香が元に戻れば、ラズィーヤ様が全権を掌握して交渉も可能でしょう。
増長した十嬢侍に失政の責任を取らせて、
政治から遠ざけるのは悪い選択肢ではないですわ。
蟄居謹慎させましょう。……カニ部屋送りという意味ではなく。
あのオカマたちは正直目障りでしたし。
ただ、下手をすればレジスタンスに加担していると思われかねません」
「大丈夫よ、舞。このシナ、コメディーだし。
てきとーでいいって。ったく、ほんと舞は私が居ないと駄目ね」
未来・舞は、ロケットを見つめる。
ブリジットの根拠のない自信に満ちた声が聞こえた気がした。
「てか、何で私死んでるのよ?」
「賞味期限の切れたカエルパイを食べちゃって……」
「え〜、ちょっとせめて、ドリルの悪政に立ち向かう解放運動の闘士として、
戦いの最中に凶弾に倒れたとかドラマチックな設定にしてよ」
「それだと私がラズィーヤ様の側近という設定と矛盾しちゃうじゃないですか。
もう、ブリジットったら……」
そこで、未来・舞はふと我に返る。
「あれ?
えっと、私は今何をしていたのでしょうか?
あ、そうです、レジスタンスの皆さんがラズィーヤ様と話し合いたいんですよね。
いいことだと思いますよ。
争いはよくないです。皆仲良くですよね。
過去の私と一緒にラズィーヤ様に交渉に応じてもらえるように話してきます。
じゃ、ちょっと行ってくるね」
ロケットの中のブリジットにそう言った未来・舞は、
昔のような純粋さを取り戻していた。