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第九章 ヴァルキリーの復活

「おかえりなさい!」

 愛川 みちる(あいかわ・みちる)が薬をもらってきた一行を出迎えた。

 クリスはつばさの見守る中、薬の実験体になった。

 ユメの情報で本物だとは聞いたが、やはりどこか心配だった人々は、クリスの翼から黒い部分が消えていくのを見えて安心し、それぞれのパートナーに飲ませ始めた。

「良かった、ありがとうございます!」

 阿部 孝浩(あべ・たかひろ)は可憐から薬を受け取り、エドに与えた。
 エドはよほど疲れたのか、一度だけ目を開き、また眠ってしまったが、先送りになっても、告白の機会が残ったことを孝浩は喜んだ。

 待田 イングヒルト(まちだ・いんぐひると)もエレオノーレに薬を飲ませることができ、熱の下がったエレオノーレを見て涙を流した。

 有栖川 珠桜(ありすがわ・みお)の親友のティフォーネの羽根も白く戻っていく。

「さ、これを」
 
 アレッサンドロ・ヴィスコンティ(あれっさんどろ・びすこんてぃ)もフィオーレに薬を飲ませ、目を開いた彼女に安堵した。

「本当に……本当にみんなありがとう!」

 香川成美もパートナーに薬を飲ますことができ、みんなにたくさんの感謝をした。

 ヴァルキリーをパートナーに持つ人たちは、それぞれ薬をもらい、飲ませて行った。

 助けられた守護天使たちは、後遺症がないかチェックされ、僧侶たちのヒールを受けて体を休めた。

「良かった……ですね」
「ん、良かった」

 看護に奔走した花薙 雲丹(はななぎ・うに)黒田 神無(くろだ・かんむ)は喜び抱きあうみんなを見て、顔を見合わせて微笑んだ。

「パートナーって大事なものですね。それと、それぞれの仲間も。こうやってまたいつか協力して何かができるといいです」

 薔薇の学舎の優しい少年は、緑の瞳に柔らかな光をたたえて、協力しあえたみんなを見つめるのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

井上かおる

▼マスターコメント

今回は初心者シナリオにご参加頂き、ありがとうございました。

皆さん初めてにも関わらず、上手にアクションをかけてくださり、大変ありがたかったです。

さて、以下は初心者向けシナリオということで。ご案内です。

今回、決め台詞も自由設定もない方が、かなり多くおられました。

自由設定と決め台詞を入れてみましょう。特に自由設定は大事です。

自由設定には、項目で決めたものを膨らませたり、追記を入れたり、が楽かと思います。
例えば性格1が「臆病」でも「友達やパートナーのためなら勇敢さを発揮する」と書くと変わりますし、外見1が「少女趣味」とかなら「フリルの服が好き」など書くとキャラの個性が出ます。
他は「授業をいつもさぼってる」とか「プラモ作りが好き」とか、学校での態度や趣味などもいいかと思います。

剣の花嫁がLCの方は、マニュアルを読んで、光条兵器を一つ指定してください。
大きさや形などは比較的自由ですが、どんなにすごい設定でも、強さは同じだと思ってください。また、光条兵器での二刀流はできません。

なお、自由設定での過去の立場や特殊な能力はあくまで【自称】と思ってください。
アクション上、それをもって有利になることはありません。

例えば「自分は超能力がある」「実はこの世界を見守る全能の神である」などと書いて、それを元にアクションを行っても、リアクションでは認められません。スキルにない力はないと思ってください。

また、「かつて軍の将軍だった」という設定であっても、それを理由に人を指揮する立場にもなれません。
もちろんレベル差を理由に上に立つこともできません。

人が人を指揮できるのはGAなどでMCが集団を作り、その中心人物を集団の人たちが隊長扱いしている場合に限ります。

『あの人は他の人と違う能力がある』『この人の部隊に入りたい』と思われるのは、リアクションや交流で示してください。そうすれば自ずと認められるようになります。

先生とかの設定はOKですが、ただし、上記同様、先生の立場を利用して生徒を使うようなアクションはNGです。先生だから生徒の盾になる、などはOKです。

また、自由設定で「●●を持っている」などは学生が持っていてもおかしくない範囲内にしてください。
例えば「芸人キャラだからいつもハリセンを持ってる」とかならいいですが、「自分の靴には麻酔銃が仕込まれてる」などと書いて、それを元にアクションをかけるのは認められないと思ってください。

今回はアクションがだいぶ短い方もいましたが、書くことが思いつかなければ、台詞等を入れてみましょう。

スキルを使う際の言葉として、ヒールするなら「大丈夫ですからね、僕は微力ですけど、でも少しでも楽になれるようにがんばります!」とか、戦いならば「俺に向かってくるとは上等だ!」とか。

一人称、二人称、口調は設定がありますが、「普通の男性口調」であっても、意外と違いますので、台詞が入っていると参考になります。また、「あなた」という二人称でも、「〜さん」と呼ぶのか、呼び捨てにするのかなども台詞で現れます。

決め台詞はリアクションに執筆して欲しいものだったり、自分の性格を表すものだったり、になります。

アクション投稿時のものが反映されますので、シナリオごとに変えるのもありです。
また、自由設定も書き直せますので、リアクションが戻ってきたりしたら追加・変更というのも良いでしょう。

と、さらにもう一つ。人がたくさん関わるゲームならではの話を。

このゲームではPCに敵対することも認められています。
レースなどの競い合うものなら妨害などもありでしょう。

それらは『悪意に基づいての特定個人への妨害・攻撃』以外はやって良いと思って構いません。

例えば今回はいませんでしたが、「自分はリンスレット側に付くぜ!」でも大丈夫です。それはロールプレイの一環でもあるのです。

そして、キャラはキャラ、PLさんはPLさんです。

ロールプレイで対立することも、思惑とは違ってPCの邪魔をしてしまうことも起きるかもしれません。

それはあくまでキャラクターの行動であり、そして、マスター側も認めて描写している以上、それは「ルール違反」ではないのです。

それをキャラクターレベルで怒るのはロールプレイとして良いと思いますが、後に残る掲示板などにそれを書きこむことは、上に書いた特定個人への攻撃になるだけでなく、自身のそういった行動も人に見られているということは忘れないでください。

ネットは即座に動けるのが良いところですが、だからこそ、一呼吸して、何か反射的にしてしまう前に、1、2日考えましょう。

1、2日考えるのはアクションもそうです。
夜中に書いて、朝になって見てみるとってのは良くあることです。

アクションと言えば、シナリオに当選したら、まずはとにかくサンプルアクションそのままでもいいから送ってしまう癖をつけましょう。
そうしておくと、白紙アクションでボツという事態は避けられます。

なお、今回は、称号をつけることも、個別のマスターよりを書くこともしていません。

称号などは今後、皆さんが各シナリオで活躍してもらってください。

ただ、称号も個別のマスターよりも今回のように、ないのが普通と思ってください。
リアクションこそがメインの結果なのです。

最後に。今回はパートナーがいなくてもある程度の描写をしましたが(事前に説明がなかったですし)、通常の場合はパートナーが関わる場合はパートナーの参加が必要です。
LCの参加でシナリオの楽しみも広がりますので、次のシナリオにはぜひLCも誘ってみてください。

それではまた新たなシナリオで皆さんにお会いできることを楽しみにしています。
今回はご参加下さり、ありがとうございました。