なし

リアクション

終章　――打ち上げの一風景――


「今日はずっと手伝ってくれてありがと！」
　空京某所、パーティの片付けも全て終えた運営スタッフの面々は、打ち上げに来ていた。
「いやー、わざわざ手配してくれてありがとね！」
「そんな、せっかくの機会だから、みんなでこうやって交流を深めるのもいいと思って。ほら、せっかく繋がりが出来たんだからね」
　打ち上げを手配したのは、正悟だった。パーティの最中、自分の仕事に余裕が出た隙に、この場所を確保したのだ。
「パーティ、成功して良かったよ」
　彼はさりげなく微笑みかける。
「ほんと、無事に終わってよかったですぅ」
「コンサートも、最後にあんな演出考えてたなんてね。機材足りなくなんないか、確認するの大変だったよ」
「それよりも、あれだけあった食材が最終的になくなったのは、びっくりだったな」
　メイベル、沙幸、涼がそれぞれの感想を口にした。
「あれは、あたしじゃないよー。出演者同士でやろうかって言い出したみたい。それに、食材が無くなったのは、何人か大食漢がいたせいだよ。タダだからって、ほんと容赦ないんだからー」
　主催者にとって、その二つは予想外だったようだ。
「あの……ステージに乱入した方や、あの男の人はどうしたのでしょうか？」
　瀬織が尋ねた。
「パーティ成功したから、不問だよん。お咎めなしで帰したよー」
　ほっと一息つく。それは安堵というより、どこかきまぐれなエミカに呆れているようでもあった。

「まさかキミがちゃんとやり遂げるとはね。ボクはその事がびっくりだよ」
　その会場へ、今回の最大の被害者かもしれない、司城　征が顔を出した。
「先程、道中で会った方から聞きましたよ。楽しいのは構いませんが……やり過ぎです」
「リヴァルトさん！」
　さらにリヴァルトまで現れた。
「まったく、二人とも遅いよ！　リヴァルトはどうして怪我なんかしてるの？」
「最近の子供は元気が良いんですよ。ほんとびっくりするくらい、ですよ。おかげでその辺で転んでこの様ですよ」
　彼はなぜか全身に小さいながらも、複数の傷があった。
「でもまあ、問題は起こってないようで何よりですよ。しかし、打ち上げならなぜ別に呼び出さなくてもいいでしょうに。私がいても場違いでしょう」
　リヴァルトは自分のパートナーが何かやらかさないか、ずっと不安だったようだ。
「意外と、気にしてる人だっていたりするんだよ」
　リリエの方をちら見する。
「ま、せっかく来たんだし、ちょっとくらい話してってもいいんじゃない？　お酒もたっぷりあるよ」
　とはいえ、未成年の方がこの場には多い。
「ささ、ちょっと身内で見苦しいとこ見せちゃったけど、改めましてという事で。たっぷり食べて飲んで騒ごっ！　会計は全部司城先生が出してくれるから」
「……もう勘弁してよ」
　涙目である。他の学生達は苦笑するしかない。
「はは、冗談だよ、先生、それじゃ……」

「「「かんぱーい！！！」




End