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【ロリオとジュエリン】愛とは奪い合うもの

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【ロリオとジュエリン】愛とは奪い合うもの
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第11章 Surprise photographie.-サプライズフォト-

「もう帰るの?」
 写真を後ろに隠し持った美羽が、忍に声をかける。
「あぁ、少し疲れたからな」
「じゃあ、これあげるね」
 忍が香奈を守りきった時の写真を、彼にプレゼントする。
「なっ、なんか恥ずかしいな。2枚あるのか?」
「1枚は香奈にあげなよ」
「そ、そうだな。ほら、香奈」
「わぁ〜よく撮れてるね、ありがとう♪」
 彼から受け取った香奈が、嬉しそうに眺める。
「次は・・・セレンフィリティたちね。あ、いたいた!」
 2人を見つけた美羽はパタパタと駆け寄る。
「はい、これっ」
「写真?セレアナに膝枕してあげてるところじゃないの♪携帯で写して待ちうけにしようかしら」
「やめて・・・っ」
 恥ずかしさのあまりセレアナはボフッと赤面する。
「あの残るは・・・フフッ」
 美羽はうきうきしながら屋敷の玄関へ走り、額縁に入れたツーショット写真をそこに飾る。
「ありゃ〜これは凄いな」
 玄関に飾られた2人の婚約者の写真を陣が眺める。
「何がですか?」
「ほら、これ」
「―・・・・・・誰がこんなっ!?」
 陣に言われて見てみると、ロリオがジュエリンを片腕に抱えて、妖怪に魔法をくらわしているシーンの写真が飾られている。
「(相変わらず変身が殺伐としてるな)」
 しかし、陣は見るとこが違う。
 少年が手にしている日傘の金具に、血を吐いたてるてるぼうずが吊るされているところを、まじまじと見る。
「あっ、もう見てるの?」
「美羽さんの仕業ですか・・・」
 ロリオは眉を潜めて恨めしそうに睨む。
「飾ったのはベアだけどね。ジュエリンにもう1つプレゼントを持ってきたんだけど。どこにいるの?」
「2階にいるみたいやね」
「ありがとうっ」
 陣に教えられ、階段を駆け上がっていく。
「ちょっと、それなんですか!?」
「まだ見せないっ。渡しちゃったら、証拠隠滅されそうだもの!」
「あら美羽さん?」
「特別に印刷したのよ。受け取って♪」
 特大サイズに印刷した写真をジュエリンにプレゼントする。
「まぁ〜、ありがとうございます!さっそく飾りますわ。皆でお食事をするところにでも・・・」
「やめてください、ジュエリン!」
「いやですわっ。これは私がもらったのですのよ」
「ずいぶんと照れ屋さんみたいだから。別のところに貼ったらいいんじゃない?」
「そうですわね、美羽さん。でも、どこに飾りましょうか・・・」
「照れ屋な彼に壁から外されたくないのでしたら。寝室・・・とかいかがでしょう?」
「あっ、それ。いいかもしれませんね」
 香奈とクリスが横から口を挟む。
「照れてませんし!恥ずかしいだけですよ・・・」
「それが照れている、ていうことじゃないのぉ〜」
 恋話の香りを嗅ぎつけたアスカが話に混ざる。
「寝室に飾っておけば、外される心配もないわよねぇ」
 ジュエリンの手をひっぱり、彼女の寝室へ走る。
「ちょっと何しようっていうんですか!?」
「ここから先は、男子立ち入り禁止です♪」
「レディーのお部屋に、許可なく入るのはダメよ?」
 クリスと舞香に立ちはだかられ、写真を抹消することが出来なかった。
「女の子はこういう思い出も大事にしたいものなのよぉ〜?」
「そうですよね♪」
 アスカの言葉にクリスが頷き、女子だけで盛り上がる。
「これも、1つの愛の形なんだよね♪」
「いつの間にっ!?」
「フフフッ。恋の話があれば、いつだって現れちゃうよ?」
 恋人の暴走に困る彼の姿に、弥十郎がニヤニヤと笑う。
「―・・・恋、それは・・・ずっと飢えているような感じもあれば。甘酸っぱい思いでもある・・・。でも、愛を引き裂く恋人泥棒はよくないね♪」
 誰に言うでもなく語り、略奪愛騒動・・・終結。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

こんにちは。

王子様はお空のお星様なようなことになりましたが。
他の妖怪たちは、人の前に姿を現さず、ひっそりと暮らすようです。

一部の方に称号をお送りさせていただきました。
それではまた次回、別のシナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。