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リアクション
「わっ! すごい! バタ足が出来てるよ!」
秋月 葵(あきづき・あおい)は陽炎 橙歌(かげろう・とうか)に手を取ってもらいながらだがバタ足が出来ていた。
葵の白いワンピースの水着姿と橙歌の胸のあたりにたっぷりとレースとフリルをあしらった水着姿が眩しい。
「当然……ですの」
「教え方上手なんだね」
葵にそう言われると橙歌は少し照れくさそうにして、顔を背けた。
「それほどでもない……ですの」
一方、百日紅 火焔(さるすべり・かえん)に泳ぎを教えてもらっている魔装書 アル・アジフ(まそうしょ・あるあじふ)の方はというと……。
「ですから、もふっと顔を水につけて、ドドドドッと手足を動かせば泳げます」
「そんな説明じゃわかんないですぅ……」
火焔の全く要領を得ない教え方に泣きそうになっていた。
火焔は真っ赤なハーフパンツの水着、アルは百合園指定の清楚な水着を着ている。
火焔と橙歌がどうしてここにいるのかというと、葵がチケットをもらったからと、息抜きに誘ってくれたのだ。
それと葵もアルも泳げないと言うことで教える事になったという。
そして今に至る。
向こうの方ではリアトリスが信長に、香奈が忍に泳ぎを教わっているのが見える。それを見たアルが大きなため息を1つついた。
「……こっちとはえらい違いですぅ……」
「何か言いました?」
「いえ、別にですぅ……」
アルは火焔から目をそっとそらした。
「2人ともー! そろそろお昼にするよー!」
葵は橙歌とプールから上がりながら、そう声をかけた。
「はい。じゃあ、今日はこの辺にしましょうか」
「はいですぅ!」
アルは火焔の言葉に嬉しそうに頷いた。
4人はプールから上がるとイスとテープルつきのスペースに腰掛け、お昼となった。
「……プールから上がると暑いですぅ……」
アルはどうやら夏の暑さが得意ではないらしい。
「はい、アルちゃん♪ これで少しは暑さも吹っ飛ぶんじゃないかな?」
へたっていたアルの前に葵が置いたのはブルーハワイのかき氷だ。
トロピカルフルーツと小さな花火も添えられている。
「ほぇ? これがカキ氷……キレイですぅ」
アルが目を輝かせている様子を見て葵は満足そうだ。アルはかき氷を1口食べて、その冷たさにさらに目を輝かせた。
「つっめたーいですぅ!」
「でも、急いで食べない方が……ですの。……って、遅かった……ですの」
橙歌の忠告むなしく、アルは急いで食べてしまい頭がキーンとなってしまい、涙目になっている。
「葵くんのはオープン記念限定スイーツですか」
「そうなの〜♪」
金魚鉢ほどもありそうな器にクリームやアイス、フルーツ、クッキー、チョコレートなどなどが山盛りになっている。さらに飾りに使われている花も食べられる。
その限定スイーツを嬉しそうにスプーンですくって口へ運ぶ。
「全部入るんですか?」
「もちろんだよ〜♪」
「……もしかして、橙歌くんも食べられたりするんですか?」
「もちろん……ですの」
「へ、へぇ……」
葵と橙歌の答えを聞いて女性の不思議を目の当たりにする火焔だった。
「食べ終わったら、少しは泳げるようになったし、今度は波のプールで遊ぼうよ」
そんな葵の提案に他の3人がすぐに頷いた。
それを見て、葵は持ってきたネコ耳つきの浮き輪を荷物から取り出し準備万端だ。
その後、食べ終わって少し休憩した4人は波のプールに来たのだが、アルがクラーケンの触手に触られそうになったり、それを見た葵が火焔をクラーケンにけしかけたり、その葵は氷術やヒプノシスで援護したり、その様子をクールに見ていた橙歌の姿があったりとプールを満喫している姿があった。
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