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【ウェブマネー様タイアップ】御藝神社で縁日!

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【ウェブマネー様タイアップ】御藝神社で縁日!

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第5章  いろいろです!


 なにもないときには、ある程度広いと想っていたのだが。
 こうも露店がひしめくと、見慣れている琴音からしてもなかなか圧巻である。

「人が多いな……」
「迷子さんになると大変ですから……ふふ。
 皆で手を繋ぎましょう?」

 同じく、風景に圧倒されたネオスフィア・ガーネット(ねおすふぃあ・がーねっと)
 つぶやきに応えるのは、白雪 椿(しらゆき・つばき)だ。

「それは名案ですね。
 どうぞ椿様、お手を……」
「お前はただ繋ぎたいだけだろ」
「黙れ歩く猥褻物」
「ほらほら〜ネオスもウルフ君も、ケンカばっかりして〜いいぞもっとやれ」

 ヴィクトリア・ウルフ(う゛ぃくとりあ・うるふ)が伸ばした手は、ガーネットにはたかれる。
 喧嘩を煽るような言葉をかけるコープス・カリグラフィー(こーぷす・かりぐらふぃー)も、人が悪い。
 
「あ……カリグラフィーさん?」
「両手は2人がとっちゃうから僕はこっちねー」
「魔導書なんだから本だけ預けていればいいだろうが……」

 そうして、ノーマークとなった隙にコープスは椿の服の裾を引っ張った。
 ウルフの不満のような台詞は、この場合ガン無視される。

「屋台……たくさんありますね……あ……これ……」

 椿が手にしたのは、数珠のブレスレット。
 なんの躊躇もなく、色違いの4種類を購入した。

「ガーネットさん」
「うむ」
「ウルフさん」
「ありがとうございます」
「カリグラフィーさん」
「わ〜いやった〜!」
「皆さんとずっと一緒に幸せな家族でいられますように……」

 左手首の煌めきに、4人は幸せを祈るのだった。

「うーし、じゃあとりあえず縁日料理制覇してみっかー!
 焼きそばとかたこ焼きとかいろいろとあって、一周する頃には腹一杯だろー」
「いや、流石にこれは非常識な量じゃないか?」
(これ一周ってどんだけの量なんだ……)

 階段を登ると、すでに大盛り上がりの境内。
 ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)は、ぐーっと背伸びをしてから腹を叩く。
 しかし裏腹、ガイ・アントゥルース(がい・あんとぅるーす)はすこぉしだけ引き気味だったり。

「ガイってそういやぁ出身どこなんだ?
 見た感じシャンバラ人っぽいけどな」
「俺?
 空京だな。
 ま、シャンバラ人にはありがちだろ?」
(ま、嘘はついてないしな。
 時間軸が違うだけで)
「ふむ、まぁー詳しい話は追々訊いていけばいいよな!」

 早速おでんや焼き鳥を買い、ガイと半分こして食べる。
 食事も進めば、なにげない世間話も進むというものだ。
 パートナーになって間もないガイとのあいだを、少しでも埋めるために。

「いろいろ屋台が出ていますね。
 三月ちゃんはどこがいいですか?
 私は、たくさんありすぎて迷っちゃいます」
「僕もどこでもいいけど……」

 きょろきょろと屋台に眼をやる杜守 柚(ともり・ゆず)は、行く先に迷っていた。
 杜守 三月(ともり・みつき)に訊ねてみるも、はっきりとは答えが出ない。

「それにしても人多いね」
「はぐれないように三月ちゃんの服の袖を持ってるから大丈夫ですっ!」
「う〜ん……柚は袖持ってても心配なんだよね。
 まいっか」
「うんうん。
 屋台も行き当たりばったりでいきましょう!」
「それはそれで面白そうだよね」
「人ごみ抜けたらなにがあるかな?」

 るんるん気分で、人の集まる場所をかきわける。
 柚も三月も、新しい出会いに期待を込めて。

「マスター、ありがとうございました」
「いいってことよ。
 これでフィアナが嬉しいならな」

 買ってもらったペンダントを、早速首に巻いてみる。
 フィアナ・アルバート(ふぃあな・あるばーと)のわがままを、橘 恭司(たちばな・きょうじ)は可愛いと想った。
 だって、恭司のモノに似たペンダントが欲しいなんて。

「縁日に来るのは初めてですが、賑わっていますね」
「定番のたこ焼きも買ったし、あとはなにをするかな」

 そしていま恭司は、落ち着いて食事のできる場所を探していた。
 たこ焼きを落とさないよう、フィアナも気をつけて進む。

「っと、いててて……」
「あっあのっ、ごめんなさい!」
「いやいや、こちらこそきちんと前を観ていなくて……悪かったな」
「あ、たこ焼きだ〜」
「あなたも、これに興味がおありですか?
 マスター……」
「お、あぁ。
 一緒に食べるか?」
「いいのっ!?」
「ぶつかった詫びだ」
「まぁ、ありがとうございます」

 恭司とぶつかったのは、三月だった。
 流れのまま、フィアナの持っていたたこ焼きをいただくことに。 
 4人で、楽しいひとときを過ごしたのである。

「縁日と言えば屋台。
 屋台と言えば、なにかきっと美味しい物!
 屋台ジャンクフードグルメがオイラを待っているのにゃー」
「ふぅ……」

 独り、クマラ カールッティケーヤ(くまら・かーるってぃけーや)が盛り上がる横で。
 エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)は、静かにため息を吐いた。
 その原因はというと。

「屋台の食べ物全制覇の勢いでいっくにょ!
 エースはオイラのお財布なので一緒に行動しなきゃ駄目です!」
「クマラ、おまえたいがいにしておけよ?」
(10才のお子様好みのジャンクフード大好きだからな、クマラは。
 本気で全屋台全メニューを制覇しかねない)

 クマラにつきあわされバカ食いされて、お財布が残念なことになる将来が見えているからだった。

「エースも遠慮せず食せばいいのだ。
 具の殆ど入ってない麺だらけの焼きそばとか。
 お好み焼きとか。
 ジャガバターとか」
「俺はそんなに食べなくても大丈夫だ。
 それよりもこもたん等身大ぬいぐるみが欲しいな。
 いつでも触ってまふまふしたいなぁ」

 なんていう、エースのささやかな願いは、すぐには叶いそうにない。
 クマラの屋台巡りに、ひとまずはつきあおうと想うのであった。