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キロス・コンモドゥスの罠、夏來香菜を助け出せ!

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キロス・コンモドゥスの罠、夏來香菜を助け出せ!

リアクション

逃げ出す契約者たち。しかしぺステは容赦なく追ってきて契約者たちとの距離はだんだんと縮まっていく。
「何が侵入者迎撃用だ。アジトも何も見境なしじゃねえか!ポンコツが!」
本当にそのとおりでペステは女神像を爪で切り裂き、アジトを支える柱もその巨体でぶっ倒していく。
そんなピンチの中コハクが叫んだ。
「リネン!みんな!」
脱出路のトラップ解除に時間が掛かってしまったのかもしれない。
コハクの通信からだいぶ時間がたってしまったが、ようやく彼女達のお出ましだ。
「みんなーこっちだー!」
大きく腕を回しているのは。リネン・エルフト(りねん・えるふと)だった。
その隣、両腕をだらりと横に広げで片足で立っているのはセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)だ。
「何をやっているのじゃ!貴公!」
「鷹のポーズ!」
「大丈夫、大真面目よ!ここは私たちに任せて先に行きなさい!」
リネンは冷や汗を流しながら言った。
「このまま真っ直ぐ進め!トラップは全部撤去してある急げ!」
フェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)は後ろを指差しす、契約者たちは無理をするなと言い残して走り去っていく。
セレンフィリティは鷹の構えを解いた。天敵である鷹の構えをとっているのだがペステは怯まなかった。
スキルのメンタルアサルトの効果はないようだ。ペステは血に飢えた肉食獣のように迫り来る、ならば次の手だ。
セレンフィリティは武装の絶望の旋律を構える。
「お腹がすいてるんだったら、こいつを召し上がれ!」
爆音が弾け弾丸はまっすぐペステの頭蓋骨の額へ直撃し叫び声を上げて仰け反った。
「耐えた!」
が、すぐさま体制を取り直して突っ込んでくる。
セレンフィリティは一瞬怯んでしまったが、その隙をセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)がフォロー、真空波で脛を攻撃する。
バランスを崩したペステは前方に大きく転倒、セレアナはラピッドショットで追い討ちを仕掛ける。
だが弾はすべてはじき返されてしまい、ぺステは再び立ち上がってくる。
「元気がいいわね。でも流石に疲れたんじゃいのかしら」
セレアナは天井へラピッドショットを構えた。
弾丸を放ち天井を打ち抜くバラバラとたくさんの岩がペステへ降り注いできた。
「石の布団はちょっと重かったかしら?おとなしく眠っていてちょうだい!」
再びペステはうつ伏せにされ岩の下敷きになってもがいている。
「セレアナ、セレンフィリティ!ここは戦略的撤退だ、ちょっとやそっとの攻撃じゃビクともしねぇ!」
「言う通りねフェイミィ。こうなったらヘリワードの『とっておき』でアジトもろとも沈めるわよ!」


■■■


契約者たちがアジトから飛び出していく。アジトの入り口からは大きな足音が迫ってくる。
「おうおう元気いっぱいじゃのう、見た目に違わず骨のあるモンスターじゃ」
「こ、こんなときに冗談言ってる場合じゃないですよ!ファラさん」
「なになに心配するでない。ここは仲間を信じてみようではないか」
「リ、リネン!本当に大丈夫なのか?」
顔中不安いっぱいのコハクがリネンに訊く。すると彼女は微笑んで親指をグッと立てた。
「心配無用よ。伊達に修羅場はくぐってきてないんだから」
彼女は携帯を取出し素早くボタンを押した。
「リネンよ。座標XXに航空支援を要請」
『了解。中の人たちは全員脱出出来たみたいね、支援爆撃を開始するよ』
携帯電話がヘリワード・ザ・ウェイク(へりわーど・ざうぇいく)の声で言った。

リネンの全身に一瞬影が流れた。頭上を見上げる。
「随分と早いじゃない、流石は天馬騎士団ね」
彼女の頭上をたくさんのペガサスたちが飛び立っていく。
武装したペガサスたちは天馬騎兵がまたがっている。
アジトの入り口からペステが姿を現した。
そのタイミングを見計らっていた天馬騎士団は上空から爆雷が降り注いだ。
イコン用グレネードを改造した爆雷だ。
さすがのぺステもこの攻撃には耐えられなかった。
何度も何度も大きな炎が舞い上がり、爆発と共にぺステは叫び声を上げていく。
地表が舞い上がり土煙が立ちこみペステの姿は煙に呑まれていく。
「そ、それにしてもなんて容赦のない攻撃……さすがに無事ではいられないでしょう」
貴仁は怪獣映画のような光景を見つめながらを冷や汗を流すのだった。