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友達が欲しいメデューサ

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友達が欲しいメデューサ

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第三章 



 グレンの連絡を受け、遺跡の入り口へと集まるパッフェルや美緒達メンバー。そこにメデューサも合流する。
「……石化、してしまうから……、対策、してない人は……気をつけてね……」
「彼女も悪気があったわけではありませんの。だから許して差し上げてくださいな」
「ぅ……」
 様々な人たちが集まっており、少し怯えるメデューサ。
「すまないな。だが、皆キミに何かしたりはしないから安心して欲しい」
 そんなメデューサを見て、安心させようと話しかけるイーオン・アルカヌム(いーおん・あるかぬむ)
「そうだよ。みんなキミと仲良くなろうと集まってるんだよ」
 レキ・フォートアウフ(れき・ふぉーとあうふ)チムチム・リー(ちむちむ・りー)もやってくる。
「ほんとう……?」
「本当アル」
「私……お友達が欲しい。みんなと仲良くお話したいな……」
「任せるアル! チムチム達がなってあげるアル!」
「そういうことなら協力しよう。見るがいい。俺の友人の一人など、魔書だぞ?」
 イーオンはそういって後ろにいたフィーネ・クラヴィス(ふぃーね・くらびす)を紹介する。
「魔書とは何だ魔書とは。そんじょそこらの魔導書と一括りにするんじゃない。おいお前。やめとけやめとけこんなの。たまにしか遊んでくれないし説教は長い。友達は選べよ」
「キミも失礼な事を言うな……」
 フィーネの言葉に苦笑するイーオンだった。
「あはは……」
 そんなやりとりに怯えていたはずのメデューサが笑った。
「みんな楽しい人ばかりだからそんなに怯えなくて平気だよ」
「そうアル。さっきも言ったけど、チムチム達は危害を加える気は全くないアル」
「だからみんなでどうすれば良いか考えようよ。ね?」
「……うん!」
 レキの言葉にしっかりと頷いたメデューサ。
「大丈夫、そうね……」
「あ、パッフェルさんと美緒さん」
 やってきたパッフェルと美緒。二人はそのやりとりを見て微笑んだ。
「危害を加える気がないのなら倒す必要などないのだからな」
「そういうことだ。むしろ仲良くなりたいというのなら協力してやるのは当然であろう」
「ありがとうございます。皆さん」
「なに、友人とは頼るものだよ」
「そうだよね!」
「みんな仲良くアル!」
「だが、そうなるとやはり石化をどうにかしないといけないな」
「何か良い案はないであろうか……」
「うーん……」
 みんなが考えこむなかレキが何か思いついたようにポンッと手を叩く。
「考えてばっかりよりさ。思いついた案を一つずつ手当たり次第に試してみたらどうかな?」
「なるほど。考えるより行動か、良い案ではあるな」
「そういうことなら俺も手を尽くそう」
「チムチムも頑張るアル!」
「みんな……ありがとう!」
「そこでみんなにボク達から一つ提案があるんだ」
 そこにやってきたのがブルタ・バルチャ(ぶるた・ばるちゃ)ステンノーラ・グライアイ(すてんのーら・ぐらいあい)
「あなたには名前はありますか?」
「名前……? ううん、ないと思う……」
「だからボク達でメデューサに名前をつけてあげるってのはどうだろうか?」
「名前か……それは良い案かもしれないな」
「それは良い考えだね!」
 ブルタ達の提案に全員が賛成した。
「しかし、いざ名前となると思い浮かばんな……」
「そうだね……。パッフェルは何かないかな? ボクとしてはパッフェルや美緒が名付け親になってあげるのが一番だと思ってるんだ」
「……『イリス』、とか……?」
「『リリアナ』とかどうアル?」
「良いですね。美緒はなにかございませんか?」
「わたくしですか……? 『ユリシア』とかいかがですか?」
「……私は、良いと、思う……。メデューサは?」
 パッフェルが後ろで見ていたメデューサに振る。
「ユリシア……うん! 良いと思う!」
「なら、今からキミの名前は『ユリシア』だ」
「よろしくねユリシアさん!」
「よろしくアル!」
「よろしくだ」
「よろしくお願いいたします」
「うん! よろしくね!」
 こうして、メデューサ――もといユリシアと仲良くなろう計画が始まった。