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ここはパラ実プリズン

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ここはパラ実プリズン

リアクション

   7

「ど、どうして……どうしてこんなことを……」
 アリア・セレスティは己の目の前に立つ人物を睨み付けた
「いい顔だねェ……。こんな目になって尚、媚びることのない強い意志。もっとも……後ちょっと、かしらね」


 アリアはパラディンだ。だが、どういうわけか悪魔と契約してしまい、これまでも様々な苦難を経験してきている。この刑務所に収監されたのもその悪魔と一緒にいるのを見られたからだった。
 悪魔をパートナーにしている者は多くいるのに、これはどういうことだろうと考えたのは、最初の内だけだった。
 収監されるに辺り、裸にされ、隅々まで調べられるのは男も女も同じだ。尻の穴まで覗かれるのは、そこに何か隠していないか確認するためだが、奥まで指を突っ込まれるとは思わなかった。
 あまりのショックにへたり込んでいると、アリアの身体記録票を見ていたその職員が鼻を鳴らした。
「八十四、五十四、八十四……嘘だろう、そんなスタイルの人間がいるわけがない」
 どれ、と言ってその職員はアリアの乳房を思い切り掴んだ。
「い、痛い!!」
「……作り物ってわけじゃないようね。驚いた。生まれつき、男好きのする身体なわけだ」
「わ、私はそんな……」
 顎を掴まれ、無理矢理持ち上げられた。
「それにこの顔。男を誑かしているわけだ。あんたみたいな女は、ここではなく、本棟にぶち込むべきだね」
「そんな! 私が何を……」
 その職員は序の口だった。
 次に目を付けられたのは、看守にだった。牛乳瓶の底のような眼鏡をかけ、二つに分けたお下げを三つ編みにしているその看守は、アリアを呼び出すと彼女の全身を舐めるように眺め、言った。
「お脱ぎ」
「えっ……?」
「いいから脱ぐ!」
 アリアはわけが分からず、それでも看守の命令を聞いた。
「ふン……報告通りね。あんたを外の作業に出すわけにはいかないわね。男どもが群がってきて仕事にならない」
 それはアリア自身心配していたことだったので、ホッとした。
「よし、一番楽な配膳係に回してあげるわ」
「え?」
 しかしそれは、体の弱い人間が優先されると聞いた。
 その看守は、アリアの耳元に口を寄せると囁いた。
「だから、アタシのモノにおなり」
「そんな……!!」
「嫌とは言わせないわ。あんたには他にもパートナーがいるはず。全員を引っ括ることだって、出来るのよ」
 アリアは息を飲んだ。何より恐れていたことだった。アリアは俯き、唇を噛んで頷いた。
「聞こえないわね」と、その看守は言った。「『承知いたしました、女王様』とおっしゃい」
「……し、承知……いたし……ました……じ、女王さ、ま……」
 ――そして夜な夜な、アリアは懲罰房へ連れ込まれ、看守の慰み者にされることになった。
「いやっ! いやああああああああ!」
「叫んだって無駄だよ! ここの声は外には聞こえない! もっと叫べばいい! ああ、ゾクゾクするねェ!」
 眼鏡を外し、ウェーブがかった髪を振り乱し、看守は高らかに笑った。
 アリアの白い肉体に、幾筋もの跡がつけられる。昼は贔屓をされているというので、他の受刑者から苛められ、夜は肉体的に責められ、アリアはもう限界だった。
 顎を掴み、己の方へ向けさせると、看守はにやりと口の端を上げた。
「子猫ちゃん。あんたには才能があるよ。いずれ本棟に送って、たっぷり客を取らせてやろう……」
「……ぃゃ……ぁ……」
 それが、精一杯の反抗だった。もう、アリアは何も考えられなかった。