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古代兵器の作り方

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古代兵器の作り方

リアクション

 9.――『さよならは言わないように』





     ◇

 さようならではありません――。

 おやすみなさい。
 おやすみなさい……………。





     ◆

 ラナロックは首を傾げていた。自分の目の前にいつの間にか現れている二人を前に。 
「なぁ、何でそんな辛そうな顔してる?」
「お、おい! カイナ!!! 何を馬鹿げたことっ!!」
 カイナ・スマンハク(かいな・すまんはく)は徒手空拳のまま、銃を構えているラナロックを見詰めているのだ。蘇我 英司(そが・えいじ)はパートナーとして、彼を懸命にラナロックから引き離そうとしていた。
「………………貴方は?」
「お? 俺か? うっしっし! 俺はカイナ。ねーちゃんは?」
「私は――…………ラナ。ラナロックと呼ばれていますね」
「そっか、じゃあリャックだなっ!!」
 満面の笑みだった。毒気を抜かれそうなその笑顔に、思わず返事を返す彼女の瞳が一瞬――元の銀色(それ)に戻る。が、直ぐ様濁り、くすんだ黒へと変色する。
「よーし、リャック! 今から一緒に遊ぼー!! ほら、俺は何にも持ってないよ! 鎧もこの通り、俺にはついてない! なっ!? だから遊ぼう!」
「カイナ!!! 危ないんだぞ!! いい加減にわかるだろう! 早く離れないか!」
「嫌だよ、遊ぶんだ。詰まらないときは、辛いときは遊んで元気になればいい!!!!」
 と、ラナロックは虚ろな笑顔を浮かべたままに呟く。何の邪気すら感じない、目の前の彼、カイナに向けて。
「貴方がもっと昔――ずっとずっと、ずーっと昔に居れば、もしかしたら遊べたのかもね」
 何の事だ――?と、首を傾げた彼の肩を、銃を握る手で優しく突き飛ばした彼女は――




















    そのまま二人の視界から焼失した。赤い赤い、血のような何かだけが、二人の視界に残るだけ――。

「リャッ……………………ク? 嘘だろ?」
 周囲を見渡そうとした彼の視界は、そこで暗転する。背後に立っている栄司の武骨な手によって。
「………………見るな、見てはいけない。お前は…………お前には、見せられない」
「…………………嘘だろ、そんなのって、ないじゃないか」
 目隠しをされた彼に聞こえるのは、周囲の音だけである。