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なし

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聴こえよ我が声 応え結びを

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聴こえよ我が声 応え結びを

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団体様ご招待 お礼は鉛弾や魔法たちで

 山を登っている芭柘美たち。

「クエス。体の方は大丈夫か?」
「はぁ…はぁ……えぇ大丈夫よ」

 体の弱いクエスティーナを気遣うサイアス。クエスティーナ自身は大丈夫と言うが、見るからに青白い顔で息が荒くなっている。

「え!?  ご、ごめんねっ気付かなくて」

 芭柘美は慌てて休憩を開始させた。

「すまない。クエスは呼吸器と循環器に疾患があってね」
「なら、なぜこのような場所に……ここは空気も薄い。それらに疾患があるなら辛いだろ」

 アルツールを始め周囲のメンバーもクエスティーナを心配する。

「い、いえ……ご心配なさらず。平気ですから」

 樹にもたれてクエスティーナは弱々しく微笑む。

「そなた、わしの持って来た水でも飲むか?」
「あ、ありがとう」

 ルファンが差し出した容器を受け取り、それを飲むクエスティーナ。
 他の面々も持って来た飲み物を飲んだり、木の根元に座ったりと思い思いに休息を取る。


 休憩を始めてしばらく。


「……はっ皆様!」

 都と一緒に休んでいたサオリが猛獣の気配に気が付く。
 戦えない芭柘美とクエスティーナ、ルファンを囲むようにサイアスと薫、都の三人は構える。
 四方からオオカミやクマ、ワシといった猛獣がわらわらと姿を現してきた。

「私は、貴女をお父上からお預かりしている責任があります」
「我も芭柘美を守る。石榴!」

 サイアスは大剣を構え、薫は石榴という、召喚獣のフェニックスを呼び出した後、自らも弓を構えた。
 アルツールは召喚獣である不滅兵団を呼ぼうと思ったが、芭柘美が諦めてくれればそれはそれで無難だと考え、芭柘美が本当に危険になるまでは召喚しないことにした。

「おい、おまえら! 俺たちはただライラに逢いたいだけだ!!」

 ウォーレンは集まった猛獣たちにそう語りかけ、ワシなどの空中に居る猛獣たちにも蝙蝠の羽を広げて飛ぶと同じように伝える。

―――ギャワッギャワ!

 しかし、それは伝わらずワシに襲われるウォーレン。

「うぉっと!? やっぱムリだよなー。仕方ない」
「レオ! こっちに雷術でたたき落として!」
「了解っと」
「ダーリンの近くになんて間違っても落としちゃ駄目なんだからね!!」

 イリアにそう言われ、飛んで来るワシたちを避けさいたウォーレンは雷術をぶつける。痺れたワシは地上に落ちていく。
 落ちていった場所には、イリアが氷術で足止めしていた数匹のオオカミたちが固まっていた。

「山火事なんて起きたらそれこそヤバいってね!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい〜」

 ウォーレンとイリアに動きを封じられた猛獣に、イナンナの加護をかけたサオリが謝りながらスナイプとトゥルー・グリット、追加射撃をかけた状態で小型列車砲を連射していく。
 それを仕留めると、ウォーレンの加勢に翼の靴で空を飛び、テイクカバーで樹木などの陰に隠れつつ、一匹一匹確実に撃ちとっていった。

「怪我したらすぐに言ってください!」

 都はパワーブレスをそれぞれにかけながら、そう言う。

 猛獣の数は多く、取りこぼした猛獣たちには和輝とアニスが、精神感応で連携を取りながら攻める。

『いっくよー、和輝!!』
『あぁ、アニス行くぞ!』

 歴戦の魔術やサイコキネシスでアニスは後方から魔法攻撃をしていく。

『吹っ飛べー!!』

 アニスの魔法が当たった猛獣たちが飛んでいった先には、両手の銃を手にした和輝が待ち構えていた。

「遠距離からだけが銃の攻撃手段だと思うなよ」

 和輝はガン=カタのように至近距離から銃を撃ち、銃で対処していない猛獣には蟲とレガースで強化した脚部からの蹴りで一気に大勢の猛獣を攻めていった。

 サイアスや薫の守備的攻撃や、都のヒールやリカバリと言った回復魔法もあったことで、集まっていた猛獣は全て倒す事が出来た芭柘美たち一向。

「クエスちゃんは体の方はだいたい回復できたかな?」
「はい。みなさんに守ってもらっていたので、十分な休息が取れたわ。ごめんなさい、私も戦わなければいけなかったのに……」
「クエス、無理はするな。疲れたらすぐに私に言うんだぞ」
「サイアス、分かってるわ」
「じゃ、出発しても大丈夫なんだね?」

 確認を取る芭柘美。
 クエスティーナとサイアスのどちらも頷いたことで、山登りが始まった。