天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

水着と海と触手もの。

リアクション公開中!

水着と海と触手もの。

リアクション


二話 巨大ロボと触手もの
「あれだけやっても、まだタコの足下まではかなり距離がありますな」
 葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)は男たちを見ながら、やれやれとため息をつく。
「それまら、道を切り開くしか無さそうですね」
コルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)は同意しながらバズーカを構える。
「よし、コルセアさんやってしまいなさい」
「はい」
 短く了承の言葉を口にするとコルセアは躊躇なくバズーカをぶっ放す。
「ぎゃああああああああああああああああ!!」
 浜辺が歪にへこみ、男たちが宙を舞う。
「てめえら! なにしやがる!」
 男たちは吹雪たちの存在に気づき、数人単位で突っ込んで来る。
「コルセアさん、次の砲撃の準備をしてください。自分とイングラハムで時間を稼ぐであります!」
「ええ!? 我も!?」
 タコそっくりの姿をしたポータカラ人のイングラハム・カニンガム(いんぐらはむ・かにんがむ)は自身を触手で指してみせる。
「そうだよ! ほらさっさと来る!」
 吹雪はイングラハムの触手を握って男たちと対峙すると、
「洗脳もされてないのに人に迷惑をかけちゃいけません……おまえらまとめて消毒だー」
 容赦なく火遁の術を喰らわせた。
「あぢぢぢぢぢ!?」
 直撃を喰らった男たちは焼けた海パンを消化するために皆一斉に海に飛び込んでいく。
「よくもやりやがったなてめぇ!」
 出遅れた男たちは火を飛び越えて、吹雪目がけて拳を振り下ろすが、
「タコガード!」
 吹雪はイングラハムを盾にした。
 それでも男たちの拳が止まることはもちろん無く、
「ぎゃあああああああああああああああ!?」
 イングラハムは顔の真っ正面で男の拳を受け止めた。
「吹雪さん、準備整いました」
「それじゃあやっちゃって!」
 吹雪は一応イングラハムを連れてコルセアの射線から外れると──バズーカが容赦なく発射された。
「「ぐああああああああああ!?」」
 後方で控えていた男たちもまとめて吹き飛び、二人と一匹の前に道ができる。
「それじゃあ後は任せたであります」
 吹雪は滝宮 沙織(たきのみや・さおり)に声をかけると、沙織は黙って頷いた。
「まったく……他人に迷惑をかけるようなタコはお仕置きだ!」
 水色のビキニ姿に白いTシャツを一枚着こんで大変動きやすい格好をしている沙織はタコに向かって走りだすと高く跳躍し、
「ドロップキーック!」
 ドロップキックを見舞った。
 沙織の両足はタコの頭に直撃するが、軟体生物のタコの身体はその衝撃でぐにゃりと曲がるだけだった。
「ヴヴヴ……」
 タコは素早く触手を伸ばし、アッサリと沙織を捕まえてしまう。
「ヴヴヴヴ〜」
 タコは楽しそうに触手をTシャツの中に入れると沙織の身体をまさぐり始める。
 太い触手がTシャツを押し上げて、ぐにゃぐにゃと奇妙な形に変形し、触手の粘液でうっすらと水色の下着が見え始めた。
 腹や背中をぬらぬらした触手が這い回るたびに沙織に身体はビクッと震えた。
「な、なにこれ……? 気持ちいい……?」
 そう、沙織は確かにタコから受ける刺激を快感として受け止め始めたのだ。
 タコ自体その触手で人間を捻り潰すという考えがないのか、人間で言えば動物を可愛がったりオモチャを撫でたりする程度に留まっているのだ。
「いや! タコで気持ちいいなんて、嫌だよぅ……」
 それでも人としての尊厳のせいか、沙織はなんとか快楽から逃げようともがき始める。
「タコさん! ダメだよ女の子を物みたいに扱っちゃ!」
 そう叫んだのはミシェル・ジェレシード(みしぇる・じぇれしーど)だった。
「そこにタコさんがいると浜辺の人たちが困るんだよ! だから他の場所に移ってもらえないかな?」
 ミシェルはタコに向かって説得を試みるが、
「ヴヴヴ〜」
 タコは気にせず沙織を触手で弄び続ける。
「ミシェル、やはりタコに説得を試みるとうのは無理があると思うぞ?」
 影月 銀(かげつき・しろがね)は冷静な口調でミシェルを諭した。
「うう……真心を込めて話しかければ通用すると思ったのに……なら、しょうがないね。強硬手段だよ」
 言うなり、ミシェルは大きく息を吸いこんで子守歌を歌い始める。
 優しい声音が辺りを包み、近くにいた男たちは眠り始めるがタコは一向に眠る気配が無かった。
「ミシェル、恐らくだがタコに聴覚は無いと思うぞ?」
「そういうことは早く言ってよ!」
「ヴヴヴヴヴヴヴ!」
 ミシェルが銀に抗議していると、タコの触手がミシェルに向かって動き始めた。
「危ない!」
 銀はミシェルの前に立つと、匕首でタコの触手を刻んでみせる。
「ヴヴヴヴ〜!」
 斬られた触手は地面に落ち、切断面から青い血液が溢れる。
 それでも銀の表情から怒りの色は消え失せない。
「貴様……今、ミシェルに手を出したな……!」
「し、銀……? 私は大丈夫だから落ち着いて? ね?」
 ミシェルは必死で銀をなだめるが、銀は匕首を構えてタコに突っこんでいく。
「ヴヴヴヴヴ!」
「軟体生物風情が一丁前に吼えるな!」
 振り下ろされる触手をかわすと、銀は触手を伝って一気にタコの頭に上り詰め、
「くたばれ」
 匕首をタコの頭目がけて振り下ろした。
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!???」
 タコは悲鳴を上げ、頭から青い鮮血が迸る。
 が、タコの触手は動きを止めず、銀の身体を捉えた。
「しまっ……!」
 銀の身体は宙に浮き、着ていたTシャツを破かれ胸に巻いたサラシが顔を出す。
 触手は先端を細くし、ヘソの下から這い上がるようにサラシの下に潜り込んでくる。
「やめてええええええ! 誰か、銀を助けて!」
「私に任せてもらおう!」
 そう言って上空から舞い降りたのはコア・ハーティオン(こあ・はーてぃおん)だった。
「蒼空戦士ハーティオン! 見参!」
 ハーティオンは叫ぶなり勇者剣で銀と沙織を捕らえていた触手を斬り飛ばした。
「お嬢さん達、早く安全な場所まで退避するんだ!」
「あ、ありがとう!」
 ミシェルがハーティオンにお礼を言うと二人を連れて戦線離脱する。
「ハーティオン、ワガハイヲマキコムナ」
「細かいことは気にするな」
 ハーティオンは自身の頭の上にいる夢宮 ベアード(ゆめみや・べあーど)に声をかけると、勇者剣を握り直し巨大タコと対峙する。
 体格的にはほぼ互角の一体と一匹の絵は中々絵になっていた。
「よーし、頑張れーハーティオン! 巨大タコなんかやっつけちゃえー!」
 ラブ・リトル(らぶ・りとる)はハーティオンを応援しながら音楽を奏で始める。
「ラブ、君も戦いなさい」
「だって、エロタコになんか近づきたくないじゃん」
 ラブはアイスキャンディーを頬張りながら、引き続きやる気無く応援し続ける。
「ハーディオン! ショクシュガ、キテイル!」
 ハーティオンがタコに視線を戻すと、目の前には無数の触手が伸びていた。
「しまった!」
 触手はハーティオンの身体に巻きつき、ベアードも触手に絡み取られる。
「ヴヴヴヴ」
 ぬらぬらと粘液で光る触手がハーティオンとベアードの身体を滑るように這いずり回り、
「ぬ、うおおおお……」
「ア、……アアン……」
 一体と一匹は不愉快な喘ぎ声を上げる。
「うわー! 酷い絵面だよ! 誰得展開だよ!」
 ラブは涙目になりながら、その不快な光景を見守り続けた。
 ハーティオンの身体は触手の粘液でキラキラと光り、触手に身体の自由を奪われて屈辱の強制M字開脚にさせられてしまう。
「く……こんな屈辱的な格好を……油断さえしなければこんなタコなど……」
「ショクシュガ……ワガハイニショクシュガァ……アアン……」
 ベアードも触手に絡まれ、大きな目──目しか無いが──が潤み、身体がほんのりと赤くなる。
「うわーん! 今まで女の子が触手に絡まれているのをチャラにするキモさだよー!」
 ラブもとうとう精神的にきつくなったのか泣き始めてしまう。
「ごめんみんな遅くなっちゃった……て、うわ!? なにあれ!?」
 遅れてやってきた夢宮 未来(ゆめみや・みらい)は一体と一匹の痴態を目撃して思わず固まる。
「た、大変だよお父さんたちが触手に……どうしようラブちゃん!」
「まず半身浴で心身共にリラックスしたら温かいご飯を食べてそのままベットに倒れ込んで」
「現実逃避しないでよ!」
「とりあえずパイロキネシスで触手を焼けば二人を助けられるんじゃない?」
「あ、いいねそれ! じゃあ早速……」
 未来は手を広げると、触手目がけてパイロキネシスを発動させるが、
「ア、 アツイッ! アツイゾッォォ……!」
 ベアードの近くで火が起こり、ベアードは動けない身体で悶絶する。
「ああ! ゴメンお父さん! 大丈夫!?」
「キニスルナ、ワガムスメヨ……」
「うん、今助けてあげるからね!」
 未来は気を取り直して再びパイロキネシスを発動させるが、
「うおおおおおおおおお!? あ、熱い! 火が、火がああ!」
 今度はハーティオンの顔辺りが燃えた。
「あ……ご、ごめん!」
「く……このままでは埒が明かないか……ならば、フレイムブースターフルパワー!」
 ハーティオンの背中のブースターが突然激しく炎を吐き出すと、ハーティオンの身体は触手から離れ空高く舞い上がり、
「いくぞ、バーニングドラゴン!」
 叫ぶのと同時にハーティオンの身体は炎の龍と化し、タコに向かって突撃を仕掛ける。
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴう゛っう゛〜〜!?!?」
 タコの身体は炎に包まれ、ベアードもその隙に脱出を図る。
「敵の動きを止めた。私たちはここまでだ……さあ! 敵に引導を渡してくれ!」
 ハーティオンは大声で他の冒険者に号令を発し、
「てか、そんなんが出来るなら最初からやればいいじゃん」
 ラブは冷ややかなツッコミを入れた。