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ニルヴァーナ学園祭、はじめるよ!

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ニルヴァーナ学園祭、はじめるよ!

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終章 ニルヴァーナ学園祭、閉会式

「おや? 君は……」
閉会式に来ていた九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)は隣で満足げな顔をしているマーツェカ・ヴェーツ(まーつぇか・う゛ぇーつ)を見てため息をついていた。
「なんだぁ? 我の顔を見ていきなりため息つきやがって」
「君のおかげで私の医学部教室は大繁盛だったよ」
マーツェカの作った涅槃なら浄土やらの激辛カレーのおかげで医学部教室に治療を求める人が多く出たのである。
「いいことじゃねぇか」
マーツェカはなぜか胸を張って主張していた。
「治療人が増えることはいいことじゃないよ。まったく……そこまでの辛さってどういうものなんだろう……?」
そういいながらローズは、マーツェカの作るカレーに興味を持っているようだった。
「なんだぁ? 興味あるんだったら作ってやる……」
「いや、いらないよ」
マーツェカの提案を言い切る前にローズは否定していた。
「まだ命が惜しいからね……」
「そうか、そりゃ残念だぜぇ」
「普通のカレーはおいしいときいたからそっちをお願いしようかな」
「機会があれば作ってやるよ」
「楽しみにしてるかな」
後日、あの劇辛カレーは学園祭の黒歴史になったという。
普通のカレーを食べた客からは「普通にしていればおいしいのに……」と残念そうな声があがっていたそうな。


「……なんでしょう、これは」
ウィルヘルミーナ・アイヴァンホー(うぃるへるみーな・あいばんほー)は道端でじたばたしていたスッポンを抱えて困惑していた。
「ようやく見つけた……。それ私たちの店から逃げたのよ」
そこにスッポンの? 主であるコルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)が現れた。
「……これ、スッポンですよね?」
「えぇ、悲しいくらいスッポンよ」
「なんでスッポンなんか……」
「私のパートナーがそれを使った料理を出してね……はぁ」
「あはは……苦労が絶えないんですね」
「すぐ目を離すと逃げるし、大変だったわよ。おまけにたいむちゃんの丸焼きを作るわ……」
「えっ! たいむちゃん丸焼きになってしまったんですか!」
「あっ、本人がなったわけじゃないけど……見た目がすごくて……」
ウィルヘルミーナとコルセアはお互いの出店での思い出を語り合って閉会式を迎えたのである。


「もう閉会式か……」
「ねぇ、そこの君!」
皆川 章一(みながわ・しょういち)は後ろから走ってきた、綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)に声をかけられていた。
「はぁはぁ……。あなたって私たちの後のライブでギター引いていた人だよね?」
「あぁ、そうだが」
「やっぱり……! ねぇ、今度の私たちのライブでもギター弾いてもらえないかな?」
「俺がか?」
「えぇ。すごく情熱的で、それでいて繊細なギターだと感じたわ。まさに私たちシニフィアン・メイデンのようだったわ」
さゆみは少し興奮した様子で章一に語っていた。
「そうか。俺のギターを必要としてくれるのは純粋にうれしいな。ぜひよろしく頼む」
「ありがとう! そういえば自己紹介が遅れたわね。私は綾原さゆみ。よろしくね」
「俺は皆川章一だ。よろしく頼む」
二人はいつかライブでセッションすることを誓い合いあったのだった。


「いたたた……あのネガティブ侍の奴、手加減というものを知らんのか……」
上杉 三郎景虎(うえすぎ・さぶろうかげとら)にミスリルバットでホームランされたンガイ・ウッド(んがい・うっど)は痛む腰を抱えながら閉会式に参加していた。
「……なんで猫がしゃべっているんじゃ?」
「……なんでチンパンジーがしゃべっているのだ?」
ンガイの目の前に現れたのはチンパンジー……ではなくジョージ・ピテクス(じょーじ・ぴてくす)である。
「ウキー! わしはチンパンジーではない!」
「そっ、そうなのか……。まぁ、この学園祭にチンパンジーがいても驚かないんだがな」
「おぬしも猫じゃからな」
「我ら動物も大変だな」
「……動物ではないといっておるのじゃが」
二匹……ではなく二人はのんびりと閉会式に参加するのであった。


「おーい、迷子なのかー?」
「ハナ、どうかしたの?」
「おねーさんとタタとはぐれちゃった」
リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)と共に閉会式に参加していた童子 華花(どうじ・はな)はどうやら迷子になってしまったチチ・メイリーフ(ちち・めいりーふ)と遭遇していた。
「困ったな……。お母さんはどこに行ったかわかるか?」
「わかんなーい……」
「迷子ルームは……って、もう閉会式だから放送はできないんだっけか」
「えぇ、そうね。どうしましょうか……」
するとそこに五月葉 終夏(さつきば・おりが)達が現れた。
「チチみーつけたー」
「チチ! 心配したんだよ!」
終夏はチチを見つけるとすぐに抱きしめていた。
「おっと、お母さんか。よかったな」
華花はほっとしたような表情をしていた。
「ありがとうだよ」
「いやいや。……もう離れちゃだめだぞ」
そういいながら華花はチチの頭をなでていた。
「ありがとーおねーさんー」
3人はリカインたちにお礼を述べながら閉会式の人ごみの中に消えていった。
チチはリカインたちの姿が見えなくなるまで元気よく手を振っていた。
「……なんかくすぐったいな」
「なにがくすぐったいのかしら?」
「お姉さんって言われるのがさ」
「ふふっ、よかったわね」
二人はなにやら満足した様子で閉会式に向かっていった。


「えー……こほんっ!」
イベントステージでは学園祭最後のイベントになる閉会式は行われていた。
「今日はみんな、楽しんでくれたかなっ! じゃあさっそくだけど、表彰式をするね!」
表彰式ではイベントや出店で一番人気のあるものが表彰されるといった内容である。
「最優秀賞は……」
会場の全員が固唾を飲んで、発表を待った。
するとたいむちゃんは元気いっぱいな声で
「みんなですっ!!」
と告げていた。
その発表に会場はざわついていた。
「強いて言うなら、今この閉会式を笑顔で迎えられた人。その人が最優秀賞なんだよっ!」
「世界中のみんなを笑顔にするための学園祭。だから笑顔でいれた人が優勝なんだよ!」
そう曇りのない幸せそうな笑顔でたいむちゃんは宣言した。
「私の名前がついたカフェを開いてくれた人、子供達の夢をつかえてくれた人、大切な人を思い出を作りに来た人、私と一緒に歌ってくれた人。いろんな人がいたけど、今日参加してくれた人がみんな大切な思い出を抱いてくれたら私は幸せだよ!」
たいむちゃんの言葉に参加者は今回の学園祭で体験したことを思い出し会場は再び笑顔に包まれていた。
「みんないい笑顔だね! それじゃあ」
「ニルヴァーナ学園祭、これにて閉会だよっ!」

担当マスターより

▼担当マスター

いるか旅行記

▼マスターコメント

どうも、こんにちは! いるか旅行記です。
参加者のみなさん、この度はニルヴァーナ学園祭に遊びに来てくれてありがとうございました!
まだ不慣れなリアクション執筆ですが、少しでも楽しんでもらえたら本望です。
表彰式ですが、最後まで笑顔でいてくれた人が全員優勝という形をとらせてもらいました。
それではまた次のシナリオでお会いしましょう!
ありがとうございました!