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【第三話】始動! 迅竜

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【第三話】始動! 迅竜

リアクション

 数日後 エッシェンバッハ派 秘密格納庫

 スミスに呼び出された彩羽は秘密格納庫の一角へとやって来ていた。
「もう完成したの? 随分と速いのね」
 彩羽の前には屹立する一機のイコン。
 その機体色は漆黒。
 そして、来里人や“鳥”、そして“鼬”の愛機であるグリューヴルムヒェンの面影もある。
 明らかに違う点といえば、両肩に取り付けられた紡錘形に近い球体の大型パーツだろうか。
「これがあなたの専用機にして、グリューヴルムヒェン・シリーズの七機目――“シュピンネ”です」
 その名を聞かされ、彩羽は思わず笑い出した。
「“シュピンネ”――それじゃあもう、何の虫だかわからないわね」
 するとスミスも一緒になって笑いだした後、彩羽に微笑を向ける。
「ですが、ウィザード級ハッカーとしての実力を持つ彩羽さんの為に設計された電子戦用の機体――ともなれば、これほど相応しい名前もございませんでしょう?」
 そう言われて彩羽は深く納得するとともに、あることに気付いた。
 確かに、そう言われてみれば、両肩の大型パーツは蜘蛛の腹部の形に見えないこともない。
「ありがとう。大切に乗らせてもらうわ」
 できあがったばかりの機体を見上げながら、彩羽は微笑を浮かべた。
 
【第三話】始動! 迅竜 完
 To be continued.