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【琥珀の眠り姫】聖杯と眠りに終焉を

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【琥珀の眠り姫】聖杯と眠りに終焉を

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第五章 終焉

 イルミンスールの森の中を、キロスはユーフォリアの見付けた洞窟へと向かっていた。
 キロスの近くには、他にもタシガン空峡から戻ってきた契約者たちや、聖杯を探すために後から合流する契約者たちが幾人もついてきている。
 キロスは肩に、琥珀の棺を軽々と担いでいる。ユーフォリアからの連絡で、祭壇の部屋に棺を保管し、聖杯が揃うまでキロスが守ることとなったのだ。
「しっかし、目印がねえとマップを見ていてもなかなか分からねえな……」
 キロスがひとり愚痴を零したとき、近くの茂みが揺れた。
「……お久し……振りです……」
 現れたのは、菊花 みのり(きくばな・みのり)だった。その後ろから、アルマー・ジェフェリア(あるまー・じぇふぇりあ)グレン・フォルカニアス(ぐれん・ふぉるかにあす)が現れる。
「……探しているのは……三つ目の……聖杯……ですか……?」
「何で、そのことを知ってんだ?」
 キロスが訝しげに訊ねる。
「教えて……貰ったんです……森の住人……達に……」
「少しだけ聖杯の情報を知ったから、その念を辿ってここに来ていたの」
 アルマーがみのりの言葉を補うように答える。
「聞きたいことあるなら、みのりに聞いてくれ。住人の声は、みのりにしか聞こえない」
 グレンの言葉に、キロスが頷いた。
「聖杯の念ってのは、どっちの方に感じるんだ?」
「……目指す場所は……あっちです……」
 みのりは、鬱蒼とした木立の一方向を指差した。キロスは、心なしかその木々の合間が上手くすり抜けられるように開いているような気がした。
「ワタシは……これ、以上……進むのは……できない……ので……」
 みのりはそう言って、キロスたちに道をあける。
「ということなの。ここから先の案内ができなくてごめんなさいね」
 アルマーの言葉に、みのりが小さく頷いた。
「では……また、いずれ……」
 みのりたちは、すうっと消えるようにまた森の中に消えていった。