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涙の数だけお助けを

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涙の数だけお助けを

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エピローグ

 アクシューミは街を追放され、街には凱旋を祝う祭りの席が設けられた。
 もちろん、メルとアクシューミの婚約は解消されたのだが、父アルベルトも今回には懲りたとばかりに、いましばらくはメルに自由な時間が与えられた。その間、メルは自分の生き方を考えるつもりだろう。たとえ、王子様を待つにせよ。
 祝祭ではローデリヒがスピーチや演説を進め、メルは仲間たちとともに酒の席で楽しんだ。
 お酒は飲むことができないが、みんなとおしゃべりをしたり、おつまみをつまんだり、食事を取ったりすることは、それだけでも幸せな時間だった。思えばずっと一人だった。カーミラがたびたび聞かせてくれる冒険譚や、いまは亡き母が語ってくれた英雄の物語に、もしかしたら憧れを抱いていたのかもしれない。
 やれ飲め、やれ騒げ。夜通し遊び尽くす契約者や兵士たちを見て、メルはほほ笑んだ。
 竜よ、羽ばたこう。小人よ、踊ろう。
 仲間たちとともに冒険に出て、火を吹く凶悪なドラゴンや、精霊たちの村、地下遺跡の魔王などと戦う夢を見ながら、メルはしずかに夢へとおちていった。
 メルを守った契約者たちは、彼女に毛布をかけて、その寝顔を見ながらくすっと笑った。
 その後のことをほんの少しだけお話しよう。
 陽ならずの森に大地は裂け、樹木の天蓋が失われたことで、おりしも太陽はそこにふり注ぐようになった。
 大地の裂け目は、そこに残り続けるのだった。メル・リリアンテを救った、物語として。

End

担当マスターより

▼担当マスター

夜光ヤナギ

▼マスターコメント

 シナリオにご参加くださった皆さま、お疲れ様でした。夜光ヤナギです。
 「涙の数だけお助けを」、いかがだったでしょうか?

 元々はもっとコメディ色多めの想定だったのですが、アクション判断でこうした結果に。
 これはこれで一つの形かな、と。
 なんだか、メルやアクシューミたちのお話を皆さんにつくっていただいた気がして本人としては喜んでおります。

 ところで今回は単発シナリオだったのですが、今後もこういった形のリリースはしていくつもりです。
 もちろん人気の度合いや僕個人の思い入れによって、続編は出る可能性があるのですが。
 やっぱり初めてのお客さまにも楽しんでいただきたいですしね。
 単発ものも、欠かせないかと。

 ちなみに今回のキャラでいいますと、メルとアクシューミは続投を悩んでいるところです。
 これは彼女たちのその後のお話になりますが、メルは冒険への憧れを抱き、アクシューミは街を追放されて自分を見返す時期を迎えているのです。
 なんとか彼らのそのお話をお伝えできたら、とは思っているのですが。
 その時が来るかどうかは、いまはまだ分からないところです。

 それでは、長くなりましたがこの辺で。
 また、皆さまにお会いできるときを楽しみにしております。
 ご参加ありがとうございました。