天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

インタビュー・ウィズ・コントラクター

リアクション公開中!

インタビュー・ウィズ・コントラクター

リアクション

34)リア・レオニス(りあ・れおにす)

リア・レオニス(りあ・れおにす)は、
スタジオ入りの前に入念に衣装のチェックをした。
「服とかおかしくないか?」
薔薇の学舎制服に、東シャンバラ・ロイヤルガードの正装だった。
「何度目ですか、それを聞くのは」
レムテネル・オービス(れむてねる・おーびす)が、
リアに苦笑を向ける。
「まあ、普通は緊張するだろ?」
「困ったら、トッドさんをあの方の親戚か何かだと思いなさい」
「そうか……よし」
リアはうなずいた。
髪を整えて本番入りする。

「リアさんは地球では運動部を掛け持ちしていたということですけれど、
どういうスポーツが得意なのかしら。
さわやかなスポーツ青年のお話、ぜひ伺いたいわ」

「のっけから恥ずかしいですね、お手柔らかに」
リアは照れつつ、話し始める。
「所属してたのは陸上とサッカー、バレーやバスケもやったかな
けど、助っ人ならどこでもいったよ。
お礼に学食のヤキソバパンを貰ったりラーメンゴチになったりな」
「まあ、じゃあ、皆さんに喜ばれてたのね」
「体を動かすのが好きだし誰かの役に立つのも嬉しかったしな」
リアが笑みを浮かべる。

「サッカーって結構フィールド広いんだぜ。
ボールがない所も駆け引きがあって気は抜けないし、
プレイはガンガン進むから一瞬一瞬変わってくし……
けど、ハマッタ時とか最高にスカッとする。
練習の成果が出て点が取れた時とか、
もう、独特の歓喜があるんだよ。
なんていうか……うーん」

リアは、トッドさんに向き直った。

「地域にチームがあるなら、一度スタジアムに足を運んでくれ」
「ええ、近くにあると思うわ」
「多分それで選手から伝わってくるから」
「そうね。見に行ってみなくちゃ」
好奇心旺盛なトッドさんの興味をかきたてるに十分な話だったようだった。

「では、他の方からの質問です。
渋井 誠治さんからです。

好きな食べ物は何ですか?
割とありがちな質問だけど、番組の中で時間があれば答えてくれると嬉しいな。
出身地が違うと食文化も違うだろうし、皆がどんなものが好きなのかちょっと気になったんだ。
パラミタだと地球の料理はなかなか食べられないかもしれないけど、
ここでアピールしておけば空京で流行っていつでも食べれるようになるかもよ?
なーんてね」

「さっきも少し出たけど割りとジャンクな物が好きだな
ホットドックとかヤキソバとかバーガーとか
揚げたてならフィッシュアンドチップスも美味いと思う」
「外で食べるのがお好きなのね」
「屋台からいい匂いがすると、つい買っちゃうんだよな」
リアは、ヤキソバをひっくり返すジェスチャーをする。
「今でもバイトで作るついでとかに、な」
「薔薇学生なのにバイトなさってるの?」
「仕送りも受けてないので今でもバイトしてる。
薔薇学では異色の庶民かもな」
「まあ、確かに珍しいわね」
「俺の評価はロイガーや王室への評価に繋がると思うので相応しくあろうと思うし」

アイシャに、だろ。お前アイシャ……」
観覧席のザイン・ミネラウバ(ざいん・みねらうば)のヤジを、
レムテネルが口を押えて止める。

(生放送ーっ!
立場考えろよ。国家神だぞ、言うわけには……うわあ……)
頭が真っ白になるリアだが、
幸いにもトッドさんの追及は受けずに済んだ。

「では、次に、
キュべリエ・ハイドンさんからです。

もし地球とパラミタどちらかが滅んでどちらかを救えるのだとすれば
あなたが救うのは地球?それともパラミタ?
両方救うという回答ではなく二者択一でお願いします」

「ケースバイケースなんで無理だろ、これに答えるのって」
リアが困りきった顔で言った。
「どちらに永住しますか?
なら“パラミタ”って即答できるんだけどな」
「なるほど。
では、次の質問です。
国頭 武尊さんから。

契約者になる前は、地球で普通に学生やっていて
争い事なんかにゃ無縁だった人も居るだろうから敢えて聞くけどよ。
やっぱ、契約者になってその活動期間が長くなると
人を傷つけたり、時には殺めたりする事に、
抵抗感や不快感を持たなくなるのかね。
すっげぇ答え難い質問だと思うから、無視してもらっても構わないぜ」

「そうだなあ、抵抗感を持たない奴はどうかしてると俺的には思う。
幸い俺には経験がないが将来的な可能性はあるだろう。
感覚がマヒしちゃダメなことだと、思うよ」
(だが、アイシャやこの国を脅かそうとする相手なら。その時は……)
迷いは、決意に変えられるだろうと思う。

「次の質問です。
青葉 旭さんです。

自身の所属校ってどの程度大事に思っている?
質問がアバウトですが、極端な例を挙げると、
王国が滅んでも学校を守る。
他の学校を全部潰して自分の学校1校だけにしたい。
友達よりは大事だけど、恋人よりは大事でない。
嫌い、早く転校したい。
全く大事でないどころか明日にでも破壊したいくらい嫌い。
といったところかな。

自分の学校のこういう点が改善されたらもっと好きになれるのに、
というのがあったらそれもお願いしたい」

「変わった嗜好の奴も居るけど、いい所だよ。
体制も変わってエネルギーに関する部門も出来た。
良い方向に変わるようにしたいな」

「なるほど、本日はたくさんのお話をありがとうございました」
「こちらこそ、今日は貴重な体験をさせてもらった。ありがとう」
トッドにリアは握手を求め、二人は笑顔を交わした。